世の中には無数の本があり全てを読むことは不可能です。総務省統計局のデータによると平成28年の出版点数は78,113であり、三年間を平均するとおよそ8万点もの書籍が毎年出ていると言われています。
そのことに着目して書かれた本は、今回紹介する「読んでいない本について堂々と語る方法」。いやね、感想だけをお話させてもらいますと、目から鱗過ぎました。読書会主催者としてこの本を紹介して良いのか迷いますが、この本が大好き過ぎるので紹介致します。
目次
読んでいない本について堂々と語る方法がオススメな人
- 読んでない本について話すことに罪悪感を覚える人
- 積読が多い人
- 読まなければ行けない本が沢山ある…と憂鬱になっている人
- 凝り固まった読書感を変えたい人
- 教養について構造的に捉え直したい人
教養があれば「読んでいない本について堂々と語って良い」
この本では、教養を身につける為に本を読む際に大切なことは一つの本にこだわりすぎないことだと言っています。
教養とは、一冊の本からの深い教養ではなく、本の位置づけや立ち位置から考えて、社会の中でどのようなスタンスで話されているのかを考えるということです。
つまり、教養とは網羅性であり位置付けなのです。
まずは全体という概念の重視にあるが、それは真の教養とは網羅性を目指すもので、断片的な教養の集積にものではないということの示唆していると考えられる
引用:読んでいない本について堂々と語る方法
このように、教養において大切なことは、偏った教養ではなく網羅性なのです。
読んでいない本を堂々と引用している本!!
本書で最も強烈だったのが、様々な本を引用しているが、引用している本にマークが付いていることです。
▼引用のマーク意味
- ちゃんと通読した本
- 全く読んでない本
- 読んでないが人から聞いた本
この様に、自分が読んでいるかいないのかがわかるように、引用した本にマークされています。
引用もあたかも読んだかのように引用して、論理構成がしっかりしているのが驚きです。
著者の読んでいない本でも堂々と引用するスタンスをみて、「あ、読んでなくても本当に堂々としているんだな」と実感させられました。
読んでいなくてもインターネットで見れば内容がサラッとわかる時代
さすがに、内容が間違っていたら問題になりますが、いまではインターネットがありますので、内容が正しいか間違っているのかは確認することができます。
それで自分が引用したい部分についての話が間違ってなければ、上手く引用することは可能なんだなと思わせてくれたのが、私の中ではかなり強烈でした。
書籍の正しさではなく、自分が感じたことが全て
そもそも、本の内容が正しいか間違っているのかという語り合いもナンセンスですよね。
本の内容はその人が今まで読んできた本の内容や経験を踏まえて語られることが多い為、人それぞれによって感じ方が異なる場合が多いので、厳密に言えば何が正しくて、何が間違っているのかがわからないです。
少なくとも正しいとされるのは著者の発言であり、著者が何を考えて書いたのかまでを把握することが出来なければ、正しい本の内容というのは語ることが出来ないわけです。
書籍について正しさにこだわるのではなく、書籍を読んで、または書籍を聞いて思ったことを語ることは、よほどアイデンティティを傷つけたり誹謗中傷をする限りでなければ、別に問題は無いのかなと思いました。
読んでいない本について堂々と語るには書物感の関係性が大切
本を語る時に大切なのが、内容についての捉え方の正誤ではないとした場合、本当に大切になってくるのはなんなのでしょうか?
個々の書物と別の書物との関係が大切です。
書かれている本の立ち位置が他の本との関連性においてどのような位置づけなのか。自分がこれから生きていく道のりを方向付けましょう。
社会という全体の中で今、自分がどの位置にいるのかを客観的にわかることが、真の教養であると述べられています。
ここを見ると読書会でやっていることと似ているなーと思うんですよね。
個々に本を持ってきてもらう読書会をやっていると自然と繋がりや著者のスタンスや立ち位置なんかがわかるんですよね。読書会スゲーなって改めて思いました。
読んでない本を堂々と語る方法は?
読んでない本を堂々と語る方法も述べられていますが、ハウツー的なモノを気にして読むのはあまりおすすめできないかなと思います…。
例えば、読んでない本について、相手の質問を聞き、自分の経験でそれを語るというようなことが書いてありましたが、コメンテーター以外に使える状況がイメージできないですね…。
コメントを求められた時というのがあれば、使えるのかなと思いますが…。って感じの方法ですね。
読んでいない本について堂々と語る方法は真の教養を考えさせる本
この本は読んでいない本について堂々と語るハウツー本として読むと微妙な本かなと思います。
教養という部分について焦点を当てると「なるほど!」と思えるような部分が多いです。
あと、読書会で本を紹介されることもこの本から考えれば読書の一種かなと考えられます。
読書会の有用性を改めて認識することが出来ました。
やっぱり読書会は楽しいです。読書会が最強の読書法なのかなと感じました。
最後まで読んでいただきありがとうございました!