「学歴社会は崩壊する」
「良い学校に行っても意味なくない?」
このような話を聞くことがよくありますが、少し前の記事によるとアメリカの大卒者でも学歴に見合う就職が困難になっているそうです。
アンダーエンプロイメント現象は、大学を卒業したばかりの若者で最も多く見受けられる。09年〜11年には、22歳の大卒者の56%が大卒の学位を必要としない仕事に就いており、その比率は1990年や2001年のそれを大きく上回った。
日本でも、学歴があっても良い会社に就職することができずに、いわゆるブラック企業に入社している方もたくさんいます。
今回は学歴社会が崩壊している理由と、学歴はあったほうが便利な理由をまとめてみました
学歴が大切なのは「良い会社に入社するため」
戦後間もない時は、学歴がなくても、生きていくことができました。そして、江戸時代が明治維新に変わった時も、別に学歴がなくても名を成した人は沢山います。
では、学歴が大切だといわれたのいつからなのか?またなぜなのでしょうか?
学歴が大切だと言われたのは高度経済成長期である1954年から1973年ぐらいだと思われます。
高度経済成長期とは、景気が良く、優良企業に入社することができれば、頑張れば頑張るほど勝手に年収が上がっていきました。
「良い会社→良い人生」という縮図ができあがった時でもあります。
では、良い会社に入社するためには何が必要だったのでしょうか?
それが「学歴」です。
良い会社に入社希望者が殺到する時に、一人一人面接をしていくわけにもいきませんので、何かでふるいにかけないといけません。その時に使われたのが「学歴」なのです。
後述しますが、学歴でふるいにかける理由は「優秀な人材にあたる可能性が高いから」という点だと思います。
実際に大手企業の人事の方とお話をしたところ、学歴が高ければ高いほど優秀な人材にあたる可能性は多いというお話も聞いたことがあります。
こうして日本では「良い学校→良い会社→良い人生」という学歴社会の流れができあがったのです。
学歴社会が崩壊は「良い会社→良い人生」の崩壊?
高度経済成長期になり「良い学校→良い会社→良い人生」という流れができたと説明しましたが。
学歴社会が崩壊する最大の理由が「良い会社→良い人生」という流れに疑問が生じてきたことです。
良い会社に入れば良い人生になるという流れが、「良い会社に入っても、倒産する可能性があったり、給料が上がらなかったり、サービス残業が横行している」ので、良い人生になっていないのです。
テクノロジーの進歩が学歴社会を崩壊させる
テクノロジーの進歩により、良い会社に入社しても、その会社が倒産する可能性が高くなっています。
例えば、米国の700を超える職種の約半数が10年〜20年以内に消えるということが言われています。
だが、記録的な長期失業者の多さやベビーブーマー世代の引退による労働人口の低成長見通し、若年層の就職難に加え、米国の700を超える職種の約半数が、IT(情報技術)化で10~20年以内に消える「高リスク」にさらされていると言われるなか、米労働市場にバラ色の未来を期待するのは禁物だ。
つまり、350の職種の雇用が無くなる可能性があり、良い会社に入社しても解雇される可能性があるのです。
また、グローバル社会の到来とコンピュータの発達により、SEであれば、地球の裏側に住むインド人に発注することも可能になってきました。
インドの物価はアメリカの3分の1程度と言われています。
インド人にアメリカ人の半分の給与を払えば、インドでは大金ですから超満足します。
こういったことは、ダニエル・ピンクのハイ・コンセプトにも書かれています。
これからの労働市場で生き抜けるか不安だという方は、一度読んでみることがおすすめです。
学生数の上昇でライバルが増加「大卒に意味がない」
現在は一部の超ハイスペック学歴以外の大卒ブランドに価値がないです。
昔は大卒というだけで、良い会社に入社できましたが、今の時代はそんなことはありません。
なぜなら、大学に通う学生の数が急増しているからです。
下記のグラフは日本の大学の進学率です。大学に進学する人が急激に増えていることが分かります。
昭和35年の大学入学者数が16万人だったのに対して、平成28年の大学入学者数が62万人に増えています。
簡単に考えて、大卒者が4倍になったということになります。
つまり、大卒ブランドの価値は4分の1にまで低下したということです。
不景気により採用人数が減少している
大卒のブランドが4分の1にまで低下していると言いましたが、更に大卒の数だけ増加はしても、「良い会社→良い人生」になれるような企業も採用人数を減少させています。
不景気により採用人数を絞っているのです。
大学入学者が増えるということは、それだけ学費を払っている人がいます。彼らの学費は奨学金という、将来自分が払う借金で払われています。
しかし、学費を払っても良い会社に入社できないず、借金だけ背負う可能性が高いというような状況になっているのです。
比較的優秀な学歴であれば持っておくべき理由
大卒の価値は下がっていて、学歴を持っても良い人生になれる可能性は低いと言いました。
それでも私は比較的優秀だといわれるような学歴はあった方が便利だと思います。
※学歴差別という言葉があるくらい学歴の話題はデリケートです。そのため、私から「比較的優秀な学歴はどこからか」とかは言うつもりはないです。比較的優秀な学歴という考え方にも個人差があると思うので、先生や周りの方とお話してください。
優秀な人材に囲まれることができる
個人的な意見ですが、大企業の採用戦略と同じ様に、良い学校に行けば、優秀な人材に囲まれる可能性は高いです。
優秀な人材に囲まれれば、その人達が刺激となり、成長できる可能性があります。
実際に自分よりも優秀な人達に囲まれると、「自分はダメだ…」と感じてしまうこともあるでしょう。そういった挫折を経験して、挫折から復活することを繰り返すということは成長につながるのです。
目標達成する技術という本にも書かれていますが、心地よい状態は成功とは逆に向かっていると言えます。自分が挫折を経験するほどの居心地の悪いところには成長しかないのです。
参考書評「目標達成する技術」マイケル・ボルダックが語る感情を行動に移す方法とは?
学歴=努力ができる人の証明として
学生の本分は勉強であるという言葉があります。
学歴が高い人というのは勉強をしてきた人であるといえるので、努力をしてきた人であると言えます。
ちなみに、個人的な意見ですが、国公立大学卒業と私立大学卒業では、努力の方向性に違いがあります。
国公立大学卒業の友達を見ると、「継続的な努力が上手い」人が多いです。一方で、私立大学卒業の友達をみると、「要領が良い努力が上手い」人が多いです。
ちなみに、学歴=努力ができる人の証明といいましたが、難しい資格を取得した方や、スポーツで結果を出した方や、文化的な賞を受賞した方も努力ができる人の証明です。
学歴がないから…っていう「学歴コンプ」は必要ないです。
学歴にはブランド価値がある
学歴にはブランド価値があると思います。
名の通った大学を卒業している方であれば、◯◯大学の〇〇さんという風に覚えられることもあるくらいです。
ただ、学歴はブランド価値がありますが、その後で入った会社にもブランド価値があります。
さらに、今ではSNSのフォロワー数の数もブランド価値を形成していると言えます。
昔は学歴が圧倒的なブランド価値であり、転職もしないので一生ついて回ったものだと思いますが、今ではそうでもないのかもしれません。
学歴社会崩壊の世界でどこでブランド化していくのか?
学歴が便利な理由を簡単に言えば「優秀な人材」と「ブランド化」になります。
ただ、優秀な人材は、学歴以外でも得ようと思えば得ることができますし、ブランド化も学歴以外でブランド化することも可能です。
学歴社会が崩壊したときに大切なのが、「あなたは何者なのか?」です。それを象徴できるような力を身に着けること。個人ブランドを身につけることができれば、学歴なんて必要ないのかもしれませんね。
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