「人脈が大切なんだよー」
「おれは一杯知り合いがいるんだー」
人脈が大切だと言われていますが、実はあまり必要ありません。
今回人脈の整理術を書く上で参考にした本「君に友達はいらない」の中で、知り合いが多いのは無意味であり大切なのは武器としてのチーム作りであると述べられています。
「君に友だちはいらない」あらすじ
グローバル資本主義が本格的に上陸し、戦後、奇跡の復興を遂げた日本やその躍進を支えた会社などの組織が解体され、新たな仕組みが再構築される「夜明け前」の今を生きるための「チームアプローチ」論。ほんとうの友だちとは? 真の仲間とはなにか?
引用:Amazon
今回は、人脈の整理術と武器としてのチーム作りを書いておきます
目次
君に友達はいらない?「ゲリラチームを作ることのススメ」
「君に友だちはいらない」の中では、自分たちの信じる新しいパラダイムを信じる人を徐々に増やしていくことが大切であると言っています。
これは、新しいパラダイムを信じる仲間を増やしていけば、古いパラダイムを信じる人が死に絶えることにより、パラダイムの転換点が生まれます。
この際に、新しいパラダイムを信じる仲間が沢山いれば、転換点に爆発的な成長を遂げることができるからです。
つまり、今の20代が行うべきことは、新しいパラダイムを信じる仲間を作り、新しいパラダイムを守りながら、強固なゲリラチームを作ることなのです。
古い価値観が役に立たない環境で生き残れるのは「若い世代」
なぜ、新しいパラダイムを信じる仲間を今から増やすべきなのでしょうか?
それは、「新たな環境で生き残るのは新しい世代」だからです
「君に友だちはいらない」の中でも、技術革新が進んだ世の中は新しい環境といっても同じであり、新しい環境で生き残るのは新しい世代であると述べられています
新しいパラダイム(ものの見方や価値観)が必要になっているというのは、これまでの価値観が役に立たない状況となっているからに他ならない。まったく前例が通用しない状況のなかで、新たな環境にいち早く適応し、生き残っていくのは常に若い世代なのである
引用:君に友だちはいらない P35
今の若い世代は、ミレニアル世代とも呼ばれています。
古い価値観では理解できないような特徴が多いミレニアル世代は既に新しい環境に適応しているのかもしれません。ミレニアル世代についてご存知が無い方は下記をご覧ください。
若い世代しか生き残れないという考えは、実は昔から言われています。
アップルの共同創業者のスティーブ・ウォズアニックも、1995年頃に日本に来日した際に、日本がソフトウェアに強くなるには「若者を自由にさせること」と言っています。
つまり、新しい環境に適応できるのは新しい世代だけなのです。
古い価値観から新しい価値観に変わる時は古い人脈整理すべき
では、古い価値観から新しい価値観へとパラダイムが変わる瞬間というのは、一体どういう時なのでしょうか?
「君に友だちはいらない」では、科学史家のトーマス・クーンが天動説から地動説に変わった理由を述べたことと同じだと言っています。
天動説から地動説に変わった理由は「世代が変わったから」。
誰かが沢山説明した訳でもなく、啓蒙した訳でもありません。単に世代が変わったことにより、自然と「え?地球動いているっしょ!」っていう感じになったそうです。
つまり、天動説の支持者がほとんど死に絶えて、新しい世代の人が、「天動説はおかしい」と考えるようになったから地動説が支持されたということです。
余談ですが、「ORIGINALS」に書かれていましたが、地動説を唱えたコペルニクスは最後まで地動説を提唱したくなくて、20年間くらいは引きこもっていたそうです。しかし、偉い人(確か教皇)からの励ましにより、地動説を提唱したそうです…。
世代交代して、考え方が変わるまでは地動説を提唱しなくて正解でしたね…。
ガリレオ・ガリレイは幽閉されてますし…。
君に友達がいらない理由「人脈を維持するのは大変」
「君に友だちがいらない」では、人脈を維持することの大変さについても語っています。
人脈を維持するために必要なことは「圧倒的なパワー」です。
デイビッド・ロックフェラー(石油王で大富豪)を例に出し、ロックフェラーほどのパワーがない人であれば、人脈としての数を追求しても意味がないことを伝えています。
デイビッド・ロックフェラーは政界・財界にも精通しており、いわばパワーの象徴でした。
そのロックフェラーだからこそ、相手も「ロックフェラーに良いことをしておけばいずれ良いことが返ってくる」と思って、人脈を維持することを頑張ったのでしょう。
ロックフェラーが持っているパワーだからこそ、圧倒的な人脈を維持し続けることができるのです。
しかし、普通の一般人であれば、できることなんてたかが知れています。そのため、人脈を維持することが難しいのでしょう。
モノや知識も人脈同様整理が「専門バカになるな」
また、モノや知識も人脈同様にありすぎると、専門バカになると下記で述べています。
モノも知識も、たくさん持ちすぎると、それを自分がコントロールしていると思っていながら逆にそれに縛られてしまうということがある。いわゆる「専門バカ」というのがそれだ。ある分野については膨大な知識を持っているが故に、それ以外の視点からは物事が見えなくなる(中略)仲間の数を増やすのではなく、少数の仲間の質を追求することが肝要となるのだ。
引用:君に友だちはいらない P118
本当に必要な人脈・モノ・知識以外は捨てる勇気を持つことです。
逆にありすぎる人脈・モノ・知識に縛られてしまい、身動きが取れなくなってしまうのです。
余談ですが、私の実体験としても、すごく納得できます。自身で勉強会を開催しているのですが、いろいろな勉強会に顔を出している人であればあるほど、何を言っても「あーあれか、あれねぇ。」と言った、上から目線になって、批判だけして身動きが取れなくなっている人が多いのです…。
ちなみに、色々な勉強会に参加している人って本当に偉そうなんだよね。
自分も主催者として偉そうにならないように気をつけないと!!
君に友達がいらないから学ぶ「人脈整理のための4つの質問」
おまたせしました…いよいよ人脈の整理術についてになります。
人脈を構築し始めるよりも前に行うべきことが「人脈の整理」です。
今の自分の人脈を確認することで、人脈が望ましい形であればそのままの状態で良いですが、人脈が望ましくない状態であれば、人脈を変えるべきなのです。
人脈は「あなたがどういう人間か」を表している
人脈を整理する前に、今の人脈に対して「望ましくないなぁ…」って思っている方は、気をつけたほうが良いかもしれません。
「君に友だちがいらない」の中でも、人脈というのは「あなたがどういう人間か」で決まるとも言われています。
今の人脈が「望ましくないなぁ…」って思っているだけでなく、今の人脈に客観的に見てロクでもない人間が多い人は、あなた自身がロクでもない人間である可能性が高いのです…。
ここ、かなり「グサっ」と来ました
「君に友だちはいらない」で書いてある人脈整理(ネットワークの棚卸し)の為の4つの質問は下記になります。
- 自分が頻繁にあっている人はどういう人か。
- たまにしか会わないけれど、自分にとって重要な人は誰か。
- どれほど多様なコミュニティに属しているか。
- 自分の近くにいる人で別のコミュニティのハブになってくれそうな人はいるか
私自身、上記の質問をしてみた時に、尊敬できる人もおらず、足の引っ張り合いをする単体のコミュニティに所属していたことに気づきました。
そこから、人脈を整理し、自分が尊敬できる人に囲まれて過ごすようにしたのです。
人脈を整理し「他の人脈と繋がることが大切」
「君に友だちはいらない」では、これまでの日本社会とこれからの日本社会の違いから、どのような人脈を作るべきなのかが書かれています。
これからの人脈は「他の人脈にも繋がれる広い人脈」を持つべきなのです。
- 従来:日本社会は狭いネットワークでも、会社が終生面倒を見てくれたのでなんとかなった
- 今後:日本社会は会社や業界そのものが無くなる可能性がある
自分が所属する以外のネットワークに所属するには、一種の命綱(転職の時に使えたり、相談できたりする)です。
ここについては「人生は20代で決まる」の中でも「ゆるいつながり」の大切さが述べられているのと同じですね。
求人告知をしていない職業が全体の50%であり、その大半は「ゆるいつながり」がもたらすと言われています。
友達ごっこの人脈こそいらない「人脈を選ぶことが大切」
同時に「友だちごっこ」は人生の無駄であるとも述べています。
SNSで繋がることも無意味であり、一瞬で繋がることができる関係性に意味はないのです。
結局そのような無意味な繋がりを持ち続けることは人的資産をすり減らし続けているだけであり、ここでも人脈を選ぶことの大切さが述べられています。
今の属する場所に問題があると感じているならば、「なぜ現状の仲間になってしまっているのか」「どこを改善すれば、既存の仲間以外の人っと繋がることができるのか」を考える必要があるだろう
引用:君に友だちはいらない P173
人脈を整理して「非公式な組織への所属」する
「君に友だちがいらない」の中で、非公式な組織に所属することがとても大切だといわれています。
非公式な組織とは「社内や社外にある誰からも認められていない若手だけの勉強会」のことを言います。
非公式な組織に所属することで、自社や業界の動向をいち早く捉えていることができるのです。
大切なのは、「冗長性の少ないネットワーク」をなるべく多く持つことだ。「冗長性の少ないネットワーク」とは、自分がこれまで所属してきたネットワークと、重なる部分少ないネットワークのことだ。より簡単に言えば、「自分のことを知らない人たち」ばかりがいるネットワークのほうが、自分にとって価値が高いということである。
引用:君に友だちはいらない P290
私自身、勉強会という非公式な組織を行っていますが、毎回毎回、色々な業界の参加者の方がいらっしゃいます。
- 業界の動向
- 各技術革新がどう言った部分で影響を受けているのか
- 実際に働き方はどう変化しているのか
などといったことを聞くこともでき、非常に楽しく過ごしています。
普段の自分では知らない情報を得ることができるのです。
「良いチームの特徴」を理解して人脈を整理しよう
では、人脈を整理していくにあたって、人脈を捨てるだけでなく、人脈を作りチームを作っていくことも必要になります。良いチームの特徴とは一体何なのでしょうか?
チームアプローチでは、「よいチームはたいていの場合、次の5つの特徴をもつ」と定義する。
1.少人数である
2.メンバーが互いに補完的なスキルを有する
3.共通の目的とその達成に責任を持つ
4.問題解決のためのアプローチの方法を共有している
5.メンバーの相互責任がある引用:『君に友だちはいらない』著者・瀧本哲史氏が語った 現代を生き延びるための、本当の仲間づくり=”チーム・アプローチ”の必要性
印象的なのは、相互補完的なスキルがあることです。
つまり、多種多様な人々の集まりが重要だと言っているのです。
君に友達がいらないまとめ:「夢を語り合うだけの友だちはいらない」
最後に本書では友だちではなく、何が必要なのかを述べておりました。
夢を語り合うだけの「友だち」はあなたにはいらない。あなたに今必要なのは、ともに試練を乗り越え、ひとつの目的に向かって突き進んでいく「仲間」だ。SNSで絡んだり、「いいね!」するだけの「友だち」はいらない。必要なのは、同じ目標の下で、苦楽をともにする「戦友」だ。友だちも仲間も他人から「配られる」ものではなく、自分自身の生き方を追求することで自然に出来上がってくるのだ。
引用:君に友だちはいらない
自分自身の生き方を追求するために必要なのは目標です。
目標を持ち、ブレない自分で行動し続けることが出来れば、あなたの行動に感化されて戦友が自然にできあがっていきます。
「君に友だちはいらない」はチーム・ビルディングの良書になります。是非読んでみてください
以上、書評「君に友だちはいらない」要約:馴れ合い不要!ゲリラを作れを解説しました