書評「代表的日本人」明治の人が海外に向けて紹介した人物伝とは?

4.0

少し歴史の話になりますが、明治の時代から海外との国交が回復して、海外の人と色々とやりとりが増えて来ました。

そんなときに。日本の代表する人物を海外に紹介しようということで、英語で書かれた本がありました。この本でケネディが上杉鷹山を知り尊敬するようになったと言われています。

それが、今回紹介する代表的日本人です。

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代表的日本人がオススメな方

  • 海外に誇れる日本人を知りたい方
  • 日本を代表する日本人についての歴史を知りたい方
  • 西洋文化に対して日本人をどのように紹介するのか知りたい方

内村鑑三さんが書いて、稲盛さんが書き直したりする。

キリスト教の伝道者。聖書にのみ基づく進行なので無教会主義

新渡戸稲造とかが同級生

1890年くらいに海外に向けて書かれた本。英語で書かれた。日本及び日本人の改訂版がこれ。

ケネディが上杉鷹山を知って尊敬するようになった。

この本に書いてある偉人達は誰?

この本には下記に関する人たちが書かれています

  • 西郷隆盛
  • 上杉鷹山
  • 二宮尊徳
  • 中江藤樹
  • 日蓮上人

書き方が特徴的で、日本人は素晴らしいと賞賛したあとで、西洋の文化はなんたることかと対比で持っている書かれている箇所が見受けられます。

つまり、この本の中で代表的な日本人として選ばれている人は、西洋的な考え方に反対している人のことになります。西洋文化は最大多数の最大幸福という功利主義的な考え方に対して、日本の文化は、反対を言っていること。西洋的には一人が村全員を守るためなら一人死んでも良いというものであるが、日本的なものはその逆を言っているのです。

二宮尊徳について

色々な人について書かれていましたが、その中でも二宮尊徳について紹介したいと思います。

生い立ち

農民聖者と呼ばれた人。16歳の時に孤児になり、叔父さんに預けられた。大人ほどは働けない。出来ない部分は夜にやる勤勉な人でした。

二宮尊徳は文字が読める人になりたいから、古典を読んでいた。文字使わない仕事をしているのにそんなことをしても無駄だ、明かりを作るために使われている油がもったいないと叔父さんに怒られた。

その後、自分で油を生み出そうと思って、種を油と交換して勉強していた。しかし、またしても叔父さんに怒られました。「俺がお前を養っているんだから、お前の時間は俺の時間」だと言った叔父さんに納得して、叔父さんの為に草履を作るようになった。そのため、時間がなくなった二宮尊徳は、自分が歩いている間に本を読んだりするようになった。小学校などにある像はこのときの姿だと言われています。

凄さが認められる

洪水で沼地になったところに米を埋めて米を作ったりしていた。この凄さが幕府に伝わり、地位のある役職につけたいが、一農民だから何も出来ない。

荒んだ村を任せて、実際に10年かけてめちゃくちゃ良い村にして、幕府に採用される。

貴族の振る舞いとか知らないはずなのに、人格が凄いから貴族の振る舞いができる。

道徳が大切であるという教え

二宮尊徳は、仁術さえ施せば経済が回るという教えをモットーとし、道徳の大切さを訴え続けました。

人のために行うことが大切であり、もしも人の信頼を失ったら、自分を放り出してすべて与えよ。誠実に生きれば凄いことが起きる。

食料の備蓄が大切

二宮尊徳が地域が復興をお願いされた時に、復興の定義を10年分の食料備蓄があることとしました。

なぜなら国というのは9年分の備蓄が無いと危ないからです。そして、3年分の備蓄がないと国ではないと言われています。

二宮尊徳は現場主義の人間です。現場に常にいたことによって磨かれた感性により、凶作を言い当てたエピソードがあります。東北地方が凶作になった時ナスを食べて、夏なのに秋ナスの味がした。太陽が今年の力を全て使ったから、凶作が来ると言った。

現場に行っていれば感覚が養われる。誠実に行うことが大切。

民が飢えているのに役人が裕福とはなんたることか?

幕府に採用されて偉い人から飢饉の村に派遣されるたことがあります。

その村には食料庫があり、確認したいから全部開けろと二宮尊徳が言いました。しかし、門番は役人の許可証が無いと開けられないと言われた。

その時に二宮尊徳は「民が飢えているのに、お前らは裕福に食っている。断食をして飢えの辛さを知れ」と言ったそうです。その言葉に感銘を受けて、門番がすぐに食料庫を開けたというエピソードが本書で紹介されていました。

この時に二宮尊徳がどういうことを意図していたのかは、次の言葉でわかります。「民が飢えているのは納めている役人のせい、その役人に救済の策が無いなら、食を断って死ねば良い。お役人には責任が無いのに、収穫が無いのに飢えて死ねば、民は責任をとらされて死んだと思う。そうして民が頑張り、国が発展していくだろう。」

功利主義的な考えではなく誠実さが日本人には大切

このように、西洋文化的な功利主義的な考えではなく誠実さが日本人のあるべき姿であると本書では述べてみました。

他のエピソードもありますので、代表的な日本人の考え方に触れてみると良いのではないでしょうか?

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