「人生って短いなぁ」
「もっとやりたいことがあるのに、時間がとれない」
人生が短いと思ったことはありませんか?楽しい時間がすぐに過ぎ去ることもあれば、成し遂げたいことをやるのに時間がないと嘆く人もいるでしょう。
人生が短いと感じる人は自分軸で生きずに、他人軸に生きている人です。また、人生を有効活用できていないときに感じます。
- 受験や資格に合格したいけど、勉強する時間がない…
- 良い会社に転職しようと思っても、転職活動する時間がない
- 副業で結果を稼げるようになりたいと願っても、副業に使う時間がない…
本日紹介するセネカの「人生の短さ」についてでは、下記のように述べられています。
ひとの生は十分に長い。そして、偉大な仕事をなしとげるに足る時間が、惜しみなく与えられているのである。ただし、それは、人生全体が有効に活用されるならの話だ
では、どうすればセネカが言う人生の有効活用ができるのでしょうか?
それは「閑暇」つまり、「することが何もない暇な状態」になるです。
ただし、ただ暇になっては意味がありません、過去と向き合い英知を手にすること、自分と向き合い現在の生き方をしっかりと決めた人が、人生を有効活用している人だと言えるのです。
今回はセネカの「人生の短さについて」を解説します。
「人生の短さについて」のあらすじ
人生は浪費すれば短いが、過ごし方しだいで長くなると説く表題作。逆境にある息子の不運を嘆き悲しむ母親を、みずからなぐさめ励ます「母ヘルウィアへのなぐさめ」。仕事や友人、財産とのつき合い方をアドヴァイスする「心の安定について」。古代ローマの哲学者セネカが贈る“人生の処方箋”
引用:Amazon
人生が短いのは多忙から
セネカは、多忙な人はみじめな人だと述べています。
なぜなら、下記のように述べられている通り、多忙な人は自分の人生を生きていないからです。
多忙な人は、みな惨めな状態にある。その中でもとりわけ惨めなのは、他人のためにあくせくと苦労している連中だ。彼らは、他人が眠るのにあわせて眠り、他人が歩くのにあわせて歩く。だれを好いてだれを嫌うかという、なによりも自由であるはずの事柄さえ、他人の言いなりにならなければならない。そんな人たちが、自分の人生がいかに短いかを知りたがったなら、その人生の中で、自分のものだといえる部分が、いかに小さいかを考えさせればよい。
多忙な人とは「他人軸で生きている人」
本書の中で述べられている多忙な人とは下記のような共通点があります。
- 他人のために働き
- 好き嫌いを他人に決められ
- 他人の言いなりになる
- 他人の評価を気にして生きる人
つまり、多忙な人とは「他人軸で生きている人」のことなのでしょう。
他人軸で生きている人は、当然のことながら、自分に時間を使えていない人になります。
一見すると忙しいので充実しているように見えるでしょう。しかし、ひとたび忙しさから解放されてしまうと、自分のために費やした時間が少ないため、「何のために生きていたんだろう」と感じてしまう。
それが他人軸で生きている多忙な人の特徴なのです。
多忙に生きる理由は時間の価値を認識していないから
なぜ人は自分の時間を大切にしないのでしょうか?
それは、自分の時間を過小評価し、他人からの評価をより価値が高いものだと見ているからでしょう。
人は時間を使う時になると浪費家になります。誰かが時間をくださいとお願いすると、簡単に時間を与えてしまうのです。
なぜ、時間を簡単に与えてしまうのでしょうか?
それは、時間が目に見えないものだからでしょう。
時間は財産であり、お金と同様に有限ですから、しっかり管理した方が良いのです。絶対に与えるべきではない人に無駄な時間を費やすべきではないのです。
本書でもセネカは下記のように述べています。
ひとは、自分の財産を管理するときには倹約家だ。ところが、時間を使うときになると、とたんに浪費家に変貌してしまう――けちであることをほめてもらえるのは、唯一このときだけだというのに。
自分に時間を使えない最大の原因=「人生への過度な期待」
人生が短い理由は、下記の2点だと解説しました。
- 自分に時間を使えていない
- 時間の価値を理解していない
では、なぜ上記のような原因が起こるのでしょうか?それは「人に対して過度に期待していること」が原因です。
本書でも下記のように述べられています。
生きるうえでの最大の障害は期待である。期待は明日にすがりつき、今日を滅ぼすからだ。あなたは、運命の手の中にあるものを計画し、自分の手の中にあるものを取り逃がしてしまう。
セネカは、人生に対して期待すればするほど、現在の時間の価値をおろそかにすると言います。
将来へ期待することは楽しいです。夢心地で、わくわくすることは間違いないでしょう。
しかし、期待は必ずしも叶うとは言えません。むしろ、今できることを最大限やっておかなければ、夢がかなうことはありえないでしょう。待ち望んでいるだけでは何も実現しないのです。
- 将来お金持ちになれば良いなと感じならば、今この瞬間に作業すべきです
- 良い大学に受かりたいと思うのであれば、今この瞬間に勉強すべきです
- SNSで万バズしたいなぁと思うのであれば、今この瞬間に発信すべきです
このように、将来へ期待すればするほど、現実にやらなければならいことを軽視する傾向になってしまいます。もちろん少しの期待は重要でしょう。
ワクワクする目標を立てること自体は、行動を起こす原動力となり必要なことなのです。
それは、セネカも「ひとはだれしも、未来への希望と、現在への嫌悪につき動かされながら、自分の人生を生き急ぐのだ」として賛成しています。
過度な期待をするのではなく、ワクワクする目標を立てたら現在の時間に焦点を当て「現在の生き方を決める」べきなのです。
閑暇な人が時間を有効活用できる理由「英知を手にするために使うから」
冒頭で、人生を有効活用する人は、過去と向き合い英知を手にすること、自分と向き合い現在の生き方をしっかりと決めた人だとと説明しました
セネカ曰く過去と向き合うことで英知を手にすることができます。それは過去には欠点が明らかになるからです。
彼らは、うまく行かなかった時間を思い出すのを嫌がり、あえてふり返ろうとはしない。たしかに、今は、なにか楽しいことをすることで、彼らの欠点は、その悦楽の影に隠れているかもしれない。しかし、その時間を思い出せば、欠点は、その姿を明白に現わすのだ。
また、過去に学ぶということは、哲人たちから学ぶことも意味します。哲人たちが明らかにした考え方や、見つけた心理などを学べば学ぶほど、自分の人生に付け足すことが可能です。
動物は経験しないと学べない生き物ですが、人間だけは例外です。人間は自分が経験していないことも過去から学べる唯一の生き物なのです。
人生は短いまとめ「過去から学び、自分の時間を生きよ」
過去から学べず、過度な期待を持ちすぎた人をセネカは下記のように述べています。
過去を忘れ、現在をおろそかにし、未来を恐れる人たちの生涯は、きわめて短く、不安に満ちている。この哀れな人たちは、死が間近に迫ってから、自分が長い間ただ多忙なばかりで、なにも意味のあることをしてこなかったことに気がつく。しかし、そのときにはもう手遅れなのだ。
人生は短いをまとめると下記のとおりです
- 他人軸で生きる人は多忙。自分の時間を生きたいなら閑暇になれ
- 過度な期待をせずに、現在の生き方を決めよ
- 過去から学び、自分の人生に経験を付け足せ
上記のような行動こそが、自分の時間を有効活用する方法なのでしょう。現代で生きる我々にも、非常に多くの点で共通点がありますね。
以上、「人生の短さについて」を解説しました。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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