書評「完全教祖マニュアル」宗教から学ぶ?ビジネスのはじめ方

完全教祖マニュアル

「ビジネスって何からはじめれば良いの?」

「何か参考になることってないかな?」

ビジネスの始め方に関しては、さまざまな情報が掲載されています。

なかには非論理的な精神論をベースにしたものもあれば、自分の体験談のみを掘り下げて話しているものもあるでしょう。

しかし、私たちの非常に近いところに、ビジネスの参考になる理想的なモデルがあります。

それが宗教です。

宗教をビジネスの観点からみると、宗教もビジネスと同様に人を幸せにし信者(顧客)を獲得する必要があることがわかります。

さらに、宗教は利益率が高く、非常に優秀なビジネスモデルだと言えるでしょう。

しかも、世の中には約1500年~2000年以上続く3大宗教もあり、ビジネスモデルとして、比較検討するには最高の教材なのです。

特に昨今のインフルエンサーのビジネスの台頭や、オンラインサロンの流れなどは、宗教の作り方と通ずるものがあり、宗教を学ぶことは非常に有益だとも考えております。

そんな宗教の始め方に関して書かれた、「完全教祖マニュアル」という本(ネタ本みたいな位置づけですが、内容は非常に参考になります)より、宗教の始め方を引用しつつ、宗教から学ぶビジネスのはじめ方を解説します。

「完全教祖マニュアル」あらすじ

多くの人をハッピーにしながら、大きな尊敬を受ける──教祖ほどステキなビジネスはほかにありません。キリスト教、イスラム、仏教などの大手伝統宗教から、現代日本の新興宗教まで、古今東西の宗教を徹底的に分析。教義の作成、信者の獲得の仕方、金集め、組織づくり、さらには奇跡の起こし方──あらゆるシチュエーションを実践的に解説した本邦初の完全宗教マニュアル。

引用:Amazon

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宗教は儲かる「宗教から学べることは多い」

宗教について悪い印象をもっているかもしれませんが、じつは宗教をビジネスで考えると理想的な稼ぎ方であることがわかるでしょう。

宗教とビジネスは似ているので、宗教を学ぶことはビジネスを学ぶことと同義だと思います。

  • 宗教もビジネスも人を幸せにするために行う
  • 宗教は利益率が高い
  • 宗教の成立要件はビジネスの成立要件と同じ

宗教もビジネスも人を幸せにするために行う

そもそも、宗教とは人々を幸せにすることが本質です。幸せになるから人が集まります。ビジネスも人々をし合わせるにすることが目的ですので、同じでしょう。

  • 新興宗教場合:現在の価値観で幸せを感じていない人をターゲットにして、反社会的な基準を与えることで、幸せを感じさせる
  • ビジネス場合:現在のサービスでは幸せを感じていない人をターゲットにして、新しいサービスを与えることで幸せを感じさせる

宗教には原価もかからず利益率が高い

宗教は当然、何かを作って売っているわけではありません。教義を与え、言葉による救いを与えることにより、信者が集まり寄付が増えます。

何かを作って売るわけではない宗教に原価はかかりません。そして、信者が口コミで信者を増やせば、人件費さえもかからず、寄付はほぼ100%売上となります。

ビジネスにおいて重要なのは利益率が高いことです。利益率が高ければ儲かるからです。

利益率が低いメーカー系の仕事であれば、利益が低くなり、儲けが少なくなる。

一方で、利益率が高ければ、手元に残るお金が増える=儲かるというわけです。

宗教の成立要件はビジネスの成立要件と同じ

宗教を構築するのは難しいと考えるかもしれませんが、そんなことはありません。

宗教は何かを言う人と信じる人がいれば、成立します。

本書では宗教を構築する教祖と信者について、下記のように述べられています。

では、最初にもっともシンプルな教祖の姿を提示します。教祖の成立要件は以下の二要素です。つまり、「なにか言う人」「それを信じる人」。そう、たったのふたつだけなのです。この時、「なにか言う人」が教祖となり、「それを信じる人」が信者となるわけです。

例えば、下記のような状況でも宗教が成立するという訳です。

  • 奥さんが信じれば宗教として成り立っている。
  • Twitterでも幽霊をみたと言って信じる人がいれば成り立っている。

ビジネスでも同じでして、インフルエンサーや起業家などの何かを言う人と、言われたことを信じる顧客がいればビジネスとして成立しています。

例えば、

  • スティーブジョブズは「iPhoneは携帯電話を再デザインする革命」と言い、最初の顧客はそれを信じた
  • ベンチャーの社長が「私たちの会社は世界を変える」とビジョンをぶち上げ、社員がそれを信じ、搾取され続ける

上記のような状況を宗教的にとらえると教祖と信者の関係となるのです。

つまり、ビジネスも宗教も似たような点があり、宗教を勉強することはビジネスを勉強することに近いのです。

流行する宗教の作り方からビジネスの始め方を学ぼう

宗教とビジネスは似ていると言いましたが、この本ではネタ本のごとくだれでもできる宗教の作り方を解説しています。しかし多くの宗教を分析して、教祖になる方法をまとめた本は、そこらの宗教本に比べると非常にわかりやすくまとまっています。

宗教というと「苦手意識」を持つかもしれませんが、オンラインサロンも似たようなものなので、この本の内容を応用できると思います。

いったい、どのようにして宗教を創ればよいのでしょうか?

反社会的な教義を設定しよう

本書では大ヒットしたキリスト教を参考にしつつ、反社会的な教義を設定する重要性を提唱しています。なぜなら、宗教とはその社会が抱える問題点に根差して発生するものだからです。

例えば、キリスト教の創始者であるイエスは、当時ではタブーとされていた罪人や売春婦と飯を食い、労働が禁じられていた安息日に病人をいやすなどの労働を行っていました。

その結果、罪人、売春婦、病人などのいわゆる社会的弱者を信者とし、信者の数が増えたことにより、国教にまで上り詰めたまでです。

オンラインサロン的に言えば、国公認のオンラインサロンですからね…すごい。

もしも豚肉が食べれないという宗教があれば、豚肉を食べたいという反社会的な価値観から教義を考えても良いのです。

また、宗教には神がいますが、ビジネスの場合は、神を作る必要はないでしょう。

仏教は、神様がいませんでしたが、釈迦式修行法という修行により人々をハッピーにしていました。

ビジネスの場合は「思考・サービス・精神」が人々をハッピーにするでしょう。

  • iPhoneが人々をハッピーにした
  • コンサルが提唱する手法により売り上げが上がった
  • アドラーが「課題の分離」と心理学を提唱して人々が救われた

さらに、究極的にはあなたが死んだら、あなたが神のように扱われます。これであなたが神格化されるため、構成の人は神を作ることができるのです。

反社会的な教義を考えるのはわかった…救うのは思考・サービス・製品だということも分かった。でも幸せになるまでの理論を立てるのは難しいと考えるかもしれません。大丈夫です。あなたが考えなくても他の頭の良い人が考えてくれます。

本書でも、前提さえ納得させて、問題点を追及していれば、誰かが哲学を考えてくれると書いています。本書の言葉で言えば、「世迷いごとを口にしながら社会を口汚く罵っていれば良いということです。」

まずは前提を用意しましょう。仏教であれば、輪廻転生・キリスト今日であれば、イエスはメシア・三位一体説など多くの前提が登場します。

ビジネスにおいては、「人類みな平等」問題点を「貧困は撲滅されるべき」とうたっていれば、インテリが表れて、哲学を考えてくれるかもしれません。

インフルエンサーも、自分なりの説得力のある前提を持ち、問題点を発信し続けることでしょう。そうすれば信頼が構築されていき、あなたを信頼する人も増えていきます。

このように教義を作れれば、宗教の第一歩が踏み出せたのと同様です。

あなたがビジネスを構築するにあたっての教義はなんですか?

大衆に迎合しよう「シンプルな教えでないと流行らない」

教義が作れたとしても、教義が複雑すぎてしまえば、信者は獲得できません。なぜなら、信者になる人は一般人であり、一般人は簡単に救われる方法を求めています。哲学なんて毛ほども興味がないのです。

では、どうすれば良いのかというと、大衆に迎合すること。つまり、小学校4年生でもわかるレベルで簡単にするのです。

例えば、仏教における浄土教というのは南無阿弥陀仏さえ唱えられれれば、成仏できると言っています。背後には非常に複雑なロジックがあるのですが、非常に簡略化されていますよね。

その結果、浄土教というのは日本では一時的に国教とされるほどにまでなったのです。

本書ではヒトラーの我が闘争を引用して下記のように述べております。

結論から言うと、彼らに必要なのは極限まで簡略化された教えと、御手軽な現世利益なのだと覚えておいて下さい。ヒトラーも『我が闘争』でこのように言っています。「どのようなプロパガンダも大衆にあわさねばならず、その知的水準は獲得すべき大衆の最低水準の人々が受け入れられるようにあわさねばならない」と。

これをビジネスに置き換えるのは非常に簡単です。「これを使えば、今よりも便利になる」と言えれば良いのです。

  • iPhoneを使えば今よりも便利になる
  • オンラインサロンに入れば稼ぐ思考が身につく
  • 美容系のYouTuberの動画を見れば、化粧のノウハウが学べる

といったように、「この製品・サービス・思考法を使えば、あなたの悩みが救われる」といったような内容であれば、大衆は受け入れ、集まってくるという訳です。そこに難しい理論や哲学は不要だと言えます。

現世利益を持たせる最大の用意は行動です。iPhoneなどの製品の場合はモノを買うことにより、利益を実感しやすくなるでしょう。

思考やノウハウ系であれば、実践させることにより利益を実感させます。行動する理由を与えてあげればよいのです。

また、大衆に迎合するためには偶像崇拝をした方が良いとされています。形あるものが信仰心を高めるために効果が高いからです。

ビジネスで言えば、チームのロゴを作るのでもよいでしょう。iPhoneであれば、iPhone自体が信仰の形ということもできます。あのAppleマークを見ることで、Apple信者としてAppleを崇拝しているのです。

宗教でビジネスの始め方が学べる

宗教とビジネスは非常に似ておりまして、ビジネスの始め方は宗教から学ぶことができます。

宗教の始め方をまとめると下記のとおりです。

  • 反社会的な教義を設定しよう
  • 大衆に迎合しよう「シンプルな教えでないと流行らない」

反社会的な教義とは、常識を覆すような問題点に注目すれば作成可能です。

現状の常識では不幸になっている社会的弱者や、苦痛を被っている人に対して、苦痛がなくなったり、弱者ではないと感じられるような製品・サービス・発想法を展開できればビジネスチャンスになるでしょう。

さらに、大衆を迎合するためにも、極力簡単にした教えに変更したり、簡略化したり、偶像崇拝できるようなマークを用意したりすると良いでしょう。

以上、書評「完全教祖マニュアル」宗教から学ぶ?ビジネスの始め方を解説しました。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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