「やっぱり投資信託と言えば、銘柄選択でしょう」
「指数より上回る運用を目指すアクティブ運用の方がハイパフォーマンスで良いんじゃない?」
過去の私は上記のような選び方を支持していたため、手数料についてすごく甘くみていました。
しかし、投資信託やインデックスファンドなどを深く勉強していくと、手数料こそが、投資の利益に悪影響を与える要因だということが判明しました。
長期投資の場合、手数料によっては1000万円近く損する可能性もあります。
これから長期投資をする上で、資産を守っていくためには手数料の知識は必要不可欠です。
インデックスファンドを世界で初めて作ったバンガードグループのレポートでも手数料について触れられています。
今回は、上記のレポートも踏まえて、投資信託の手数料の影響と、いかに安く抑えるかを中心に解説したいと思います。
この記事で学べることは?
- 投信運用において手数料がいかに損を出すのかが学べる
- 手数料を安く抑えることが、運用利益を確保するために必要だと学べる
- 手数料を安くして、おトクに投資する初心者向けの方法が学べる
目次
インデックス投資の手数料で1000万円損が出る?
冒頭でもお話ししましたが、1000万円を6%で30年間運用した場合、手数料の違いで1000万円も損が出ます。
逆にいえば、手数料が安い投資信託を購入する努力をするのは、1000万円得をするようなものなのです。
下記はバンガードグループのレポートに乗っている手数料がどれほど利益を食ってしまうのかというグラフになります。
- 手数料が無料の場合:損はゼロ
- 平均0.25%の手数料の場合:30年の運用で420万円の損
- 平均0.63%の手数料の場合:30年の運用で1000万円の損
平均で0.63%と0.25%の違いだけでも30年で見れば600万円近く差が出るって考えたら恐ろしくないですか?
株式のインデックスファンド型の投資信託オン場合手数料が低いものであれば、0.1%程度のものもあります。
米国の株式ETFなどだと、0.04%のものもあり、日本の株式ETFであれば0.01%のものあります。
自分で調べる努力をして手数料を下げることができれば、それだけおトクになるのです。
インデックス投資に限らず、投資は手数料の分だけ損する
手数料について気にしない人も多いかもしれませんが、手数料を気にするだけで、投資で利益をだせるようになるかも
「手数料が高いと利益が得られる可能性が少なくなる」と聞いてもピンと来る人はいないかもしれません。
下記の図は平均リターンを真ん中にして、どのくらいの利益が出る確率があるのかを表したグラフです。
手数料前の平均リターンと手数料引かれた後の平均リターンを比較しています。
表の右側の緑で塗られている部分にいけば、投資信託から利益が得られていることになります。
手数料が引かれる前であれば、マーケットから利益が出る可能性が50%ほどありました。
しかし、手数料によってグラフ全体が左にシフトした結果、手数料で引かれた分も利益を出さないと、投資信託から利益が得られたことにはなりません。
手数料が引かれた後の投資信託の運用の場合、利益が出る確率的には50%を下回ってしまいます。
手数料が高くなれば高くなるほど、投信運用で損を出す可能性が高いです。逆に手数料が安ければ安いほど、投信運用で利益を出す確率も上がるのです。
インデックス投資で手数料を下げた方がリターンが高い
ここまで説明していくと、
「良いパフォーマンスの投資信託を購入して手数料以上にリターンを稼げばよくない?」
と思う方もいるでしょう。
実際に、私も手数料が高くても、ファンドマネージャーが優秀で、平均を上回る利益が出れば良いじゃないかと思っていた節があります。
しかし、手数料について勉強していけばしていくほど、手数料以上に上回るリターンを目指すのは難しいということがわかります。
株式や債権は入れ替えれば入れ替えるほど手数料・税金がかかる
平均以上のパフォーマンスを目指すファンドは、株式の入れ替えが激しいです。
なぜなら、儲かりそうな株式を選び投資をするスタイルは、株式のリターンが低くなったら売却し、新しい企業の株を購入することを繰り返すからです。
…当たり前ですが株式の入れ替えには手数料が発生します。
株式を入れ替えれば入れ替えるほど、手数料がかかっていく仕組みになるのです。
さらに、良い株式を探すための手数料もかかります。
現地の会社の重役と会うために出張したり、調査することにも手数料が発生します。そのため、ファンドマネージャーが努力すればするほど手数料がかかってしまい、利益を出すのが困難になるという悪循環。
さらに、株式入れ替えの際に、利益が出ていれば、売却益には税金がかかります。そのキャピタルゲインに対する税金もかかってしまうのです。
手数料が高い商品よりも安い商品の方が平均してパフォーマンスが高い
「手数料が高い投資信託は、その分だけ調査もされているから、平均リターンも高いのでは?」
調査している分だけリターンが高いと思うことは投資の世界では当てはまりません。
その証拠に、投資信託の過去10年間の平均リターンを表しているグラフを見てみましょう。
赤いグラフが手数料が安い投資信託です。
全てのグラフにおいて手数料の安い投資信託の方がコストが高い投資信託よりも平均リターンが高いことが見てわかるでしょう。
つまり、手数料は、投資信託の収益を悪化させる原因になる。
私が手数料が高い投資信託で優秀なファンドマネージャーを選ぶことを諦めたのは、
- 努力すればするほど手数料が高くつく
- 手数料が安い投資信託にパフォーマンスで劣る
優秀なファンドマネージャーに運用してもらいたいと特別な感情がある場合は別として、投資初心者で投資がよくわからない場合、メインとなる運用商品は手数料が低い投資信託にしておくのがベターです。
なかには、本当に優秀なファンドマネージャーが運用するアクティブファンドもありますからね。それを探すのもおもしろいでしょう。
インデックス投資の手数料は投資家が選択できる!
投資信託の手数料について安いものが良いと言い過ぎじゃない?
投資信託の手数料について、なぜこんなにも安いものが良いと主張するのでしょうか?
それは投資信託の手数料は投資家側がコントロールできる数少ないものだからです。
投資の利益とは、
- 投資金額(入金)
- マーケットによる価格決定
- 配当(金利)
- 手数料
- 税金
によって決められます。このうち投資家がコントロールできるものは、投資金額・手数料です。
投資金額を上げるためには年収をあげないといけませんが、年収なんてスグに上がるものではないですよね。
しかし、手数料は投資信託を変更するだけで簡単に下がります。販売手数料も購入するネット証券を選べば簡単に下げることができるのです。
つまり、手数料は投資家にとって一番簡単にコントロールできるのです。
それなのに、投資において手数料を気にしないという人が、はっきり言って無謀としかいえませんよね。
ちなみに、手数料は、運用管理コストが0.2%程度の投資信託を選べれば、まずはOKでしょう。
それ以上に安い手数料を探して、銘柄を頻繁に入れ替えるのは、はっきり言って時間の無駄だと思います。
ある程度のコストが安いものを見つけたら、次は投資できる金額を上げるためにも、入金力を上げる方向で努力しましょう。
手数料が安いオススメのインデックス投資は?
手数料が安い投資信託の選び方は、
- インデックス投資ですから、インデックスファンドを選ぶのが一番
- 証券会社の口座を開設して運用管理費用は購入時手数料で並び替えてみる
これだけです。
あとは、どの国にのどの指標に対して連動する投資信託を購入するかを決めると良いでしょう。
指標には下記のようなものがあります。
- 日本:日経平均225・TOPIX
- 米国:S&P500・CRSP USトータル・マーケット・インデックス
- 世界株式:MSCI Kokusai Index
インデックスファンドにも投資信託で購入する場合と、ETFで購入する場合の二つがあります。
上場投資信託であるETFを購入する場合、販売手数料がかかりますが、バンガードグループのVTIというETFはファンドを保有する際にかかる年間の経費率が0.04%と最安です。
ETFの場合、有名どころは
- バンガードグループのETF
- BlackrockのETF(iシェアーズ シリーズ)
- ステート・ストリートのETF(SPDR(スパイダー)シリーズ)
投資信託の場合、販売手数料がかかりませんが、運用管理手数料はETFの最安のものに比べると少しだけ高くなります。
投資信託の場合、有名どころは、
- eMAXIS Slimシリーズ
- 楽天バンガードシリーズ
- SBIのファンドシリーズ
- <購入・換金手数料なし>ニッセイのファンドシリーズ
ちなみに、どれもインデックスに投資をしているので、コストが安いものや、長期的にみてファンドが合併したり、強制償還されないようなものに投資をしておけばOKです。
当たり前ですが、販売手数料がかからないネット証券での口座開設や、
最初はNISA・iDeCoを活用して税金の恩恵をフルに享受しましょう。
私はブランド志向が強い人間なので、インデックスファンドを世界で初めて作ったバンガードグループのETFが最も好みなんですけどね…。
ETFは配当金も出ますからね(再投資分に比べると税金で不利ですが)。
もっとETFの投資環境が整備されてくれると嬉しいんですけどね…。
投資信託とETFどちらにしようか迷っている場合は下記の記事もどうぞ!
最後まで読んでいただきありがとうございました!
コストが安いネット証券は投資の利益が出しやすい?
投資信託は実質コストが安い方が複利効果によって利益が出しやすいです。
実際に1000万円を元手にコストが年率0.2%と年率0.6%では、30年後に400万円以上の違いが出ることもあります。
賢く投資をするなら、実質コストが安い証券口座がオススメ。
特に、楽天証券とSBI証券は両社とも日本国内では優れたネット証券です。証券口座開設が無料であり、自宅で手軽に開設できます。それぞれに下記のような特徴があるので、二つの口座を開設して持っておくのが良いでしょう。
▼楽天証券「ポイントがえげつないほどたまり二重で投資できる」
実質コストを下げるならポイント還元が1%されたり、他にもポイントが溜まってポイントで投資ができる楽天証券がオススメです。
- 楽天カードで溜まったポイントでポイント投資が簡単にできる!
- クレジットカードで毎月5万円の積立投資で最大500P!
- 楽天市場での購入が+1%還元される楽天SPUの仲間入りも!
▼SBI証券「海外ETFでのインデックスファンド投資は最安」
インデックスファンドを国内ではなく海外のETFを購入したい方や、100万円以上の資金を定期的に積立たいという人は、SBI証券が最もおトクに投資できます。
- 海外ETFを購入は0.45%で楽天証券・マネックス証券と同じですが、100万円以上購入時の為替手数料が安い
- 海外ETFにも定期買い付けサービスあり。ほったらかし運用も可能
- インデックスファンド以外にも投資をしたい人はSBI証券がオススメです
「資産形成がしたい…」
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インデックスファンドの特徴は手堅く資産を築くこと!
投資講座ガイダンス:サラリーマンに投資がオススメな理由?投資のメリットは稼げるだけじゃない!
投資講座第1回:投資の種類を理解しよう!リスクが高いものから収益性の高いものまで完全網羅!
投資講座第2回:サラリーマンにはインデックスファンドが圧倒的にオススメな理由
投資講座第3回:インデックスファンドとアクティブファンドってどっちの方が稼げるの?
投資講座第4回:長期的なインデックスファンド投資を行う理由は複利にあり!!
投資講座第5回:長期的に手堅く稼ぐのに絶対に欠かせない分散投資って何?
投資講座第6回:利率を優先する?元手を増やす?結局は入金力がすべて
投資講座第7回:インデックスファンド積立投資を初めて気づいたこと
投資講座第8回:ETFでもインデックス投資できるけどどちらの方がおトクなの?
投資講座第9回:投資は計画がすべてと言っても過言ではない!資産運用計画の立て方とは?
投資講座第10回:銘柄選びよりも大切なのは株式と債権の比率?資産配分の考え方とは?