「定年後ってどうなるんだろう?」
「定年後って幸せなのかなぁ」
日本は長寿になっても幸福度は上がっておりません。アメリカでは、定年を迎えた後は、幸福度が上昇すると言いますが、一方、日本は長寿になって定年を迎えた後でも、幸福度が低下します。
また、こういった事実を定年前に知っておけば、定年退職後に幸福度が下がることを予防できます。
定年退職後に幸福度が下がることに備えることが出来れば、幸福度を上げ続けることができることでしょう。
定年後に幸福度が下がる原因と対策を解説します
この記事で学べることは?
- 定年退職後の幸福度は下がっていることが学べる
- 定年退職後に幸せに生きれない原因が学べる
- 定年退職後に幸せに生きるため、定年退職前に努力したいことが学べる
目次
日本の定年退職後は幸福度が下がっている
ニッセイ基礎研究所が発表したレポートによると、アメリカでは高齢期になると幸福度が増す一方で、日本では加齢とともに幸福度が下がるというデータがあります。
日米を比較した「年齢による幸福度の推移」グラフが掲載されている。それによると、アメリカでは高齢期に幸福度が大きく上昇する一方で、日本では加齢と共に幸福度が下がっているのだ。
参考 ニッセイ基礎研究所
少子高齢化・介護リスク・孤独になるリスクなどなど、日本の高齢者には将来的な不安が多いため、幸福度が高まらないそうです。
しかし、冷静に考えたらわかる通り、今後高齢者になる現在の20代・30代の方が、何も対策しない場合には幸福度は下がっていくでしょう。
- 年金の受給額は減額
- 給料が上がらない
- 70歳まで働く可能性
- 未婚者の増加で老後は孤独
はっきり言ってしまえば、定年退職後に幸福になろうと考えるなら、若い時からの対策が必要な時代になったといえるのです。
定年後退職後の幸福度が下がる原因とは?「介護・収入・孤独」
定年退職後に幸福度が下がる原因は主に3つです
- お互いを介護するリスク
- 年金だけに頼り切った脆弱な収入源
- 社会的孤立
順々に説明していきたいと思います。
定年退職後の介護のリスク「健康の代償は大きすぎる」
定年退職後の幸福度が下がる原因の1つが「介護」です。
昔は子供も多く、寿命も短かったため、子供一人当たりの介護に対する手間もかからず、社会的な問題になることがありませんでした。
しかし、現在では、
- 寿命が高齢化したこと
- 子供の数が減ったこと(一人っ子が増えた)
そのため、子供からの経済援助は期待できず、自分自身でなんとかしなければいけません。夫婦のどちらかが不健康になったら、夫婦のどちらかが介護をする必要があるのです。
例えば、夫が寝たきりになれ妻が介護しなければいけません。
同様に、妻が寝たきりになれば夫が介護しなければいけません。
想像してみてください、夫のおむつをとりかえ、床ずれをしないように寝返りをうたせることを。
夫がうめき声をあげている横で笑いながらバラエティ番組なんて見れません。家庭から笑顔がなくなります…。
寿命の高齢化と子供の数の減少により、介護リスクが高まっているため、不安になり、幸福度が上がらないのです。
こういった介護の事実について強烈に書いているのが、マンガ「助け合いたい」です。
将来について「なんとかなるでしょ」って安直に思っている方は必読です。読んだらボディーブローを食らったような衝撃を受けるでしょう。
定年後の収入の基盤がない「年金だけに頼った脆弱な収入基盤」
年金をもらって余生を過ごすという考えが普通でしたが、現代は年金の受給開始年齢が年々上昇し、重休学も減少傾向にあります。
定年後は「年金貰ってのびのびしよう!」と考えていた人は「年金がもらえないから、もっと働かなくては」と考えることでしょう。
年金の支給開始引き上げは今後ますます継続して進むと思われます。
日本よりも年金および政府の財政問題が深刻ではない欧米諸国でさえ、公的年金の支給開始年齢の引き上げが決定されている。アメリカは67歳、イギリスは68歳、ドイツは67歳へ引き上げられていく。また、こうした国々では、さらなる支給開始年齢の引き上げも議論されている。(参考:日経新聞)
年金がもらえなくことで、働かなければ生きていけなくなりました。その結果、定年後の幸福度を下げているのです。
日本でも政府が70歳まで働くことを努力目標にするなどの動きがあります。
少子高齢化の影響は「【少子高齢化】70歳以上が2割以上の日本と世界の現状と今後の対策」で詳しく解説していますので、興味がある方はどうぞ。
定年後はひとりぼっち?「一人暮らしのリスク」
下記の表は、65歳以上の一人暮らし高齢者のグラフです。
引用:厚生労働省
グラフを見て頂ければ分かる通り、高齢者の一人暮らしは1980年から2倍に増えています。
もしも、あなたが高齢者一人暮らしだった場合、寝たきりや、病気の時に、周りに誰もいなかったらどうしますか?。若い時とはちがい体力も衰えているのに、助けてくれる人がいないのです。
さらに、幸福度に関係しているのは人とのつながりです。
定年前はある程度の会社のポジションがあり、寂しさを感じませんでした。
しかし、定年後は会社に行くことは無いので、家族もいなければ、つながりは皆無です。自分からコミュニティを自分から形成しようとしなければ、孤独なり幸福度が下がってしまうのです。
特に男性は定年後に孤独になる可能性が高いです。偉そうだったり、会社の肩書がいまだにあるような振る舞いをするのは男性が多いんでしょうね。
詳しくは「【定年後の過ごし方】男性が悲惨な定年後を過ごす?原因と対策とは?」で解説しています。男性の方は必見ですよ。
定年退職後に幸福度を上げるのに必要な努力とは?「健康・収入・コミュニティ」
定年退職後の幸福度が下がる原因は、大きく分けて下記の3つです。
- お互いを介護するリスク
- 年金だけに頼り切った脆弱な収入源
- 社会的孤立
それでは、定年退職後に幸せに生きるにはどのような努力が必要でしょうか?
介護リスク→健康に気をつける
介護リスクを何とかするには、何よりも健康に気をつけることが一番です。
内閣府が出している平成30年の要介護になった理由を調べてみると、下記の通りになります。
- 不明・不詳:24.9%
- 認知症:18.7%
- 脳血管疾患(脳卒中):15.1%
- 高齢による衰弱:13.8%
- 骨折・転倒:12.5%
- 関節疾患:10.2%
- 心疾患(心臓病):4.7%
不明・不詳はおいておいても、認知症と脳血管疾患・衰弱などは健康に起因する問題といえるでしょう。
つまり、若いうちから健康に気をつけておけば、要介護のリスクをかなり減らすことができるのです。
年金がない→副業や投資で収入源を作る
将来が不安になる原因として「定年退職後の脆弱な収入基盤」ということをお話ししました。
下記は厚生労働省年金制度基礎調査より、引用した「第12表 性別・本人の年齢階級別・本人の収入項目別 本人の収入総額に占める割合の平均」の総数を円グラフで表示した図です。
- 公的年金・ 恩給:78.8%
- 企業年金・ 個人年金:4.0%
- 働いて得た収入:15.2%
- その他の 収入:2.0%
年金以外の収入を持っている人は全体の約20%足らずです。つまり、80%の人は年金に頼った生活をしているのです。
しかし、その年金も今後は支給額に変化がでてくるでしょう。ある調査では70歳支給開始になり、受給額は現在から2割ほど出る可能性があるとも言われています。
年金の支給額が減少すれば、その分だけ生活に与える影響も大きいでしょう。
そのため、今のうちに
- 副業を行い定年後も稼げるようにする
- 確定拠出年金を行い自分年金を構築する
- 不動産・株式投資をして配当所得を構築する
などのように、収入源を複数持てるように努力することが重要であり、若いうちからの努力が大切になってくるのです。
ただし、投資をするにしてもリスクの高いものに手を出すのは絶対に避けましょう。
定年後の収入源を作れそうな資格や投資を考えるなら「【30代以上必見】定年後の収入源が作れる資格・副業・投資まとめ」で詳しくまとめています。興味がある方はどうぞ。
孤独になる→コミュニティを形成する
孤独になることを克服するには、家庭以外の別のコミュニティを形成しましょう。
例えば、趣味のサークルに参加してみたり、趣味のサークルを自分で企画してみることもオススメです。
自分が主催者になれれば、孤独感を感じることはなくなります。
老後のことを考えても、何かしらのコミュニティを構築しましょう。
またコミュニティを形成する上で自営業として働くことも良いでしょう。
実は定年後自営業になる人の割合は比較的多いのです。
詳しくは「【定年後の仕事選び】65歳・60歳定年の独立起業割合が高い理由?」で解説しています。興味があるかたはどうぞ。
定年後退職後の幸せは若いうちの努力に比例する
定年前の人は定年後のことを関係が無いとお思いがちです。
しかし、定年前の人ほど、定年後の生活については真剣に考えなければいけない問題です。
定年退職後の幸福度の減少は可能性としてはかなり高いでしょう。情報や事実がたくさんあるということは、いずれ来る可能性が高いということです。
将来について何も対策を取らなかったら、文句を言う筋合いはありません。
良い老後を過ごして幸せな生活を送りたければ、良い準備を心掛けることが大切なのです。
以上、定年退職後の幸せには定年前の努力が必要?「健康・収入・孤独対策」を解説しました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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