サラリーマンと自営業の違いを収入・税金面から解説

「サラリーマンと自営業の違いって何?」

「どちらの方がオトクなの?」

働き方改革の後押しもあり副業の時代が来そうです。

しかし、サラリーマンと自営業の税金面での違いや収入面での違いってなんなのでしょうか?

気になって、サラリーマンと自営業の違いについて調べてみましたが、調べれば調べるほど、これから副業する人や自営業を始める人やフリーランスになる人にこそ読んでもらいたい

調べれば調べるほど、税務について勉強しないとどのくらい損になるのかがよく分かりました。

今回は、サラリーマンと自営業について収入面や税金面の違いを解説します。

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「収入について」サラリーマンと自営業の比較?

サラリーマンと自営業の収入の特徴

  • サラリーマンは収入が決まっている
  • 自営業は収入が青天井
  • サラリーマンは収入が毎月入ってくる
  • 自営業は収入が来月入ってくるか分からないので安定しない

サラリーマンと自営業の収入の違いの詳細

サラリーマンは収入が毎月ある程度決まっています。頑張っても頑張らなくても収入が安定して入ってくるのがサラリーマンです。

一方、自営業は結果が収入です。収入が欲しければ頑張らないといけません。サラリーマンと違い、頑張っても頑張らなくても給料が入るわけではありません。しかし、結果が出ていれば収入は青天井です。

自営業は結果を出せばどのように時間を使おうが自由です。遊んでも良いですし、もっと頑張っても問題ありません。

ただ、自営業の悪い所は結果に応じて収入が入るので、収入が安定しないところです。

今月は収入が良いけど、来月は収入が少ないのが自営業の世界です。

私の経験的な話ですが、独立した時にいちばん大切技術は節約です。収入が少なくても生きていける状態ではないと、精神的に安定して仕事ができません。

…東京で生活支出を下げるのって独身以外ほぼ無理でしょ。

結論:安定はサラリーマン・収入は自営業

安定した生活をして家族を養いたかったらサラリーマンの方が安定していると思います。

ただ、収入は自営業の方が高くなる可能性があります。安定はないですが、収入が高い自営業はある意味リスクが高いですね。

しかし、独身のうちに突き抜けて稼ぎまくった自営業はリスクが高いのを独身時にこなしているので、その後、結婚しても安定しているケースがあります。若い頃から自営業をして突き抜けた人はある意味無敵です。

もしも、突き抜けられなかった場合などを考えると、個人的にはサラリーマン+副業の形態が一番良いかなと思います。

両方の良いところ取りができますしね。

「税金について」サラリーマンと自営業の比較はトントン?

税金について解説する前に所得の計算式を説明します。

所得の計算式は、「売上−経費=所得」です。

この所得に税率を掛け算して計算したものが税金です。しかし、日本はサラリーマン比率が多いので、この考えが浸透していません。

そのため、わかりやすくするために下記のように考えてみましょう。

サラリーマンと自営業の所得の出し方

  • サラリーマンの税金計算「給与−控除=所得」
  • 自営業の税金計算「売上−控除−経費=所得」

サラリーマンの売上は給与だと考えると非常にわかりやすいです。

税金についてサラリーマンと自営業の比較をしてみましょう。

税金についてのサラリーマンの特徴

  • サラリーマンは給与所得控除がありお金を使わなくても3割控除される
  • サラリーマンは年金の社会保険料控除が自営業に比べ多い
  • サラリーマンは健康保険料の負担が自営業に比べ軽い

税金についての自営業の特徴

  • 自営業は青色申告控除で最大65万円がお金をつかわなくても控除できる
  • 自営業は経費が認められる
  • 自営業は青色申告専従者控除があり配偶者に給料が払える
  • 自営業は年金の社会保険料控除が少ないので、自ら加入する必要がある
  • 自営業は健康保険の負担が重い
  • 自営業は小規模共済や経営セーフティ共済などで節税できる
  • 自営業は所得290万円以上から個人事業税がかかる
  • 自営業は売上1000万円以上から消費税がかかる

サラリーマンと自営業の特徴から見る税金の比較

サラリーマンには給与所得者控除がある

例えば、平均年収400万円のサラリーマンの場合給与所得控除は下記の通りです。

  • 400万円×20%+54万円=134万円

大体、給与所得者の経費率は約3割くらいです。

自営業者が経費にしようと思うと、レシートがないといけないので、お金を使わないといけません。

しかし、サラリーマンの使ってなくても経費として認められるのが給与所得者控除です。

※2020年1月からの給与所得控除はマイナス10万円減額されてしまいます…。

自営業者は社会保険料控除が少なめ…

サラリーマンの場合は年収1000万円でも月5万円しか厚生年金かかりません。そのため、年間60万円分が社会保険料控除で控除されます。

一方、自営業者は国民年金ですが、月額が約1万5000円で固定されています。そのため、年間18万円程度しか社会保険料控除ができません…。

そのため、個人事業主は自分で国民年金基金や確定拠出年金などに加入して節税を考えないと損する仕組みになっています。

個人事業主ができる年金対策は下記のとおりです。

  • 付加保険料(400円を国民年金にプラスして払う・社会保険料控除)
  • 国民年金基金(付加年金・個人年金保険と合わせて月68,000円まで・社会保険料控除)
  • 個人型確定拠出年金(iDeCo)(付加年金・国民年金基金と合わせて月68,000円まで・社会保険料控除)
  • 個人年金保険(限度額は保険会社による所得税40,000円・住民税28,000円まで控除)

自営業の方が健康保険の負担も重い!

年金だけでなく、実は健康保険についても自営業の方が負担が重いのです。

  • サラリーマンの場合、年収1,000万円程度で月5万円の保険料負担
  • 個人事業主の場合、国民健康保険は年間400万円程度の所得でも月5万円負担になる

このように、個人事業主はサラリーマンの2倍くらい健康保険料が重たいです。

その中で、個人事業主ができる健康保険への対策は下記のとおりで、あまりないのが現状です。

  • 自治体から業種により入れる健康保険へ加入を検討する

ちなみに、国民健康保険料は前年度の収入に関わってきます。

そして、最高額は健康保険は年間約70万円+介護保険料は年間約15万円ですので、健康保険は最高で1年で85万円を納入する可能性があります。覚えておきましょう。

自営業は所得290万円以上は個人事業税・売上1000万円以上は消費税がかかる

個人事業税は所得290万円+配偶者の控除もあります。大体所得が290万円以上になったら個人事業税が発生すると考えましょう。業種により異なりますが大体5%位です。

また、売上1000万円以上になると消費税が発生します。消費税は所得ではなく売上ですので、物販系のフリーランスをしている方であれば、売上がかなり発生すると思います。消費税の対象になりやすいでしょう。

ちなみに、法人化すると消費税が最長で2年間は免除されます。このタイミングで法人化して代表取締役社長になる人が多いです。

自営業は事業に関わったものはすべて経費

一応自営業は事業に関わったものはすべて経費として計算できます。

  • コーヒー代・お茶代
  • 自動車・ガソリン代
  • 書籍代
  • 接待交際費
  • 交通費
  • ネット回線・携帯電話
  • 家賃
  • 水道光熱費
  • 配偶者の給料(青色申告専従者)

自宅が事務所代わりの場合は、事業で使っている割合とそれ以外の割合を按分すれば、経費に認められます

自営業が使える節税対策

その他、自営業が使える節税対策

  • 小規模企業共済(月1000円〜月7万円まで組める・控除対象)年率は大体1%で積立
  • 経営セーフティ共済(月5000円〜20万円まで組める総額800万円まで・経費として控除)
    ※40カ月以上積み立ててれば全額戻ってくる

結論:サラリーマンも自営業も税金はトントン

売上800万円の自営業と額面給与800万円のサラリーマンを比較してみましょう。

詳しい計算は除きますが、年金から控除額を引いた課税所得は下記のとおりです。

  • サラリーマンの年収800万円の場合は課税所得が大体450万円位です。
  • 自営業の売上800万円の場合は基礎控除+青色申告控除で課税所得は大体634万円位です

無条件で受けられる控除での課税所得だけ見たら自営業の方が負担が大きいです。

しかし、自営業は自分から申請を出せば控除を受けられものが多いです。さらに、経費も入れれば課税所得を抑えることができます。

  • 国民年金基金で年81万の控除+小規模共済で84万控除+経営セーフティ共済年240万を行うと課税所得を229万円まで抑えることができる
  • さらに経費で200万円使うと課税所得を29万円まで抑えることができる
  • ただし!国民健康保険は前年度給料に対してなので注意が必要(最高額は健康保険は年間約70万円+介護保険料は年間約15万円なので、貯金を残しておかないと大変なことに

こう見ると自営業は控除できるものが多いです。うまく調整すればサラリーマンと同額位の税金を払って貯金することも可能でしょう。

何はともあれ、自営業の方は売上がある程度安定したら、しっかりと税理士さんに相談しましょう。税理士の費用も経費にできます。

自営業よりもサラリーマンが有利だと思われる点を反論

サラリーマンはクレジットカードが作りやすい?

今は学生でも作れる時代なので、自営業だからといって不利だということはありません。

未納がないようにするなど、信用情報に傷がつかないように気をつけていれば、誰でもカードが作れるでしょう。

サラリーマンの方が住宅ローンを組みやすい?

自営業は所得がないように確定申告をしていると住宅ローンが組みにくいのは事実です。

しかし、保証会社などを使用することでローンが組めたりもします。

自営業でも確定申告の時に、所得が安定していれば、住宅ローンも組めるでしょう。

サラリーマンのほうが年金が手厚い?

サラリーマンは厚生年金があり年金が手厚いです。

自営業者は国民年金しかないので年金についてのサポートは薄く思われがちです。

しかし、自分から申請すれば年金を手厚くできます。

国民年金基金や個人型確定拠出年金であるiDeCoを使うことで、自営業でもしっかりした年金積立ができます(しかもサラリーマンと同じで控除になる)

サラリーマンもiDeCoは使えますが、2.3万円までしかかけられません。

一方、自営業は国民年金基金と個人型確定拠出年金を併せて掛金6.8万までできるのです

アルバイト・派遣+副業の節税効果は?

ちなみに、私が駆け出しフリーランスで最強だと思っている方法は、アルバイト・派遣+副業です。

国民健康保険の兼ね合いで、社会保険に入った方が安い人は必ずいます。

その場合は、結構働いて社会保険に加入するのもオトクです。

また、アルバイトや派遣の場合でも給与所得控除が使えます。

収入金額別給与所得控除額

  • 180万円以下:収入金額×40%(65万円に満たない場合には65万円)
  • 180万円〜360万円以下:収入金額×30%+18万円
  • 360万円超〜660万円以下:収入金額×20%+54万円
  • 660万円超〜1000万円以下:収入金額×10%+120万円
  • 1000万円超:220万円(上限)

個人的には自営業で働きながらも、給与所得65万円までは全額控除です。安定していないサラリーマンにとっては、65万円で生活の足しになるだけでも大分違ってくるでしょう。

さらに、駆け出しの時は設備投資などがかかるので、赤字になることが多いです。自営業で赤字申告ができれば、青色申告をすることで給与所得と損益通算ができます。税金面でもオトクなります。

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サラリーマンと自営業を比較してわかる税務の大切さ

今回は自分の勉強のためにサラリーマンと自営業を比較してみましたが、あらためて自営業をする前に税務の勉強をしておいたほうが良いなと実感しました

特に自営業の特徴でまとめましたけど、下記は知らない点もあったので勉強になりました。

  • 自営業は青色申告控除で最大65万円がお金つかわなくても控除できる
  • 自営業は経費が認められる
  • 自営業は青色申告専従者控除があり配偶者に給料が払える
  • 自営業は年金の社会保険料控除が少ないので、自ら加入する必要がある
  • 自営業は健康保険の負担が重い
  • 自営業は小規模共済や経営セーフティ共済などで節税できる
  • 自営業は所得290万円以上から個人事業税がかかる
  • 自営業は売上1000万円以上から消費税がかかる

税務についてしっかりと勉強して、損しないようにしましょう!

※更新時とは税制が変更になっている場合もあります。最終的には自己責任でしっかり調べて行いましょう。

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