【服が売れない時代は慣習が原因?】書評「誰がアパレルを殺すのか」

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最近服が売れていないと言われていますが、一体なぜ売れていないのでしょうか?

今回紹介する誰がアパレルを殺すのかという本は、アパレルのビジネスモデルから考えて、どうして売れないのかを紐解いた本です。

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誰がアパレルを殺すのかがオススメな方

  • アパレル業界に勤務している方
  • 服が売れないことに関して疑問がある方
  • アパレル業界の問題点をビジネスモデルから明らかにしたい方

服が売れない時代…1200人以上の希望退職を募るアパレル代表4社

世の中は常に変化をしており、変化をしないと生き残ることが出来ない。

今のアパレル業界の不振はアパレルが変われなかったことに起因していると言います。昔の変わらないビジネスモデルのままで行っているからこそ、今、アパレルはかつてない不振にあえいでいる。

アパレル代表4社の合計売り上げ2014年は8400億円。

しかしながら、2015年は10%減った。

更に、2015年の1年で、アパレル店舗は1600店舗は閉鎖された。

1200人以上の希望退職者も募る。逆にメルカリやZOZO TOWNでは服は売れている。人々が服が買わないのではなく、百貨店やアパレル代表4社が落ちてきている。

服が売れない時代だが、昔はDCブームという服が売れた時代があった

バブルの時は服が売れていた。服がステータスであり、伊勢丹に行きブランドを買って着ることが自分の尊厳を保つ行為であった。

DCブームというデザイナーズ&キャラクターブームといい、どんなに高くてもブランドがつけば売れる時代があった。

売り上げが下がり始めた時もこのやり方を続けていた。

そして今でもこのやり方を変えることが無いから、今も下がっている。

バブルの時の時代のように今も服を作ってしまっている。

在庫が出ることを見越して作るので、余る。

セールに流れ、アウトレットに流れ、バッタ屋に流れている。このバッタ屋がめちゃくちゃ儲かっている。

服が売れない時代は慣習にあり

アパレルと百貨店の関係は賃貸と同じ

アパレルと百貨店の関係でも、服の所有権はアパレル会社にあり、百貨店は在庫を持たない。

出店して売れたら、売れた分だけ百貨店が仕入れたという、消化仕入れという流れになっている。百貨店がステータスの象徴だから、そこに出したかったからどんな不利な条件でも出店していた。

だからこの流れになっていた。

買われないアパレルの理由とは?

アパレルが変われずにいるのは何故なのか?

繊維の工場・商社の話・売り場の話一貫してそれぞれの立場からアパレルが沈んだ理由を解説している。

アパレル業界の殺す理由は内側の論理や、内側の文化が変われないから、集団自殺的な様相になっていると書かれています。

服は大量に作ればスケールメリットで安く作れるし、ショッピングセンターで売れれば売り上がります。

しかしながら店舗で売れなければ不良在庫になってしまいます。

では、どうすれば不良在庫にならないかと言えば、店舗を構えているアパレル自らが売れる服を企画してお願いするべきなんです。

ところが、古い慣習により、工場や商社に「売れ筋を作ってください」とぶん投げるから現場を知らない人が作ったものが売れるはずがないのです。

アパレルが企画とかを放置した状態になり、本気ではなく、なんとなくで服を大量に作るという図式になる。そうなると似たような物ができて、また不良在庫になってしまうのです。

このスパイラルがアパレルを殺しているのです。

服が売れない時代のマーケティングを考える本

誰がアパレルを殺すのかは、服が売れない時代にアパレルについて考え直したマーケティングの本です。

アパレル業界にいる人や、マーケティングに携わる人はぜひとも読んでいただきたい1冊ですね!

アパレルをビジネスモデル的に考えた本書。是非読んでみて下さい。

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