「人間関係が希薄化しているな」
「つながりってないよね」
「隣の人と会話したことがない」
昔に比べて現代社会は引っ越しても隣の人に挨拶することもなく、親世代との同居もしない核家族が中心になりました。
わずか数十年前は、家族で住むのが当たり前だったのに、なぜこのような変化が急激に行われたのでしょうか?
それには、国の社会保障制度のあり方が関係しています。
今回は現代社会の人間関係が希薄化した理由について解説します。
目次
人間関係の希薄化?昔と今の「つながり」の変化の原因は社会保障制度
人間関係の希薄化について昔と今の違いを簡単にまとめてみました。
- 昔:社会保障制度が不十分→相互扶助しないと生き残れない
- 今:社会保障制度が十分→相互扶助しなくても生き残れる
昔の日本は人間関係がないと生き残れない時代だった
昔の日本は、個人と家、知人と地域の人間関係で支えあうウェットな相互扶助の関係がありました。
数百年前は年金制度がないので、生んだ子どもが働いて稼いでくれる分が年金だった時代もあります。
その分だけ、老後は孫やひ孫の面倒を見ることにより、家族の中で社会保障が成立していました。
今の日本は人間関係が希薄でも生き残れる時代になる
しかし、現代は、人間関係のわずらわしさの無いドライな社会保障制度へ移行しています。
年金制度が充実した結果、核家族になっても生きていけるようになり、子供の面倒は保育園や学校に預けることで、家族の中で成立していた社会保障を政府に頼ることが可能になったのです。
社会保障制度が手厚くなればなるほど、地域間の相互扶助で支えあっていた文化は不要になります。
こうして、つながりが希薄な社会に変化していったのです。
人間関係の希薄化はネット社会でも進行しつつある
今の、都会住民の孤独は、「絶縁社会」とも揶揄されています。
電子メールやインターネット、SNSなどを使った新しいつながりが、「ネット縁社会」が喧伝されています。
しかし電子メールやSNSはいつでも誰とでも瞬時につながり友達になれる代わりに、いつでも黙って退場できる、気ままで無責任な世界です。
SNSなんてブロックしてしまえば、それで関係は清算されてしまいます。
常識の共有も保証されていません。場所や時間も共有されないため、濃密な関係とは全く正反対の広く浅い関係になっています。
いわゆる、真のパートナーにはなれない。「友達ごっこ」なのです。
人間関係が希薄な時というのは、頼りたい時に人を頼ることが出来ません。
ネット社会が発達したことで、一見すると人とつながっているような気持ちになりますが、冷静に考えるとつながりは希薄なままなのです。
人間関係の希薄化を解消する「オンラインtoオフライン」
人間関係の希薄化を解消するには、オンラインからオフラインという、ネット上の関係だけでなく、リアルな関係に落とし込んでいくことが大切です。
ネット世界では、この共有が決定的に欠落しているからこそ、ネットの仮想社会、匿名社会として自由があります。
しかし、仮想社会・匿名社会というのは無責任な場です。そのような無責任な場でとどまっているだけでは、人間関係が希薄になってしまいます。
私の経験的にもオンラインだけの関係で終始している場合には、本当に弱すぎるつながりであり、連絡を取ることもなくなってしまいます。
しかし、オンラインからオフラインで繋がった人々というのは弱いつながりでありながらも、年に一回くらいご飯にいく関係になります。
つまり、ネットから現実社会に繋げるだけで、強いつながりになっていく訳です。
ネット社会から現実社会に繋げること、新たな個と社会の関係作りの手段として、進化させていくべきでしょう。
例えば、今まで中々会えなかった友達と連絡を取り合ったり、知り合いと共同して新しいコミュニティを作ることができるでしょう。
結論を言えば、リアルで会えばよいのです。
ネットで繋がっていて、リアルでも会っている人間関係であれば、会えない時間でも相手のことを知れる機会が増えるので、より強い関係性を作れるのです。
人間関係が希薄な時代の対策は「周りの人を大切にすること」
人間関係が希薄な時代に必要なのは、周りの人を大切にすることです。
あなたが大切にしたい人だけを大切にすれば、人間関係を構築することも可能でしょう。
しかし誰でも大切にすれば良いのかというと、そうでもありません。
世の中には搾取する人が存在します。搾取する人は、あなたが大切にしたことについて感謝の気持ちもなく、常に自分が利益をもらうことだけを考えて生きていくでしょう。
相手が大切にしてくれないなら、大切にする必要はありません。
周りの人を大切にしようと、あなたが心を尽くしても、なかにはあなたが大切にしようとする気持ちを踏みにじる人もいます。
搾取する人から身を守る方法を身につけておいた方が良いでしょう。
社会保障制度の弱体化から考えると希薄な人間関係ではリスクが高い
人間関係が希薄になった原因は、
- 社会保障制度により個人でも生きていけるようになったからです。
- ネット社会の発達により個人が場や時間を共有することがなくなった。
この結果、家族・地域間の相互扶助という考えは現在非常に薄くなっています。
しかし、高度経済成長期と比べると社会保障制度は弱体化しています。
- 年金が減る
- 介護保険料は取られる
- 少子高齢化
などの影響を考えると、今後社会保障制度が弱体化していくのは目に見えています。
自分一人で生きていけるように稼げる人物になり、老後資金対策を行い、お金の不安のない老後が迎えるなら良いかもしれません。
しかし、一人でも生きていけない老後資金対策が不十分な場合は、周りの人や家族や血縁とのつながりにより、相互扶助をするという考え方が生まれてもおかしくないでしょう。
20代や30代の方が人間関係の希薄を嘆くのであれば、周りの人を大切にするか自分の力で稼ぎ、人間関係が希薄な時代でも生きていけるようになる必要があります。
副業や投資を始めることで、自力で生きていけるだけの資金を準備しても良いでしょう。
以上、【人間関係の希薄化】現代社会のつながりが薄い原因について解説しました。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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