「あの上司ちょっと無いよね…」
「あの人はリーダーとしてどうかと思う…」
こんな感じのことってよく聞きませんか?
階層社会学者のローレンス・J・ピーター氏によると、階層社会はあるものを生み出します。
階層社会は「無能」な人々を生み出すのです。
会社や、政治の世界、学校教育など、この世の中には階層社会が数多く存在します。
自分が「無能」だと判断されたら嫌ですよね…
今回はピーターの法則は間違いなのか?無能を回避する4つの方法は?についてお話したいと思います。
目次
ピーターの法則を読んだ方が良い人
ピーターの法則は下記のような人にオススメです!
- 今の世の中は無能な人が多いと思っている方
- 自分の力が通用しないなと思われる方
- 無能で終わらせたくない方
- 将来的に無能だと判断されたくない方
ピーターの法則では階層社会は無能を生み出す
階層社会の意思決定は間違いが多い
このピーターの法則によると、階層社会は出世があるから、無能な人がトップに立つと言っています。
つまり、会社・政治・学校教育などの階層社会のトップ層は無能な人なのです。
無能な人々が意思決定をして、何かを決めていくことになると無能な決定をされてしまいます。
その結果、無能なものが世の中に溢れ、結果的に有能な人もどんどん無能になっていくのだと言います。
赤字決算から考えるピーターの法則を学ぶ意義とは?
2015年のニュースで恐縮ですが、この時期は軒並み赤字決算を発表した時代でもありました
- 東芝が連結最終赤字が7100億円になる見込みだと発表
- シャープは247億円の赤字を計上
- キリンは15年12月期の連結業績予想を大幅に下方修正してます。560億円の最終損失を計上する見通しで、1949年の上場以来、初の最終赤字を発表する見通し
この背景には、ピーターの法則が働いている可能性もあります。あなたも階層社会という「無能になるメカニズム」に影響を受けています。
ピータの法則を理解することにより、階層社会がつくり出す「無能」な人材ではなく、階層社会にも関わらず有能な人材として生きていくことができるのです。
階層社会に関わらなければ有能に生きていくことが可能なんでしょ!だったら、副業を行うなどして、自分で稼ぐ方法に行くのが一番手っ取り早いですよね。
副業を行うためにも自己投資がおすすめ!下記に20代にオススメの自己投資をまとめてあります!
無能になるまで出世するから階層社会は無能が集まる
ピーターの法則によると、階層社会では出世をすればするほど、無能な人が多くなります。
出世をすると無能になるのは一体なぜなのでしょうか?
出世は現在所属する階級で有能さを発揮している人から出世します。つまり、出世というのは有能だと判断されると次の階級に行くと考えます。
逆に言えば、出世が止まるというのは有能だと判断されていないということになりますよね。つまり、自分が有能さを発揮できない肩書きまでしか、階層社会では出世が出来ないのです。
本書でも下記のように述べられておりました
有能さを発揮できていた地位から無能ぶりを露呈することになる地位へと昇進させられている。
引用:ピーターの法則
つまり出世できる限界まで来たら無能になるってことですね!やっぱ階層社会って良いものではないですね!
ピーターの法則は間違い?モデルから考えてみた
階層社会では無能が集まるというピーターの論理はなんとなくわかりました。
ですが、ピーターの法則は正しいのでしょうか?それともピーターの法則は間違いなのでしょうか?
簡単なモデルケースから考えてみました。
ピーターの法則の間違い検証:営業が得意なプレイヤー型の出世について
例えば、営業が得意なプレイヤー型の営業職で成績をガンガン上げている人がいたとします。
営業が得意なプレイヤーは営業マンなので、ガンガン成績を上げていくので、上司や周りから「仕事ができる」と判断されます。「彼は有能だ」と判断されるわけですよね。
その後、有能な彼ですから昇進を打診され、管理職になります。
管理職になった彼は営業職とは違う能力を求められる
ここで問題が生じます。管理職に必要なことは、営業力ではなく人間の機微を感じ取ったり人を管理する能力です。しかし、今まで彼を有能だと見なしていたのはプレイヤー型の能力である営業力です。ここに来て出世をした彼は全く別の能力が必要になります。
もし彼が、管理職に必要な能力を持ち合わせていなかったら、無能と認定されます。その結果出世は止まるでしょう。しかしながら、管理職に必要な能力でも有能さを発揮できれば、再び昇進をします。
次は取締役になるのです。
取締役も管理職とは違う能力を求められる
今度は取締役など、意思決定力などの能力プレイヤー職で有能だと示す営業力やマネージャー職で有能と示すマネジメント力とはまた違った能力が必要な立場になります。
今まで、管理職としても営業職としても有能だと見なされた彼ですが、意思決定力について、無能だと認定されれば、そこで出世は止まります。
また、意思決定力で有能だとしても、社長の席は一つしかないので、社長から煙たがられたり、階層社会の決まりを守らなければ、有能であってもその階層社会には入れず、外に出されてしまうでしょう。
ざっくりと説明しましたが、このように、階層社会では無能な人が残る傾向にあるというのが、ピーターの法則です。
無能レベルに陥った者が労働を続けることは、会社を倒産させたり、政府を転覆させたり、あるいは文明社会を未開時代に逆戻りさせたりする危険と背中合わせなのです。
引用:ピーターの法則
今回の東証一部の赤字計上はピーターの法則?
今回の様々の赤字計上というのは、もしかしたら、このようなピーターの法則が働いていたのかもしれません。
何故なら、それまでは日本国内の内需だけを気にしていれば良かったのですが、今後は海外との関係性や、新たなるテクノロジーなど新しいものについていく必要があります。
しかしながら、昇進を促すのは、すでに昇進している上司であり、その上司は無能である可能性があります。
だから、無能な人が、昇進を決定する人材というのは、多くの場合無能であるケースが多いと言えます。
ピーターの法則が言う「無能にならないための4つの対策」
ピーターの法則の中で、ピーター氏は4つの対策を述べています。
無能にならないための4つの対策
- ピーターの予防薬:無能レベルへの昇進を回避する方法
- ピーターの痛み止め:無能レベルに達した人が生きながらえて健康と幸福を維持する方法
- ピーターの気休め薬:終点到達症候群の症状を抑える方法
- ピーターの処方箋:世界に蔓延する病を治療する方法
それぞれ、説明していきたいと思います。
ピーターの予防薬「マイナス思考・創造的無能」
無能レベルへの昇進を回避する為に必要な要素は2つあります。マイナス思考と創造的無能だそうです。
マイナス思考「自分が出世するデメリットを考える」
マイナス思考とは「自分が出世や昇進をしてしまったら?と自問自答して、デメリットを考えてみる」ことです。
例えば、出世をしたら健康面で問題が出ることがわかるかもしれませんし、時間の融通が利かなくなってしまうといったことで、無理が生じてしまう可能性がありますよね。
このように、マイナス思考を持つことにより、自分の人生は立派に充足していることと、今の立場でも十分に満足いくようなものだと分かります。
マイナス思考をした結果、出世のモチベーションが下がるので、昇進することがなくなるため、無能になることがなくなるというのです。
ピーターの法則では「自分は今の上司の更に上の上司につかえても仕事をする気があるのか」と自問自答すると良いそうです。
創造的無能「わざと無能だと思わせる」
創造的無能とは「無能であると周りに思い込ませることで、出世の打診が来ないようにする」ことです
例えば、どこかが抜けているとか、「彼を出世させることができないよね」と周り思わせるような欠点を意図的に創り出します。
欠点がることを周囲が分かれば、昇進の打診が来なくなり、有能性をいつまでも発揮でいるので、健康的で精神も充実した生活を過ごせるのです。
ピーターの痛み止め「人畜無害レベルの無能で生きる方法」
予防薬を服用する前に、無能のレベルまで到達してしまった人々に対して、できることは何か?
それは、人畜無害のレベルで、心安らぐ状態で余生を過ごせるように緩和する方法があるとのことです。
教育の地盤沈下を止める「出来ない人を配置換え」
これはできない人を無理に出世させたりするのではなく(年功序列だと、皆さん大体主任にはなりますよね)、水平異動を用いることが重要だというのです。
いわゆる配置換えです。
配置換えを行うことにより、優秀な指導者と巡り会えたり、自分の特性に合ったことを見つけるようになり、習熟度が上がり、運が良ければ、無能レベルから有能レベルに戻ることができると良います。
Googleも配置換えは行なっている?
「Work Rules」では、Googleの社内で本当にパフォーマンスが低い人は、まず配置換えなどでやっていることを変えてみて特性が出てくるのかを試すそうです。
配置換えをしてみてもパフォーマンスが上がらない場合は、転職をすすめ彼が成果が出せる転職先も紹介するという旨の記述もありました。
このように、パフォーマンスが上がらない人は、年功序列の制度で強制的に出世をさせるのではなく、配置換えを検討してみると良いということです。
ピーターの気休め薬「自分を無能だと感じさくする」
無能レベルに達していて、配置換えも上手くいかない状態の中で、更なる悪化を防ぐために必要なことが、この気休め薬だそうです。
労働の尊厳(素晴らしさ)を語る「無能だけど労働は良いことである」
無能レベルに陥った人は、実績が上がらりません。そういう無能レベルに陥った人に対して、もっと成績を上げようとテコ入れするのを辞めて、労働の尊厳を雄弁に話しすことが効果的だそうです。
労働の尊厳を雄弁に話すことで、「自分の実績が上がらないことについて考えない」ようになります
自分が無能であると向き合うのは誰でもキツイものです。
しかし、労働が尊いということを教えることで、無能でも苦しむことはなく、配置換えをして新しい特性が出るまで労働を継続することが可能になります。
ピーター氏も著書の中で気休め薬については下記のように述べています。
このような気休め薬の服用者たちは、社会にたいした益ももたらしませんが、少なくとも人畜無害で、それぞれの道の有能な人間たちの仕事を邪魔することもありません。ピーターの気休め薬は、職業の世界が機能停止することを未然に防ぎます。
引用:ピーターの法則
ピーターの処方薬「無能に到達するのを避ける」
ピーターの処方薬は、先述した予防薬・痛み止め・気休め薬を行うことです。
ピーターの処方薬を使えば皆が無能になることを防げます。
つまり、「無能な人間に邪魔されることなく、生産的に活動できる有能な人間が増えることにより、人々が生活の質を向上させること」ができるのです。
無能な人間がいなくなれば生活の質が向上するということですね!
じゃあ階層社会を離れるのが一番手っ取り早そうな気がしないでもないですが…。
処方薬について、具体的にこうしろという話は記述はないですが、無能に到達することを防ぐことで、生活の質が向上し、処方薬を作ることができると記述しております。
つまり、昇進ではなく、自分の有能性に着目して、生活の質の向上を目指すことにより、人々により便利なものを提供できるようになること。
便利なものを提供することを通じて、更に生活の質の向上を目指していくことが、処方薬ということなのでしょう。
そういった意味では、「生産性を上げること=有能性を上げて生活の質を向上すること」になります。
生産性という概念は、2017年頃から言われている生産性という概念ですが、ピーターの法則で無能になることを防ぐには大切が概念になりますので覚えておきましょう。
生産性という本も超オススメです!
まとめ:階層社会では「生活の質の向上は不可能」
ここからは、個人的な感想で恐縮ですが、階層社会にいると生活の質の向上を目指すことは難しいと思います。
無能な人の意思決定では生活が豊かにならない?
先ほども述べた通り、会社や政治という階層社会のトップというものは無能な人が多いです。
この結果、民主主義的な意思決定の方法である多数決の場合は、無能な人が意思決定を下すことになります。
その結果、階層社会は無能な方向性に流れやすいです。
人々が、ピーターの法則を理解して、生活の質の向上を目指すという理念のもとに集まれば別です。
しかし、そもそも無能な人は、理念よりも出世や昇進を意識している人が多いので、ピーターの法則をりかいすることは難しいでしょう。
無能な人が邪魔をするので生活の質を向上するモノが作れない
また、この本の中で、階層社会の下の階層の人(現場に近い人)は有能な人が多い(出世の余地があるので)と述べられておりました。
有能な人が、現場の声を吸い上げて、生活の質の向上に役立つものを企画したとしても、無能な人がそれを行うかどうかを意思決定する時では無能な判断が行われてしまう可能性が高いです。
無能な判断によって、生活の質の向上をができなくなると言えなくもないです。
結局のところ、有能な人が本当に生活の質を向上しようと考えたら、階層社会から離れて、自分たちで何かを行っていく必要がある。
今の20代の優秀な人たちは、階層社会に支配されていない起業を考えたり、NPOを立ち上げたりしているのでしょう。
ただし、起業やNPOと言った比較的フラットな組織も規模が大きくなれば階層社会が形成される可能性があるので、ピーターの法則を理解しておくと良いかもしれません。