書評「Zero to One」全ての人は投資家にならなければいけない?

5.0

Youtubeの創業者・Linkedinの創業者・Tesla・Yelpの創業者に共通点があります。それは、元Paypal出身ということです。彼らは、Paypalマフィアとさえ言われています。

今回紹介する本は、「Zero to One」です。

PayPalの創業者、シリコンバレーで大きな影響力を持つ「ペイパル・マフィア」の中でも「ドン」と称される男、ピーターティールが書いた本になります。

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起業というのは人生における正しい位置付けとは?

この本の中で、ピーター・ティールは、起業というのは人生における正しいアプローチであるとしています。

自分の人生のコントロールを取り戻す試みとしての起業を人生における正しいアプローチと位置づける。

それは優秀な学生がいくら優秀な企業に入ったからと行っても、社会に大きな変化を与えることができず、結果として社会をよくすることがないからだと思っているからです。

これからのスタートアップに必要な5つの考え方?

2003年にインターネットバブルを起こしてから、その反省として様々な考え方が生まれています。しかし、ティールは、それらとは逆の原則が大切だとして、これから必要な4つの考え方を下記のように述べています。

小さな違いを追いかけるより大胆に賭ける?

壮大なビジョンがバブルを膨張させたと言われています。

しかしながら、大胆に賭けなければ世界を変えるほどの成果をあげることが出来ないと本書では述べられています。

大胆に賭けるというのは、誰もがやったことがないことをやること。つまり0から1を作り出すことです。

出来の悪い計画でも、ないよりはいい?

リーンスタートアップと言われるが、計画なしで突っ込むことは良くない。

柔軟性がなくなることが計画を立てることの弊害であるならば、柔軟にすることを考えていれば計画を持った方が良いということになります。

競争の激しい市場では収益が消失?

盛り上がっている市場というのは競争が激化している可能性が高い。競争よりも独占を狙う。独占が出来ている企業は潰れる可能性が低いため、倫理について考えることができる。

金のことしか考えられない企業とそうでない企業は圧倒的な違いが生まれてくる。

エリートの方は競争が好きだが競争はしない。完全競争になると需要と供給が一致して利益が出ない。なんで競争が嫌いなのかというと、ピーターティールも世界的な競争に負けた。スタンフォードを飛び級で卒業して、最高裁判所の法務官になりたいと思っていた。何十万人の中で一人しかなれないが、そこに落ちた。

その10年後にPaypalをEbayに売却して巨万の富を得た。その時に思ったのが「あの時に本当に落ちてよかった。もしも受かっていたら、普通の家に普通に過ごしていただろう」と思っていた。

競争ではなく独占を狙え?

独占とは、多くの人が気づいていなかったり賛成していないが真実であること。それを取れれば独占になる。 Airbnbが競争に走ると良いホテルを作るということになるが、独占という考え方をすると、空き家に人が泊まれるものを目指すことになる。

販売はプロダクトと同じくらい大切?

プロダクトがよければ需要が高まると言われるが、そんなことはありません。

バブルの時は広告や営業だけに重きを置かれていましたが、それと同じくらいにプロダクトにも比重をおけば良いということになります。

将来のキャッシュフローに金を出す投資家達?

本書の中ではニューヨークタイムズとツイッターの企業価値を比べて、将来のキャッシュフローを創出することの大切さを述べている。

ニューヨークタイムズとツイッターの企業価値を比べてみるといい。どちらにも数千人の社員がいて、どちらも数百万人にニュースを届けている。

でも、二〇一三年にツイッターが上場した時の時価総額は二四〇億ドルで、ニューヨークタイムズの一二倍を超えていた。ニューヨークタイムズは二〇一二年に一億三三〇〇万ドルの利益を計上し、ツイッターは赤字だったのに。

なぜツイッターにそこまでの高値がつくのだろう?答えはキャッシュフローだ。

こう言うと、ニューヨークタイムズは黒字でツイッターは赤字なのに変じゃないかと思うかもしれない。

でも、偉大な企業かどうかは、将来のキャッシュフローを創出する能力で決まる。投資家はツイッターがこれからの一〇年間に独占利益を取り込むことができると予想している

どんな人でも投資家にならなければいけない?

将来創出されるキャッシュフローが大切であると考える投資家の例を出した後で、ティールは『どんな人でも投資家にならざるを得ない』と言っています。

すべての人は投資家にならざるをえない。君が仕事を選ぶとしたら、それが数十年後に価値のあるものになると信じて選ぶはずだ

将来どのくらい価値があるのかを見極めてキャリアを選ぶ必要性があるのです。

0から1を生み出すには自分の頭で考えること?

この本は一貫して創業の話であったり、0から1を生み出すこのとの必要性が書かれています。

では、0から1を生み出す為には何が必要なのでしょうか?それは、新鮮さと違和感を持って、自分の頭で考えることだと言っています。

今僕たちにできるのは、新しいものを生み出す一度限りの方法を見つけ、ただこれまでと違う未来ではなく、より良い未来を創ること──つまりゼロから1を生み出すことだ。そのための第一歩は、自分の頭で考えることだ。古代人が初めて世界を見た時のような新鮮さと違和感を持って、あらためて世界を見ることで、僕たちは世界を創り直し、未来にそれを残すことができる。

自分の頭で考えて、新しいものを生み出せる人になりたい方は是非本書をオススメいたします。

今回オススメした本は下記になります。

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