書評「日本3.0 | 2020年の人生戦略」リーダーに孤独と無私が必要な理由?

4.0

個人的に未来を予測するような本をオススメしていますが、今回紹介するのはその中でも新しい「日本3.0」という本です。

「日本3.0」はこれから変化していく日本においてどのようにしていくべきなのかを解説した本です。

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日本3.0がオススメな方

  • これからのトレンドを知りたい方
  • NewsPicksが好きな方
  • 日本について歴史から踏まえて学びたい方
  • 30代の方
  • これから変革の時代を迎える日本において生き残りたい方

2020年から日本近代の第三フェーズである「日本3.0」になる

本書ではこれまで日本は明治維新から数えて2回の大変革が行われてきた言います。

「日本1.0」=明治維新〜敗戦まで

まず「日本1.0」と呼ばれる大変革についてですが、これは明治維新から敗戦までの第一次サイクルを意味します。

若い下級武士たちが江戸幕府を倒幕したことから始まります。この時に求めたものが「移動の自由」と「下剋上」です。

関所を撤廃することにより、移動が自由になり東京に大量に人が流入していきます。そして、下剋上により身分制度が崩壊したため、下級武士でも成り上がることができるようになったのです。

「日本2.0」=敗戦〜2020年まで

「日本2.0」は敗戦から2020年までの日本の変革のことを指します。ここで特に注目したいのは「人口大移動」と「下剋上」

人口大移動は戦時中に疎開したことにより、労働力が地方に散らばったこと。そして、敗戦後は満州から大量の人口が東京に移動することにより、東京は人口が大量に溢れかえりました。

人口が増えると景気が良くなりますから、経済成長の起爆剤となったのでしょう。

更に、下剋上ではリーダーの世代交代が顕著でした。

それまでの政治家や官僚たちが失脚し、新しいリーダーが出てこないと行けなかったからです。

更に戦争から帰還したリーダーたちが多くの企業を創業していきます。

朝鮮戦争での特需などもあり、経済成長著しい日本となったのが日本2.0です。

「日本3.0」=2020年〜

それでは「日本3.0」とは何なのでしょうか?

それは、下記のことを要因として引き起こされると言われています。

  1. 年功序列の終わり
  2. 正社員と非正規社員の格差解消
  3. 男女逆転
  4. 外国人労働者の登用
  5. 難民
  6. 業界再編・伝統企業の倒産
  7. スタートアップの興隆
  8. 第4次産業革命
  9. 交通革命
  10. グローバル化

詳しい説明は本書を見ていただきたいですが、要するにこれも「移動」と「下剋上」によって引き起こされるということです。まとめかたが上手いですよね…

ちなみに、「日本3.0」はいつから始まるのか?日本3.0の書籍の中では下記のように説明されています。

「日本3・0」幕開けの号砲は、財政破綻、政界再編、戦争、自然災害、改元。

「日本3.0」に備えて個人ができることは?

国家・経済・仕事・教育・リーダーについて書かれています。

個人的には読書をしたらアウトプットをしたほうが記憶力が定着すると思いますが、本書の中でも自分の行動に取り入れられそうな点は数多くありました。

そんな中から今回はリーダーについて考えてみたいと思います。

「日本3.0」に求められるリーダーは?

日本は決断型のリーダーがいなくても良い時代が長すぎたので、調整型のリーダーが多く、また決断型のリーダーを育成することも出来ないため、リーダーが不在であるということが言われています。

では、今後求められるリーダーはどういう資質が必要なのでしょうか?

著者は、個人的に必要な要素として7つの要素をまとめています。

  1. 体力
  2. ワールドクラスの教養
  3. クリティカル・シンキング
  4. 議論・説得する力(レトリック)
  5. 無私
  6. 孤独力
  7. コスモジャポニズム

詳しい内容は本書を見ていただきたいですが、そのなかでも「なるほど!」と思ったのは「無私」「孤独力」になります。

順に説明していきましょう。

リーダーは無私の心が必要

自己愛のある人間は自分が大切になりすぎて、自分の損をすることが出来ません。

リーダーが自己犠牲出来ないと部下から尊敬がされないから自己犠牲は大切であると本書の中でも書かれていました。

ただ、GIVE & TAKEでも書かれていますが、自己犠牲的なGIVERは燃え尽き症候群に陥ってしまうと言えます。

参考書評「GIVE & TAKE」テイカーな私でもギバーになれた方法とは?

そのため自分の仕事の意義にあったことについては自己犠牲を厭わないという精神がちょうどよい塩梅なのかなとも思います。

自己犠牲し過ぎも良くないということですが、ある程度は大切であるということです。

ちなみに、無私の精神を鍛えるには仕事・恋愛・海外生活だと言われています。

仕事は自分の利益にならないことでもやらないといけないから、無私の精神が身につくのでしょう。

海外生活は弱者として生活する過程の中で自己の強さと向き合う事ができるのです。

恋愛は完全に「相手ありき」の好意ですので、自分が無私にならざるを得ません。だから恋愛では無私の精神が身につくのだと言えます。

リーダーに孤独が必要な理由は?

リーダーは勇気で人を導くことが大切です。

勇気とは思考を深めることにより出来上がります。

思考を深めるには孤独になることが一番だと言われています。

一人で向き合って考えて思考を深めて行くことにより誰に何を言われてもぶれない思考が出来上がるのです。

孤独力を磨く為にオススメなのが読書だと言われています。

読書は著者の思考が文章となって現れているものであり、著者の孤独を経験することができること。

そして、本は過去のことについて書かれているため、今の社会通念を疑うことができるようになり、思考を磨くことができるとも言われています。

本書からの引用で「ここ最高だなー」と思った部分を記載しておきます。

孤独に耐えられる力を高めれば高めるほど、批判に動じない自己を形作ることができるようになるのです。

そして、批判に耐えられる人ほど、人に反発されるような大胆なイノベーションに挑戦することができるのです。

現代最高のイノベーター、アマゾンのジェフ・ベゾスもこう言っています。

「もしあなたが何か面白いことをしようとするなら、きっと批判を浴びるだろう。しかし、そんな批判に耐えられないなら、何か新しいことや面白いことはしないでほしい」

30代が時代を創る

本書の中には30代がこれからの時代を創るとも言われています。

20代はまだまだ社会経験が浅くスキルも未熟であるということであり、40代では体力の衰えが始まるからだと言っています。

個人差があると思いますが、ある程度の社会経験と体力とスキルが備わっていないと、時代を創ることが難しいのでしょう。

これからのトレンドを知りたいあなたにとって是非とも読んでいただきたい1冊でした。

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