「事実をベースに考えることって難しい」
「事実ベースに決断する方法って何があるの?」
ファクトフルネスという本によると、大切なことは自己批判をすることだそうです。
というのも、人間はドラマチックな本能により判断を誤る性質があると言います。
逆に言えば、ドラマチックな本能に対して適切な対処が取れれば、事実ベースで考えることが可能なのです。
ファクトフルネスとは、氾濫する情報社会において、人間が支配されやすい10の本能を解説しながら、事実ベースで考える方法を教えてくれる本です。
今回は、ファクトフルネスの書評を解説します。
この記事で学べることは?
- 事実ベースで考える方法が学べる
- ベストセラーのファクトフルネスの要点が学べる
- 人間が陥りやすい10の本能が学べる
「ファクトフルネスのあらすじ」
ここ数十年間、わたしは何千もの人々に、貧困、人口、教育、エネルギーなど世界にまつわる数多くの質問をしてきた医学生、大学教授、科学者、企業の役員、ジャーナリスト、政治家―ほとんどみんなが間違えた。みんなが同じ勘違いをしている。本書は、事実に基づく世界の見方を教え、とんでもない勘違いを観察し、学んだことをまとめた一冊だ。引用:Amazon
ファクトフルネスを読むべき人は下記の通りです。
ファクトフルネスを読んでみて感じたことですが、ぶっちゃけて言えば、氾濫する情報に振り回されずに事実をベースで考えたい人は誰でも読むべきですね。
その中でも、下記に該当する人は、読んだ方が良いかなと個人的に思います。
- 思い込みが激しい人
- 自分に自信がある人
- 人間の本能に興味がある人
- 統計などのデータをよく使う人
ファクトフルネスの意味とは?「自己批判的な物の見方である」
ファクトフルネスの意味とは、「データや事実にもとづき、世界を読み解く習慣」のことを言います。
「データや事実に基づき世界を読み解くなんて当然でしょ?」と思う人も多いでしょう。
しかし、ファクトフルネスの中で「人間には本能があり、データを基に世界を読み解くのを邪魔している」と解説しています。
ファクトフルネスは、人間に備わっているドラマチックな本能を理解し、本能を抑えることで、事実に目を向けることを目標にして書かれた本です。
そのため、この本では、人間に備わっている10の本能について解説しています。
人間が陥りやすい10の思い込みである「本能」を理解することにより「待てよ…これは例の本能なのではないか?」と自己批判することにより、「データや事実にもとづき、世界を読み解く習慣」ができるようになることが本書の目標なのです。
自分自身も偏った世界の見方をしている可能性があると感じたわたしは、ファクトフルネスの意味が「データや事実にもとづき、世界を読み解く習慣」であることを読書会で知って、読んでみました。
わたしの読後感は「心の傷がえぐられた」です。なぜなら、ファクトフルネスを読むことで、自分がいかに事実をベースに考えていなかったのかを思い知らされたからです。
特に、パターン化思考の項で書いてあった「自分以外はアホ」だと考えてしまう本能を読んだ時には、いくつか当てはまる点があり、恥ずかしくなりながらファクトフルネスを読んでいました。
自分に自信があると自覚がない人も、ファクトフルネスを読むことにより、いかに自分が自惚れていて、本能に支配されていたのかを知ることになるでしょう。
ファクトフルネスに書いてあった、「自分以外はアホ」と思ってしまうパターン化本能は、割りと当てはまるケースが多い自分が一番アホだと言うケースは何回経験すれば良いんですかね。
恥ずかしくて、穴があったら入りたい状態になること多数…。たくさんあるわーと思う。心の傷がえぐられた読後感。
— ドク (@studytokyo3) November 6, 2019
ファクトフルネスに書いてあった、「自分以外はアホ」と思ってしまうパターン化本能は、割りと当てはまるケースが多い自分が一番アホだと言うケースは何回経験すれば良いんですかね。
恥ずかしくて、穴があったら入りたい状態になること多数…。たくさんあるわーと思う。心の傷がえぐられた読後感。
ファクトフルネスが紹介する10の本能を要約してみた
ファクトフルネスでは、人間が事実を誤認してしまうドラマティックな本能を10に分類しています。
それぞれの本能について著者は経験を交えながら書いてくれており、ファクトフルネスを読んだことがない人は、本書を読むことでストーリーとして理解することができるでしょう。
ここでは、ファクトフルネスの本能の10分類と気をつけるべき点を簡単に要点にまとめました。
分断本能「二極化して考えてしまう」
分断本能とは、世界は極端な世界で分断されていると考えてしまうことです。
いわば二律背反の世界と考えているイメージです。「善と悪」「富裕層と貧困層」など、分断されていると考えることにより、間に存在する人々の存在を無視してしまうのです。
しかし、統計的に考えればわかる通り、極端な世界とは間違った世界であり、中間層にいる人が実は多いのが正しい世界なのです。
- 平均に注意
- 極端な数字は注意
- 上からの景色に注意
ネガティブ本能「悪く考えるのは人間の本能」
悪いニュースや悪い噂って広がり安いですよね?人はネガティブに考えがちです。
ネガティブな思い込みの方が強い生き物だと言います。
例えば、何かにチャレンジしようと思う時って「失敗したらどうしよう」って考えがちですよね?しかし、冷静に考えればわかる通り、成功する可能性も失敗する可能性もあるので、失敗だけを考えるのも間違った世界の味方ということになるのです。
- 悪いニュースは広まりやすい
- 悪いと良いは両立する
- 人は過去を美化する生き物である
直線本能「いつまでも続くと考えてしまう」
グラフにして示されたものなどをみると、直線が続くと考えがちですよね。
例えば、経済成長が右肩上がりなら、ずっと経済成長が続くものと考えがちです。しかし、経済成長も何もしなければ止まります。そのため、一生ずっと右肩上がりという状態はありえないのです。
直線のグラフをみると、直線がずっと続くと考えてしまうでしょう。これが直線本能だと言います。これが直線本能です。
- グラフには様々な形がある
- もしかしたら何かのきっかけでグラフの形が変わるかも
- グラフもいつかは曲がる
恐怖本能「恐怖に打ち勝つにはリスク計算」
ネガティブ本能にも似ていますが、まだ起きてもいないことにビビってしまうことも人間の本能です。
恐怖に縛られてしまうのは仕方ありません。なぜなら、人間は生存本能として生き抜くために恐怖から逃げるようにできているからです。
しかし、恐怖を過大評価するあまり、事実を誤認してしまう可能性があります。
例えば、何かに挑戦しようと思っても、「これがおこったらどうしよう」と恐怖に支配されることで、自分の能力を適切に判断せずに諦めてしまうこともあるからです。
- リスクを正しく計算しよう
- 「危険度×頻度=リスク」だと知ろう
- パニックが収まってから決断せよ
過大視本能「1つの数字で判断しないように」
1つの数字をみると、1つの数字を絶対視してしまいます。この時点で本能に支配されているのが過大視本能です。
例えば、2mの像しかいなければ、自分と比べて大きいと感じるでしょう。しかし、2mの像の横に5mの像がいたら、2mの像を小さく感じるでしょう。
このように、比較対象を作らずに、1つの数字だけを信じてしまうと、事実を見誤ってしまうのです。
- 比較・割り算する
- 国や地域を比較するなら一人当たりに注目する
パターン化本能「その分類は正しいの?」
物事を理解するためにパターン化することは非常に合理的です。
しかし、パターン化されたものに疑いを持たずに、鵜呑みにし、事実を誤認する可能性もあるので、注意が必要です。
これが、パターン化本能です。
おそらく多くの人に経験があると思いますが、「自分以外はアホである」という分類をした結果、他者の意見に耳を傾けなくなってしまい、事実を誤認します。
上司なら「部下の言っていることは間違っている」と判断して部下の言うこと聞かなくなるというのも、それに当たるでしょう。結果的に、部下の現場を正しく理解できなくなり、間違った方向に導いてしまうのです。
- 同じ集団の違い
- 違う集団の共通点を探す
- 自分以外はアホだと思わないようにしよう
宿命本能「ものごとは徐々に変化していると知ろう」
「ものごとは変化しないし、持って生まれた宿命によって文化や宗教の行方は変わらない」と考える本能が宿命本能です。
しかし、現実の世界は文化や宗教も時代によって少しずつ変わっていますよね。
最近で言えば、あのSNSをやらない事務所として有名なジャニーズがいきなりSNSを始めたことで驚きが生まれました。このようなわかりやすい変化なら良いですが、世の中には水面下で動いているわかりにくい変化もあるのです。
わかりにくい変化を知るには、自分から知識をアップデートしないといけませんね。
- 小さな進歩を追いかける
- 知識をアップデートする
- 文化が変わった例を集める
単純化本能「シンプルに見すぎると誤解する」
シンプルにして理解することは合理的だと言いました。経済学の世界ではモデル化と言って、経済の動きを単純化するケースがよくあります。
しかし、シンプルにしすぎた結果、背景にある複雑な事情等を考えることがなくなります。モデル上では正しいことも、実際の現実では適応できない可能性を無視してしまうのが単純化本能です。
- ひとつの視点では世界を理解できないことを知る
- 自分の考えを検証する
- 知ったかぶりはやめる
- 違った意見を持つ人の意見を聞く
- 数字だけを見ない
- 単純な見方と単純な答えには警戒する
犯人探し本能「犯人を特定する人ほど怪しい」
何か悪いことがあると、誰かが犯人だと考えてしまう。自然と犯人を探してしまうこと。それが犯人探し本能です。
犯人探しをしている時点で、自分の考えが事実ベースではなくなっている可能性を考えた方が良いでしょう。
また、「誰か一人が犯人である」と見せしめになっている場合、間違っている可能性は非常に高いです。
- 誰かが見せしめとばかりに責められていたらそれに気づくこと
- 犯人ではなく原因を探す
- 社会を機能させる仕組みに目を向ける
焦り本能「一旦深呼吸して考えよう」
「今しなければいけない…」と焦ってしまうと、間違った判断をすることが増えるでしょう。
これが、焦り本能です。
焦り本能は、どんな時にも襲ってきます。焦っていると感じたら、一旦深呼吸してから考え直しましょう。
- 自分の焦りに気づくこと
- 深呼吸する
- データにこだわる(感情に流されない)
- 占い師(未来を予言する人)に注意
- 過激な対策に注意
ファクトフルネスで真実に目を向けよう
ファクトフルネスでは人間がとらわれやすい10の本能について解説されています。この10の本能を知っておけば、「待てよ・・・」と考えることができるようになるのです。
ファクトフルネスを実践するには下記が重要だと解説されています。
- 知りませんと言える謙虚さ
- 新しい情報への好奇心
- 定期的に世界の見方をアップデートする姿勢
- 「待てよ…これは例の本能なのでは?」と自己批判すること
ファクトフルネスを実践して事実を基にし世界を見ていきたいものですね。
以上、書評「ファクトフルネス」意味と要約をわかりやすくまとめてみたを解説しました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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