「働き方が変わる!」
「働き方改革だ!」
働き方が変わると言われていますが、働き方が変わる背景と働き方が変化する際に必要な準備をしらなければ、働き方を上手く変化することができません。
今回紹介する本である「ワーク・シフト」には働き方が変わる背景と働き方が変化する際に必要な順がちゃんと書かれています。
今回はワーク・シフトを参考に、これから働き方を変えたい方向けに、「働き方が変化する背景と必要な準備」を書いておきます。
「ワーク・シフト」あらすじ
*下流民か、自由民か。地球規模で人生は二極分化する*2025年、私たちはどんなふうに働いているだろうか?ロンドン・ビジネススクールを中心とした、「働き方コンソーシアム」による、世界規模の研究が生々しく描き出す2025年のに働く人の日常。「漫然と迎える未来」には孤独で貧困な人生が待ち受け、「主体的に築く未来」には自由で創造的な人生がある。どちらの人生になるかは、〈ワーク・シフト〉できるか否かにかかっている。
引用:Amazon
目次
「ワーク・シフト」がおすすめな方
ワーク・シフトがオススメなのは下記の方々です
- 働き方を変えようと思っている
- これから転職しようか迷っている
- 将来的にどういう働き方が望ましいのか考えている
- 働き方を考える上で必要な準備を知りたい
働き方が変化するメカニズムを知らなければ準備ができない
テクノロジーがかなりの速さで進化しています。
昔は一つのビジネスモデルを作れば30年続いていました。しかし、今では約10年しか持たないそうです。
今は、変化の激しく時代です。そのような変化の激しい時代を豊かに過ごして行くには、自分から未来を主体的に築く必要があります。
では、どうすれば主体的に未来を築くことができるのでしょうか?
主体的に未来を築くには、将来の働き方がどのように変化するのかを知り準備しておくことです。
そのためにも、将来の働き方が変化していく背景を知ることが大切なのです。
「ワーク・シフト」が語る働き方の変化の背景
「ワーク・シフト」では、働き方が変化する理由を下記のように述べています。
働き方が変わる「5つのトレンド」
- テクノロジーの発展
- グローバル化
- 人口構成の変化と長寿化
- 個人、家族、社会の変化
- エネルギーと環境問題
それぞれ順に説明していきましょう。
テクノロジーの発展「インターネット・AIの発達」
テクノロジーの発展により、どのような変化があるのでしょうか?
インターネットが発達したことによる影響は無数にあります。
まず、商圏が全世界に拡大しました。インターネットを扱っている企業であればやろうと思えば地球の裏側とでも取引することができるようになりました。
次に、コミュニケーションがいつでも、どこでも、誰とでも取れるようになりました。「ワーク・シフト」の中でもアメリカでは、夜中に地球の裏側のインドからメールが届くことが書いてありました。海外の企業と仕事する人にとっては当たり前の様に地球の裏側の人たちとやりとりしている人もいます。
家族旅行で海外に行っている時に、突然会社から電話が鳴り、仕事をする羽目になる。
いつでもどこでも連絡がとれる弊害は、今でさえ当たり前に起こっているのです。
また、AIの発達により、人間がいなくてもAIが代行できる仕事がドンドン増えていくことも考えられます。単純労働であれば、AIが代わりに行えるため、人間にかける人件費は不要になってくるのです。
参考【人工知能(AI)で奪われていく仕事】働き方が変わる時代の3つの生き抜く力とは?
最近ではセルフレジの導入も盛んであり、レジに人が立たなくても買い物ができるようになるかもしれません。
参考[セルフレジ導入中の企業まとめ]TSUTAYA・GU・海外のお店のセルフレジとは?
グローバル化「眠らない世界での仕事」
「ワーク・シフト」の中でグローバル化とは「週7日休みのない世界」であるとしています。
昔はインターネットで世の中が繋がっていなかったこともあり、時差の壁というものが存在していましたが。インターネットにより、国境を超えて容易にコミュニケーションできるようになった結果、時差など関係なしに仕事をすることが可能になってしまったのです。
本書の中でも、テクノロジーの発展がグローバル化に影響を与える結果「週7日休みのない世界」が加速されていくそうです…。
人口構成の変化と長寿化「一生働く時代の幕開け」
人口構成の変化によって、よく言われるのがミレニアル世代の台頭と長寿化です。
ミレニアル世代の台頭「2020年には労働人口の半分がミレニアル世代」
ミレニアル世代は2020年には世界の労働人口の半分を担うといわれています。労働人口の半分を担うということは、ミレニアル世代が一番消費をする世代になるということです。
一番消費をするミレニアル世代の考え方・価値観・特徴を把握した上で企業内で上手く付き合うことと同時に、ミレニアル世代向けのマーケティングができない企業は生き残ることが難しいでしょう。
参考ミレニアル世代は何歳から?ミレニアル世代の特徴と価値観まとめ!
参考ミレニアル世代の心を掴むミレニアルズ向けのマーケティングまとめ
長寿化「60歳を過ぎても働くことになる」
例えば、イタリアも日本ほどではないですが、少子高齢化が進んでいます。
本書によれば、いまの年金制度を維持するためには(現在のイタリアが現役世代と年金受給世代の人口比を保つためには)、年金受給開始年齢を77歳まで引き上げる必要がある。
日本でも75歳まで働くって言われていますしね…。
「ワーク・シフト」の中では60歳を過ぎても働き続ける人が大幅に増えると書いているが、著者がこの次に出す本である「ライフ・シフト」の中では100歳まで生きることから考えた人生戦略を描いています。
そこでは、60歳を大幅に超えて働く人の姿が描かれています…。
社会の変化「離婚が当たり前・自己実現欲求・バランス重視・ゆとり増」
長寿化により、一生一人の結婚という生活が変化してくることも予想されています。
日本では既に核家族化が進行していますが、世界でも核家族化が進行していくと言われています。
仕事場で接する多様性も増えることから、「良い学校→良い会社→良い人生」という枠組みとは別に、自分の人生を問い直す人も増えてくるでしょう。色々な人が出てくる社会になりそうです。
女性の力が強くなり、男性が家族と過ごす時間を求めたりと、それまでの社会とは全く違うスタンスも認められるようになります。これも多様性により生まれてくることでしょう。
さらに、テクノロジーの発達により、人間がいなくても回る仕組みが出来上がってしまえば、ゆとりの時間が増えることになります。余暇の時間が増えることも社会の変化だと言えるのです。
エネルギー・環境問題の深刻化「エネルギー価格の上昇と持続可能な社会への文化」
人口が増えてくれば増えてくるほど、エネルギー問題が深刻になります。特に、簡単に手に入るエネルギー資源も減っていくことになるため、今後エネルギーの価格は上昇していく可能性があると言われています。
また、エネルギー資源が乏しくなることにより、持続可能性に対しる関心が高まり、エネルギー効率の高い社会を求める文化が広がっていくことも予想されます。
それまでは、エネルギーのことを考えずに大量生産・大量消費だったものが、モッタイナイ文化がより浸透することにより、働き方に影響をもたらす可能性が高いのです。
トレンド系についての本は下記にまとめてあります
働き方の変化に対応するために必要な準備
ここまで働き方が変化する背景を見てきました。こういった背景を踏まえて、働き方が変化する時代に置いて何を準備するべきなのでしょうか?
本書では、3つのシフトが必要であると言われています。
働き方を変える! 〈3つのシフト〉
- ゼネラリスト→連続スペシャリスト
- 孤独な競争→みんなでイノベーション
- 金儲けと消費→価値ある経験
ゼネラリストより「連続スペシャリスト」
グローバル化が進んでいくため、全世界の方との競争が求められています。そのため、専門技能の習熟の時間を確保することがより一層求められていきます。
「連続スペシャリスト」は、仕事において必要な知的資本「知識と知的思考力」をより一層身につける必要があり、そのために時間を使うことが求められるというのです。
連続スペシャリストに必要な2つの資質
「連続スペシャリスト」について本書では、「ニーズを先回りして」高度な専門技術を身につけることと、自分が持っている能力を相手に伝える「セルフマーケティング」が必要であるとしています。
連続スペシャリストに必要な2つの資質
- 専門技能の連続的習得:ニーズが高まりそうなジャンルをえらんで、高度な専門知識と技能を身に着ける
- セルフマーケティング:自分の能力を取引相手に納得させる材料を確立する
また、本書中でも再三言われていますが、未来で成功しようと思ったら未来のことを知ることが大切であると書かれています。
未来の世界で成功したければ、高度な専門技能と知識を身につけるべきなのだ。そのためには、まず未来にどういう技能と知識が価値をもつのかを見極める必要がある。
引用:ワーク・シフト
連続スペシャリストが技能を考える際にしっておくべき3条件
ただ、やみくもに技能を身につければよいということでもありません。本書でも、高い価値を持つ技能の3条件が書かれています。
高い価値を持つ技能の3条件
- 技能が生み出す価値が広く理解されてる
- 技能の持ち主が少なくて需要が供給を上回っている
- 技能が他の人に模倣されにくく機械によって代用されにくい
ちなみに、高い専門知識を身につけるのに必要なのは時間よりも場所だともされています。高い専門知識が集まる場所で長い時間を過ごすことができれば、高い専門知識が身についていくのです。
孤独な競争より「みんなでイノベーションを起こす」
テクノロジーが発展していくと、人は孤独になっていきます。孤独は幸福感を下げてしまうので、他の人と強い関わり合いを持つ必要があります。孤独が深まる未来の世界では活力を与えてくれる人間関係が大切なのです。
また、これからは主体的に未来を構築する必要があり、新しいことを考えるイノベーションと創造性が必要になります。新しいことを考えるには多様性のある人的ネットワークを築くことが重要であるとも書かれています。
本書では3種類のタイプの人的ネットワークを構築することが必要だと言われています。
強い関わり合いを持ったポッセ(頼りになる同士)を持つ
ポッセは頼りになる同士という意味であり、人数はそこまで多くいる必要がない人的ネットワークです。
大体15人を下回る位の人数でい形成することが望ましいと言われています。
充実したポッセを築きたければ、他の人と協力する技能に磨きをかけることが大切なのです。
また、ポッセを築くには自分が積極的に発信しないといけないとも言われています。
ここらへんは、「バカになるほど、本を読め!」で書かれていた、「自分の認識を外に発信する」というエクスフォーメーションに似ています。
参考ブレない軸を作る読書術「バカになるほど、本を読め!」要約まとめ
更に、ポッセの築き方については、「君に友だちはいらない」で書かれていた、自分の生き方を貫いていれば戦友ができるという点とも似ています。
[人脈はいらない]人脈の整理術とは?「君に友だちはいらない」要約
ビックアイデアクラウド(大きなアイデアの源)を持つ
友だちの友だちであり、自分とは違うタイプのつながりをもつことが大切。主にバーチャル空間の付き合いになることが多い。メンバー数は多ければ多いほど良いそうです。
本書の中でも書かれていますが、「ゆるいつながり」を持つことが大切だと言います。
これは、「人生は20代で決まる」の中でも出てきている文章であり論文ですね。
参考書評「人生は20代で決まる」20代が人生で後悔しない3つの方法
自己再生のコミュニティ(支えと安らぎの人間関係)
リアルな人間関係で、頻繁に会い、一緒に食事をしたり、冗談を言いあったりしてくつろげる人間関係。
生活の質を高めて心の幸福を感じることができる人間関係ですので、この人間関係を築くことも大切なのです。
こういった3種類の人間関係を構築し、適度なバランスをもっておくことが、人生を豊かにする上では必要なのでしょう。
金儲けと消費より「経験に価値を置く生き方」
ここが一番大変だと言われています。
つまり、「バランスの取れた働き方を選ぶ勇気」をもつことが大切だと言うのです。
伝統的なキャリアと仕事の形態が崩れ、もっと大きな自由と機会を手にできる可能性を生み出せる新しい働き方が広がり始めています。こういった波に乗れるか否かというのは、最終的には自分の勇気次第です。
「ビジョナリー・カンパニー4」にもビル・ゲイツの話で書かれていましたが、結局波が来ても行動できなければ、その波を活かすことができないのです。
その運が良い状況をタイミングだと見極めて、実際に行動できなくては、運を活かすことができないのです。
仕事において必要な能力に、情緒的資本「選択について深く考え、行動を取る強靭な精神を育む能力」というものがあります。この選択肢を明確に理解した上で選択をおこない、選択の結果と代償を受け入れることこそが、ワーク・シフトには最終的に必要なのです。
「ワーク・シフト」で仕事と職場を活かすも殺すもあなた次第
「ワーク・シフト」が上手くできれば、仕事と職場をより活かすことができます。
つまり、生きがいを見つけられることができる可能性が高まるのです。
しかし、上手く「ワーク・シフト」を実践できず、仕事や職場を嫌々やらされると生きがいを見つけることができなくなります。
第三のシフトである、思い切った選択をおこない、選択の結果を受け入れ、自由な意志に基づいて行動する覚悟ができているのかどうかになるのです。