書評「ハイコンセプト」次世代に必要なハイコンセプト・ハイタッチ?

5.0
ハイコンセプト・ハイタッチとは

「これからの働き方ってどうなるだろう?」

「必要なスキルってなんだろう?」

2006年に出版されていて古い本ですが、今回紹介する「ハイコンセプト」はビジネス書における名著だと思います。

トレンド本でありながら、内容が古臭くなることはない。

今後通用していく人間を書いているところは、今でも通用していくものです。

ハイコンセプトを読むと学べることは下記のとおりです。

  • 自分の仕事が大丈夫かどうかを考える判断力
  • ブルーカラーからホワイトカラーへの労働の変化の歴史
  • 論理よりも共感力の鍛え方と重要性
  • 新しいことを考え出す方法と重要性
  • 今後、生き残る人材

「ハイコンセプト」あらすじ

21世紀にまともな給料をもらって、良い生活をしようと思った時に何をしなければならないか―この「100万ドルの価値がある質問」に初めて真っ正面から答えを示した、アメリカの大ベストセラー。

引用:Amazon

もしかしたら、ハイコンセプトを読んでいなければ、今後どの様な人材が生き残るのかを理解することができずに、生き残ろうと思っても無駄な努力をしてしまうかもしれません。

実際、この本を読んでから努力の方向性が変わりました!

それでは、ハイコンセプトを解説します!

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ハイコンセプト流「仕事が未来でも生き残るかチェックする質問?」

ハイコンセプトに書いてあった最もセンセーショナルな質問は下記です。

  • この仕事は、他の国なら、もっと安くできるのか?
  • この仕事は、コンピュータならもっと早くやれるだろうか?
  • 自分が提供しているものは、豊かな時代の非物質的で超越した欲望を満足させられるだろうか?

これは①・②がNOで③がYESの場合は生き残ることができる仕事です。

しかし、①・②がYESで③がNOである場合は生き残ることが極めて難しい仕事になります。

私もはじめてやった時は生き残ることが難しい仕事になってしまいました…。

ハイコンセプト・ハイタッチって何?

ハイコンセプト・ハイタッチとは

ハイコンセプト=創造力のこと

下記の能力のことがハイコンセプトです。

  • 
パターンやチャンスを見出す能力
  • 芸術的で感情面に訴える美を生み出す能力
  • 人を納得させる能力
  • 一見ばらばらな概念を組み合わせて何か新しい構想や概念を生み出す能力

ハイタッチ=共感力

下記の能力のことがハイタッチです。

  • 他人と共感する能力
  • 人間関係の機会の機微を感じ取る能力
  • 自らに喜びを見出し、また他の人々が喜びを見つける手助けをする能力
  • ごく日常的な出来事についてもその目的や意義を追求する能力

社会の移り変わりから見るハイコンセプトの必要性

本書の中では4つの社会の移り変わりからまず説明し、ハイコンセプトの必要性を解説しています。

  • 農耕社会
  • 産業社会
  • 情報化社会
  • コンセプチュアルな社会

まずは4つの社会の移り変わりと仕事が奪われた理由を見ていきましょう。

農耕社会は農耕が仕事そのものだった

  • 農耕時代は生き残るためには農耕をしていればよかった
  • しかし、豊かさを追及すると、分業が必要
  • 豊かさを追求した分業の結果、農耕以外の仕事に従事する羽目になった

生きるだけが目的であれば、農耕だけで良かったです。しかし、人々が豊かさを追及するために多くの仕事が出来上がってしまいました。

書評「サピエンス全史」まとめ:虚構からの人類史【超簡単な図解あり】」でも解説されていましたが、農耕社会に発展したことについて「人間が豊かさを追い求めた結果不幸になった可能性もある」と解説されていました。

産業社会と仕事が奪われる背景

  • 昔は肉体労働で仕事を行うことが普通でした。
  • 職人の仕事も手縫いや靴の補正などの仕事が多かった
  • 工場によって仕事が奪われてしまった

仕事が人工知能に変わっていく流れとは?」でも産業革命期の仕事が奪われるを解説していますが、毛織り物などは、元々は職人が担当していました。

しかし、工業製手工業に変わり分業が始まり、さらに工業製機械工業に変わることで大部分を機械に変わりました。

こういった流れで産業社会は人間をどんどん不要にして新しい仕事を作るように流れていったのです。

情報化社会と仕事が奪われる背景

  • 事務職やタイピストなどの仕事が重要になる
  • 事務職やタイピストの仕事はいまではコンピュータで代替可能になる
  • プログラマーが台頭し、年収1000万のエンジニアなども存在した
  • プログラマーは安い賃金の新興国に移る・もしくはAIでプログラミングを書く
  • 本書の中でもインド工科大学を出た超優秀なインドのエンジニアが年収300万円で働いている実態がある。

昔はタイプライターが打てるタイピストは花形職種でした。今はデータ入力という名前に変わり、派遣社員やバイトが行っていることが多いでしょう。

このように、情報化社会はテクノロジーの進化とともに、現在は花形の職業でもドンドン新興国でもできるようになっていくため、常にライバルが増えていくことになります。

コンセプチュアルな社会は所得が二極化する

  • 優秀な会社で働く優秀なエンジニアは安泰
  • 普通の会社で働く普通のエンジニアは安い賃金の新興国に移る可能性がある
  • 優秀な人は引くて数多で雇われるが、優秀ではない人はそうでもないのでしょう。

ハイコンセプトでは左脳から右脳へのシフトが大切

所得二極化を防ぐにはどうすればよいのでしょうか?

キーワードは左脳から右脳へのシフトです。

左脳は論理・問題解決という部分が主流です。これらはテクノロジーの進歩により機械によって代替される可能性が高いです。

一方、右脳はデザイン・ものがたり・共感であり、人間特有の能力だと言えるでしょう。

書評「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」AIに負けない為に?」でも紹介されていますが、AIが弱い部分は言語を理解する力だと言われています。左脳から入ってきた情報を右脳化して理解して、新しいものを生み出していく人間ならでは能力を鍛えることが、優秀になることの近道なのです。

本書の中では人間特有のそれぞれの鍛え方や重要性も書いていました

ここではどの様なことが書いてあるかだけ記載しておきます。

  • 機能性だけでなく「デザイン」
  • 議論よりは「物語」
  • 個別よりも「全体の調和」
  • 議論だけでなく「共感」
  • まじめさだけでなく「遊び心」
  • モノよりも「生きがい」

ハイコンセプトは現代にも通じる本質が書いてある本

ハイコンセプトの冒頭でも大前研一さんが、所得の二極化について語っています。

【働き方改革の影響】働き方改革の理由と意図と個人ができる対策は?」でも解説しましたが、2018年は働き方改革では、同一労働同一賃金や残業が減らされるなどの影響もあり、生産性高く副業を行う人が、より所得を増やしていく時代になるでしょう。

社会の変化と働き方改革により日本の所得二極化はさらに加速していきます。

そんな世で、求められる人材は下記のような人材です。

  • 生産性の高い人間
  • コンピュータに代替されない人間
  • 人間らしい能力を開花させている人間

ハイコンセプトの中では、下記のような人物がコンセプチュアルな時代で成功していくと言われています。

  • 境界を自分で超えていく人=ハイコンセプト
  • 新しいやり方を考えられる人=ハイコンセプト
  • 巧みな比喩が作れる人=ハイタッチ

境界を自分で超えていく人は「働き方が変化する背景と必要な準備とは「ワーク・シフト」書評要約」でも解説されていましたが、連続スペシャリストに近い印象です。

自分から挑戦する人が生き残っていくのでしょう。

また、既存のやり方を組み替えて新しいやり方を考えたり、巧みな比喩表現を作り共感ができる人がコンセプチュアルな社会でも生き残っていけるのでしょう。

ハイコンセプトが英語版で書かれたのは2005年で、日本語版の出版が2006年ですが、2018年の現在でも通用する内容ですね。

まだ、読まれていない方はぜひ読んでみて下さい。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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