「世帯年収が下がっているって本当?」
「年収が下がっている時代にどのような対策をすれば良いのかな?」
世帯年収は過去20年で約100万円も下がっています。
年間100万円ということは、月8万円になります。毎月の生活費は約8万円も少なくなっているのです。
世帯年収が100万円も少なくなった原因は物価差を利用したビジネスが以前よりも利益を生まなくなったことや、不景気による影響があるでしょう。
社会構造の変化による影響のため、政府が対応してすぐに解決することではないため、個人が対応して生活を改善していく必要があるのです。
今回は、世帯年収が約100万円も下がっている現状と対策について解説します。
この記事で学べることは?
- 世帯年収が20年で100万円も減少した事実が学べる
- 世帯年収が減少した原因が社会構造である理由が学べる
- 世帯年収が減少している世の中において個人ができる対策が学べる
世帯年収が20年で100万円も減っている事実…毎月8万円も減少
1995年と2017年を比較してわかることは、この20年間で世帯年収の中央値と平均所得はそれぞれ100万円も減少しています。
年間で100万円減少しているので、月に換算すると毎月8万円も減少しているのです。
厚生労働省のデータで見てみよう
厚生労働省では、世帯年収の中央値と平均所得を公開しています。
1995年の世帯年収の中央値は545万円・平均所得は664万円でした。
一方で、20年後の2017年はというと、
2017年の世帯年収の中央値は442万円・平均所得は560万円でした。
1995年と2017年の金額差を計算してみますと…
- 世帯年収の中央値:545万円-442万円=103万円
- 世帯年収の平均値:664万円-560万円=104万円
つまり、20年前に比べて約100万円ほど少ないのです。
昔のような生活は当然不可能である
結論から言ってしまえば、何も対策することなく、昔のような生活をするのはムリです
年間で100万円が減少しているということは、毎月8万円の世帯月収がなくなったことになります。
想像してください。今よりも月8万円の所得があったらなにができるのかということです。
家賃が8万円プラスになれば、今住んでいるマンションが2部屋くらい増えるかもしれませんし、食費も豪華にできるでしょう。
理解していただきたいのは、20年前であれば、何も考えず+月8万円が達成できていたのです。共働きが多くなった現代とは違い、共働き世帯よりも専業主婦世帯の方が多い時代にですよ?
また、1995年の消費税は3%でしたが、2019年10月以降消費税は10%まで上がりました。
その分だけ、世帯の負担は増していることになり、給料はその分上がってはいません。もちろん、企業の売上も上がることはないのです。
つまり、下記のような理由から昔のような生活は不可能ということなのです。
- 月8万円の所得がなくなっただけ
- 20年前に比べて消費税は10%になった
世帯年収が20年で100万円減少した原因は?
世帯年収が20年で100万円減少した原因はなんでしょうか?
それは、
- 他国との物価差を利用したサービスが提供できなくなったこと
- 内需のみでは利益が確保できていないという点です
他国との物価差を利用した商売ができなくなった
他国との物価差を利用して商売すれば儲かるというのがビジネスの主流になっています。
例えば、日本と他国で物価が10倍違った場合、海外では製造コストに1000円程度かかるものも、日本では100円で製造できるます。海外で製造して、日本に輸入して、1000円で売れば、差し引き900円程度は儲かるのです。
このように、海外で製造したものを、日本で安く売るという物価差を利用した製造方法が先進国では主流です。
しかし、このような物価差を利用したビジネスモデルが通用しなくなっています。原因は製造を任せていた国の物価が上昇したからです。
日本と世界の物価上昇率をご存知ですか。
- 世界の物価上昇率は2%上昇
- 日本の物価上昇率は0~0.5%程度
ちなみに、日本が製造を委託している国々の1985年以降の物価上昇率は下記のとおりです。
2018年の物価上昇率だけで比べても
- 中国:2.1%
- 日本:1%
- ミャンマー:6.9%
- ベトナム:3.5%
となっており、日本以外の物価の上昇率は著しいのが分かります。
例えば、毎年平均して3%の物価上昇率の場合は24年で物価は倍になります。
グラフを見れば分かる通り、それ以上のスピードで物価は上昇しているため、
現地製造に関わる
- 人件費
- 材料費
- 光熱費
- 土地代
などは値上がりしているのです。
このため、現地で作って日本で売るというビジネスモデルは昔に比べると利幅が少なくなり、利益が上がらなくなってしまったのです。
所得が下がった分だけ投資控え・人件費削減の結果…
物価差を利用したビジネスができなくなれば、企業の利益は減ります。
利益が減ったらどうなるのでしょうか?当然、企業は規模を縮小したり、人件費の圧縮・リストラをするでしょう。
その結果、
- 企業の投資が減る→お金が回らない→企業の利益がますます悪くなる
- 人件費が減る→給料が減る→モノ・サービスの買い控え→企業の利益がますます悪くなる
となります。
給料が減らされた人はどのような行動をとるでしょうか?
- 節約する
- 外食を抑える
- 車を買わなくなる
- 中古品を購入する
- 百貨店よりも安いスーパー・ネットショップを好む
ということになります。実感している人も多いのではないでしょうか。
安いものが売れるならば、企業はさらに安いものを作るようになり、再び利益を下げる方向に行くでしょう。
このように、企業の投資や、従業員の給料が減れば、企業の利益はますます悪化するでしょう。
そのため、日本の所得は20年で100万円ほど下がってしまったというわけです。
世帯年収が減少した分、どのように対策するか?
他国との物価差の減少や、企業の投資や人件費の減少という社会の構造的な問題で、日本の世帯年収は20年で100万円も失われてしまったと解説しました。
世帯収入が減少した分、対策を何も練らなければ、生活は苦しくなってしまいます。
それでは、世帯収入が減少した分だけ、どのような対応を取ればよいのでしょうか?
それは、不足分は自分で稼ぐか節約する必要がでてきます。
稼ぐには
- 転職をして年収を上げる
- 副業して収入源を確保する
- 投資をしてインフレの恩恵を受ける
それぞれは下記の記事で解説しています。
節約するには、節約の方法を学ぶ必要もあるでしょう。節約の方法については下記の記事をどうぞ
世帯年収が20年で100万円減少したまとめ
世帯年収減少した点について、ポイントを整理すると下記のとおりです。
- 世帯年収は20年で約100万円も減少(共働きは増えているのに…)
- 原因は他国の物価の上昇と企業の利益減少による投資控えや人件費減少
- 足りない部分は自分で稼がないと生きづらい世の中に
残念ながら、世帯年収が20年で100万円も減少してしまったのは、構造的な問題であり、政府や社会がすぐに解決できるものではありません。
そのため、世帯年収の不足分について個人的に対策を練って行動する必要があるのです。
個人ができる対策としては節約するか稼ぐかしかありませんね。
つまり、個人のひとりひとりが稼ぐことや節約について学ぶのは自己責任になるのです。
そうしなければ、世帯年収が下がった分だけ貧乏になるのです。
以上、世帯年収は20年で100万円も減少してる【対策は個人がすべき】を解説しました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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