「株式の取引で損がでた…」
「損が出た時に確定申告をするとおトクになるって聞いたけど、どうすれば良いのかな?」
株式投資を行う際に特定口座の源泉徴収ありにしている場合、確定申告をしなくても税金の報告は証券会社が勝手に行なっています。
しかし、株式での損失が出ており、損失を確定させている場合、確定申告を行えば、3年間の損失繰越が可能です。
今回は3年間の損失繰越を使うために株式で損が出た際の確定申告のやり方をご紹介します。
この記事で学べることは?
- 配当所得の確定申告が必要な人が学べる
- 配当所得を確定申告する方法が図解付きで学べる
- 配当所得を確定申告するポイントが学べる
配当所得を確定申告する場合は下記のように場合分けが可能
上場会社に投資をしている場合
源泉徴収で所得税と住民税が差し引かれた金額が証券口座に入金されています。
しかし、実は確定申告するかどうかを選ぶこともできます。
- 申告不要制度:確定申告は不要
- 総合課税:確定申告は必要
- 申告分離課税:確定申告が必要
基本的に「特定口座の源泉徴収あり」を選択しておけば、放っておいても税金の申告をしてくれます。
さらに、同じ特定口座内の損益通算もしてくれるので、損が出ても放っておけば大丈夫です。
確定申告が不要だからと言って、確定申告をしない場合は、損失の繰越控除の権利を失ってしまうのです。
海外ETFからの配当の場合
海外ETFから配当(分配金)を受け取った場合は、申告分離課税という形が取れません。
この場合、海外で約10%程度・国内で約20%程度の二重課税されていることになります。
海外株や海外ETFから配当金(分配金)を得ていて、二重課税されている場合、確定申告をすれば、外国税額控除を使うことができます。
外国税額控除は、確定申告する際に選択することが可能です。原本も一緒に送付しなければいけないので、注意が必要です。
ちなみに、大口株主であり、非上場株主の場合
なかなかいないと思いますが、大口株主であり、非上場株主の場合は、源泉徴収で所得税が引かれ、総合課税の確定申告が必要となります。
損益通算する場合の配当所得の確定申告の方法は?
損が出ている場合、損益通算を3年間損益通算する場合の繰り延べの確定申告の方法をご紹介します。
2019年版のやり方で解説しています。
確定申告作成書のページを開き適切なものを選ぶ
確定申告書作成コーナーを開きましょう
税務署の提出方法を選びます。自分で印刷して書面提出する場合を選びましょう。
事前に税務署に行き、スマホで申告可能なe-TaxのためのIDとパスワードをもらっている場合はe-Tax選択でOKです。
e-Taxを選択したら下記の欄が表示されます。
利用規約について確認したら次へを押しましょう
基本的にサラリーマンの場合は事業所得や不動産所得はないので、所得税の欄をクリックして申告書作成を開始します。ちなみに、ここでは過去の確定申告の作成も可能です。
給与年金のある方をクリックします。
申告をはじめる前にをしっかりと読む、準備してから入力を開始しましょう。
提出方法と生年月日を記入します。下記は例として記載しています。
配当所得の確定申告を開始する
青色申告の承認は受けていないので空欄でOK。年齢は少し前に記入されたものが含まれています。
給与所得の入力方法
源泉徴収表の内容を転記する。下記はサンプルの数字です。数字が間違っているとエラーがでるので、きちんと書き写してください。
社会保険料等の金額も転記しましょう。
その他の税額控除についても転記します
その他の項目についても転記しましょう。
入力終了を押すと下記の画面に遷移します。
配偶者特別控除がある場合は下記の画面を入力しましょう。
配当所得を記入する
分離課税所得の「上場株式等に係る配当所得等」を選択する
総合課税か申告分離課税を選択します。
- 株式の損益通算をする人
- 給与所得がある人
上記の場合は申告分離課税がお得です
株式等の売却・配当・利子等の入力を選択。
入力は下記のように行う
譲渡損益を出す場合は収入金額である①よりも②の取得金額を大きくすればマイナスでの計上ができます。これをしておくと、損失で余った分を次年度繰越ができるようになります。
計算結果は下記のように表示されます。
その下のページの最下部に「翌年以降繰り越される上場株式〜」の表示があり、そこがマイナスになっていれば、翌年の譲渡損失を繰り越すことが可能です。
入力が終了すると、最初の画面に下記のように表示されます。
所得控除の入力
所得の入力が終わったら、次は所得控除を入力します。
海外株式や海外ETFから配当を受けたら、外国税額控除に該当する場合があります。その場合は、下記を入力しましょう。
特定口座年間取引報告書に書いてある外国所得税額を記入しましょう
計算絵結果を下記の画面で見ることができます。
納付金額がでますが、還付される金額があると還付される金額はと表示されます。
納付する金額バージョンは下記になります。
還付される金額バージョンは下記になります。
その下には総合課税と分離課税の収入金額と所得金額の確認がありますが、全て確認したら次へを押しましょう。
住民税に関する記載について(副業バレ・投資バレしたくない場合)
住民税等入力画面になったら、住民税・事業税に関する事項をクリックして、住民税の納付方法の選択が必要です。
副業バレや投資バレをしたくない場合は、住民税を自分で納付にチェックをしれましょう。
自分の情報を入力して終了
還付金がある場合は還付方法を選択します
- ゆうちょ銀行の振込
- ゆうちょ銀行以外の銀行等への振込
- ゆうちょ銀行窓口での受け取り
と選ぶことが可能です
住所氏名等を入力しましょう
納税地と提出先税務署を記入します。
税務署は「国税局・税務署を調べる」から検索可能です。確定申告提出先は管轄税務署が決まっているので、自分の最寄りの税務署に提出するようにしましょう。
最後にマイナンバーを入力して終了です。
確定申告の入力が終わると印刷する帳票が全て出てきますので、印刷して税務署に持っていきましょう。
損が出たら配当所得の確定申告の準備をしよう
配当所得の確定申告のポイントは、
- 特定口座で源泉徴収ありの口座を利用すれば、確定申告は不要
- 特定口座で源泉徴収ありの口座を利用していても、損が出たら確定申告をすれば3年間損失繰越可能
- 特定口座で源泉徴収ありの口座を利用していても、外国株やETFの配当の場合、配当所得を申告して外国税額控除を利用するとおトク
という分類になります。
確定申告の時期に迷わないように、配当所得の確定申告を速やかに行えるようになっておきましょう。
以上、株式やETFで損した人が配当金を確定申告してお得にする方法でした。
最後まで読んでいただきありがとうございました。