「投資をしながら配当金で収入も得たいな」
「個別株ではなく分散投資をしながら高配当を得たいな」
高配当株式に投資をしたいが個別株に投資するのは怖いな。そんな方にオススメなのが、高配当に分散投資をしているETFです。
個別株ほど利回りは高くはないですが、株式に幅広く投資をしているため値動きの激しさは個別株に比べて少ないです。
銀行預金が0.01%のこの時代に、配当利回りで3%が見込めます。
月10万円で配当金生活したい場合、約4000万円の資産を構築すれば、配当金だけで生活することが可能です。
まさに、お金が働いている状況と同様でしょう。
さらに、株式市場が堅調に成長すれば、株式での売買益を狙えます。
高配当株で特にオススメなのが米国株の高配当株です。
その中でも、高配当株式のETF(上場株式投資信託)はおすすめでして、
- 個別株ではなく株式市場400銘柄に分散ができる
- キャピタルゲインも狙えるETF
- 配当利回りは3%程度ある
という、「VYM」はかなり素晴らしく開発された商品です。
今回は、バンガード・米国高配当株式ETF(VYM)について初心者向けに解説しています。
配当金を計算する方法など、初心者には非常にわかりづらい点も、解説しています。
この記事で学べることは?
- 配当金で生活したい人にVYMがオススメな理由が学べる
- VYMで配当金がいくらもらえるのかが学べる
- VYMの特徴が学べる
目次
VYMがおすすめな人「高配当ETFで配当金生活したい人におすすめ」
VYMがオススメな人を一言で言えば「高配当ETFで配当金生活をしたい人」におすすめです。
- 分散投資をしながら高配当を目指したい人
- 運用コストが低い運用商品が希望な人
- ある程度のお金を投資に当てることができる人
- あわよくばキャピタルゲインを得たいが、主に配当金を得ることが目的な人
私の主要なポートフォリオはVYMですが、VYMは配当利回りが高いだけではなく、投資商品として値上がりも期待できるのが魅力的です。
値上がりすれば必然的に配当金も増えていくことになります。つまり、配当金が成長していく可能性も高いわけです。
普通のETFや投資信託では得られないような高配当な分配金を得ながら、値上がりによる売買益を狙いたい人、つまり将来的に配当金で生活したい人には非常にオススメなETFだと言えるのです。
VYMを100万円投資した場合のチャートは?「2008年から3倍に成長」
2008年11月末に100万円を投資し、2018年11月末まで保持していた場合、350万円ほどに資産が成長しています。
VYMの配当金は?「配当利回り3%以上で配当金生活に最適です」
2018年12月現在のVYMの直近配当利回りは、3.26%でした。
3.26%と聞くと低いように思われるかもしれませんが、分散投資をしたETFの中では高めの直近配当利回りです。米国株ETFで有名なVTIは大体2%ほどだと言われています。
配当金が実際にいくらもらえるかを簡単に計算する方法
直近配当額と配当利回りがどうしても合わなくて、悶々としていました。
自分で計算してみると、意外に数字が合わなくて困ったこともあったので、備忘録的に載せておきます。
2018年9月26日に公開された配当金は0.6718ドルでした。
四半期振り込まれるので、単純に4倍すれば、1年分になります。
年間の配当金は大体2.68ドル程度です。
これを2018年度現在の価格である82.5ドルで割ると
- 2.68 ÷ 82.5 =0.03248484848(約3.25%)
となり、直近配当利回りと同様の数字が出てくるようになりました。
つまり、「投資金額×直近配当利回り」をすれば、近い数字が出てくるのです。
配当金生活に必要な金額を計算してみた「最低でも約4000万円必要」
VYMに10,000円を投資すると、年間で326円が入金されることになります。
ということは、ある程度の金額を積み立てていけば、下記のような配当収入が望めるのです。
- 10万円:3,260円/年
- 100万円:32,600円/年
- 1000万円:326,000円/年
受け取りたい毎月の配当金額(税引き前)から考えた必要な投資額は下記の通りです。
- 毎月10万円=3680万円
- 毎月20万円=7360万円
- 毎月30万円=1億1040万円
毎月10万円をもらおうと考えた場合、およそ4000万円ほどの投資が必要になります。
ちなみに、配当金は、税金を引かれるため、この金額から所得税・住民税などの税金が引かれます。
配当金は変化するから注意が必要です
ただし配当性向は市場価格により変動します。配当金自体も企業の業績によって上下します。
下記の分配金の推移を見てもわかる通り、分配金が減っている年もあります。注意が必要ですね。
VYMの特徴は?「高配当・分散・圧倒的な低コスト」
VYMの特徴は下記の通りです。
- 圧倒的に安いコスト
- 組み入れ銘柄の多さ
- ベンチマークはFTSEハイディビデンド・イールド・インデックス(REIT・無配当はなし)
- GAFAなどの無分配は入っていない
- キャピタルゲインとインカムゲインが得られること
【経費率:0.08%→0.06%(2019年2月)】かなり低い水準
VYMの経費率(1年間保有してかかる金額)は以前から0.08%とかなり低い水準になっています。
この水準はBlackRockのHDVという高配当ETFと同水準であり、業界の中でもダントツで安い方向です。
しかも、2019年2月27日に、VYMの経費率は0.06%に引き下げるとの報道がされまして、現在の経費率は0.06%です。
ETF業界の平均経費率は、0.39%と言われています。
Domestic stock ETFs charge an average of 0.39%, according to Morningstar Direct.
組み入れ銘柄は全て配当がある大型株式
下記はVYMのファクトシートから引用しました。大型株に満遍なく投資をして、中心にバリューを株据えているのが、VYMの特徴です。
VYMは、FTSEハイディビデンド・イールド・インデックスというFTSEグローバル・エクイティ・インデックス・シリーズ(GEIS)の米国版から由来する指標をベースにしています。
また、米国株式に限定しているため、REITが抜かれた指数となっています。
2018年現在のVYM構成銘柄数は402銘柄です、大体約400銘柄以上の株式に分散されています。
2019年には406銘柄に変更となっています。
2018年のVYMで投資している業界の割合は下記の通りです。高配当率な業界を中心としているため、安定して消費されるものが中心であることがわかります。
- 金融 15.7 %
- ヘルスケア 13.8 %
- 消費財 13.4 %
- 資本財 11.2 %
- テクノロジー 10.6 %
- 消費サービス 9.7 %
- 石油・ガス 9.4 %
- 公益 7.6 %
- 電気通信 4.9 %
- 素材 3.7 %
そのため、値動きが激しい、テクノロジー系の企業は少なめです。また無配当企業にも投資しないため、Googleなどの企業は組み入れられていません。
どちらかというと変動が少ない業界の株式が多いですね。大型株でもあるので、安定した配当が期待できるでしょう。
2018年のVYMの組み入れ銘柄の上位10銘柄は、
Johnson & Johnson | 3.79% |
JPMorgan Chase & Co. | 3.69% |
Exxon Mobil Corp. | 3.41% |
Pfizer Inc. | 2.53% |
Verizon Communications Inc. | 2.39% |
Wells Fargo & Co. | 2.34% |
AT&T Inc. | 2.25% |
Procter & Gamble Co. | 2.23% |
Intel Corp. | 2.19% |
Cisco Systems Inc. | 2.18% |
となっております。聞いたことがある大きな会社ばかりが中心に投資されていますね。
人気の企業GAFAは入っていない「無配当や値動きが激しいから」
「今はやりのテクノロジー系のAmazonやAppleなどの株式は入ってないの?」
残念ながらVYMにはAmazonやAppleなどのGAFA企業などは入っておりません。
なぜなら、それらの企業は、配当金を出さない無配当企業だからです。
無配当企業のスタンスとして、自分たちの企業を成長させて企業価値を上げることにお金を使っているためです。
ちなみに、GAFA企業とは、
- G:Goole
- A:Apple
- F:Facebook
- A:Amazon
の略です。
GAFAはこれからも成長が期待できる銘柄なので、投資をしたい場合は、GAFAを組み入れているVTIなどに投資をするのが良いです。
GAFAは今後も米国経済を牽引していく可能性が高いです。そのため、私もGAFAに投資をしたいので、VTIとVYM両方に投資をしようか迷っている位です。ここが悩みどころ。
GAFAについて詳しくは下記の本がオススメです。
キャピタルゲインはVTIに劣る?「配当を選ぶか売買益を選ぶか」
VYMによく比較されるのがVTIですが、売買益だけで見たときに値上がりはVTIに劣ります。
VTIの推移は下記の通りです。素晴らしいパフォーマンスをあげているのがわかりますよね。
一方でVYMのパフォーマンスは下記の通りです。
設定来だけを見ればVTIよりも優れていますが、10年間のパフォーマンスなどは負けているのがわかります。
VYMは配当生活を目指す人にはおすすめ
20代・30代の若い時に一生持つ銘柄としてVYMはどうなのでしょうか?
基本的に若い時は給与所得もあるので、配当金がなくても生活には困りません。
配当金が出たら複利効果を最大限に活かすために再投資することが多いでしょう。
しかし、そこで困るのがVTIの存在です。
VTIはGAFAや中小型株もポートフォリオに含まれているため、VYMよりも値上がりの可能性があります。
VTIの方が値上がりするけど、高めの配当金も得たい…迷う…
配当金が出てから再投資をして株数を増やすVYMか、最初から値上がりを期待してVTIにするのか迷いどころですよね。
論理的に考えれば、VTIを購入しておいて、配当金が欲しくなったら、徐々に解約してVYMを買い直すというのが一番良さそうです。ただ、その分証券会社に手数料が発生してしまいますが…。
感情的に考えると、「配当金で贅沢をしたい」「配当金を得た方が投資している実感が湧く」と考えている方もいるでしょう。
私も同意見であり、配当金が口座に入金されることで、長期投資が継続しやすくなると考えています。
実際にVYMに投資をして、ある程度の配当金が得られているのは嬉しいですね。もっと投資をしたい…。
結局は論理か感情か。迷ったら両方でもOK
VYMかVTIかという議論は「論理を重視するか、感情を重視するか」によって変わってきます。一人一人の好みに応じて購入すれば良いでしょう。
まぁ、迷っているなら両方買えば良いと思います。VTIとVYMの両方に投資をしてから、毎月投資をする際に気分で決めても良いかもしれませんしね。
両方とも1株から買えますので、1万円〜2万円程度の金額でそれぞれ購入することも可能ですよ
【最低購入額が高いなと思う人へ】VTIやVYMの投資信託も購入できますよ
もしも1万円が高いなと思う方は、楽天証券でVTIとVYMに投資をする投資信託がそれぞれあります。
そちらを活用しても良いかもしれません。
- VTI:楽天・全米株式インデックス・ファンド
- VYM:楽天・米国高配当株式インデックス・ファンド
ただし、投資信託で購入する場合は四半期ごとの分配金は受け取れません。
分配金は投資信託に再投資されることになります。
利益を得ようと思ったら、解約するしかないのです。
また、ETFに投資する投資信託という形ですので、ETFを購入するよりも毎年の運用管理費用は高めに設定されています。ここも注意が必要な点ですよね。
高配当ETFであるVYMのまとめ「VYMで配当金生活をしよう」
高配当ETFであるVYMをまとめると下記の通りです。
- インカムゲインとキャピタルゲインを得たい方にオススメ
- 配当利回りはETFの中では高めである
- 400銘柄以上に分散投資をしている
- 大型株中心なので、成長株や無配当企業であるGAFAは入っていない
- GAFAに投資をしたいならVTIなども購入する
VYMの買い方は?「ネット証券を開設して購入しよう」
VYMはニューヨーク証券取引所に上場している、海外ETFです。
そのため、購入するには証券会社を介して購入する必要があります。
米国株と同じ扱いですので、購入時には証券会社に手数料を払う必要があります。
しかし、NISA口座で購入した株式の手数料はキャッシュバックされるというキャンペーンもあります。
一般NISAは2023年12月31日までであり、投資をした年から、5年間限定で有効です。
売却益も非課税になります。配当金も株式数比例配分方式にすれば、非課税になります。
ETFを購入する際にはNISAをうまく活用して購入すると良いでしょう。
コストが安いネット証券は投資の利益が出しやすい?
投資信託は実質コストが安い方が複利効果によって利益が出しやすいです。
実際に1000万円を元手にコストが年率0.2%と年率0.6%では、30年後に400万円以上の違いが出ることもあります。
賢く投資をするなら、実質コストが安い証券口座がオススメ。
特に、楽天証券とSBI証券は両社とも日本国内では優れたネット証券です。証券口座開設が無料であり、自宅で手軽に開設できます。それぞれに下記のような特徴があるので、二つの口座を開設して持っておくのが良いでしょう。
▼楽天証券「ポイントがえげつないほどたまり二重で投資できる」
実質コストを下げるならポイント還元が1%されたり、他にもポイントが溜まってポイントで投資ができる楽天証券がオススメです。
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- 海外ETFにも定期買い付けサービスあり。ほったらかし運用も可能
- インデックスファンド以外にも投資をしたい人はSBI証券がオススメです
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