「三菱UFJ銀行ってリストラしたことあるの?」
「三菱UFJ銀行が6000名をリストラするって言ってたけど原因は?」
三菱UFJ銀行はリストラしたことがありません。リーマンショックのときでさえ減益とは言え、5400億円もの利益を出しています。
銀行とは高収益モデルな事業体ですが、その三菱UFJ銀行が6000名をリストラし、1万人の業務を削減し、支店数も約35%減らすことを明言しています。
原因としては、銀行のビジネスモデルの利益が頭打ちにあり、利益を上げていくには経費削減しなければいけなくなったからです。
今回は、三菱UFJ銀行のリストラや原因について解説します。
この記事で学べることは?
- 三菱UFJ銀行のリストラの現状が学べる
- 一度もリストラしたことない三菱UFJの歴史が学べる
- 現在リストラに着手し始めた原因が学べる
三菱UFJ銀行のリストラの現状は?「約6000名を削減予定」
三菱UFJのリストラですが、現在2017年対比で6000名の削減を計画中です。
また、本部にいる間接部門の半数を営業などの収益部門に移す計画もあるということです。
銀行のリストラ事情「大手3メガバンクでは合計3万2000人を削減予定」
2017年の日経新聞によると、大手3メガバンクである、三菱・三井・みずほはこぞって大量の人員削減を予定しているとのことです。
その数はなんと3万2000人です。
みずほフィナンシャルグループ(FG)など3メガバンクが大規模な構造改革に乗り出す。デジタル技術による効率化などにより、単純合算で3.2万人分に上る業務量を減らす。日銀によるマイナス金利政策の長期化や人口減などで国内業務は構造不況の色合いが濃くなって来たため。数千人単位で新卒を大量採用し、全国各地の店舗に配置する従来のモデルも転換を迫られる。
引用:日経新聞
大手銀行が大量の人員削減をする理由は、
- マイナス金利の長期化により運用利益が減少
- 人口減による国内事業の構造改革が必須
- ネットバンクの台頭により、支店来店者が減少
- RPAなどの機械化による業務効率化
という流れがあるでしょう。ある意味、銀行自体も構造改革しないと生き残れないということですね。
支店数を約35%削減・2017年対比6000名を削減
三菱UFJフィナンシャル・グループの決算発表を見ると、三菱UFJのリストラは、支店数は35%減少させ、6000名の人員を削減する方向です。
支店数を減少させる理由は、シンプルに支店来店者数が減少したからでしょう。
インターネットバンキングの普及により来店人数が減っていることもあります。
さらに、地方の支店の場合は人口の減少により支店の採算がとれない場合もあるので、支店を閉じなければ赤字を垂れ流してしまうことになります。
三菱UFJは2023年までに1万人の業務量を削減
さらに注目だったのが三菱UFJは2023年までに1万人の業務量を削減するとのことです。
大手銀行が業務のあり方を見直す構造改革を急いでいる。三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)の三毛兼承社長は15日の決算会見で、業務量の削減幅を1万人超に上積みすると明らかにした。
引用:日経新聞
2017年当初は9500人の業務量削減を目標としていました。
さらに500人分の業務量を削減するようになるのです。
配置転換により本部の人員を半減させる
三菱UFJ銀行は本社所属の社員を半減させ、収益部門に配置転換していく計画があります。
三菱UFJ銀行は2023年度までに、本部に所属する社員数を半減する方針だ。業務の自動化システムなどを導入し、余裕ができた人員は営業部門や海外の拠点に異動させる。長引く低金利や異業種の参入で事業環境が厳しくなっており、人員配置を最適にして収益力を高める。
引用:日経新聞
間接部門の人を収益部門に配置転換する方向性は富士通と同じです。
富士通も間接部門の人員を削減して、エンジニアや営業などの収益部門に配置転換する動きがあります。
終身雇用制度がある日本では、リストラをして雇い直すのではなく配置転換という形で、人材を活かしていくのででしょう。
三菱UFJ銀行のリストラの歴史は?
三菱UFJ銀行のリストラの歴史について調べてみましたが、残念ながら三菱UFJ銀行がリストラしたことはありません。
それどころか、三菱UFJ銀行(フィナンシャル・グループ)の従業員数は伸び続けています。
下記は従業員数と経常収益(売上)と利益を各年ごとに箇条書きにしてみました。
- 2001年:4万3000名 経常収益:3兆2000億円 利益:△2800億円
- 2005年:7万9000名 経常収益:4兆2000億円 利益:1兆円
- 2009年:8万4000名 経常収益:5兆円 利益:5400億
- 2013年:10万6000名 経常収益:5兆1000億円 利益:1兆7000億円
- 2017年:11万7000名 経常収益:6兆円 利益:1兆4000億円
このように従業員数は伸び続けています。利益もしっかり出していてさすがです。
2001年の赤字は不良債権処理と株式市場の低迷により赤字になっています。
同様に2009年はリーマンショックの影響で株式市場が低迷したので、利益が下がっています。
リーマンショックで株式市場が低迷した時に、5400億円も黒字の利益を出せるのですから、高収益モデルの事業形態であり、企業として盤石なのは明らかです。
ただ、注目したいのは、2013年から2017年です。
2013年の方がグループ人数も1万人程度少なく、売上も低いのにも関わらず、利益は3000億円程高いです。
これは、2017年になって収益が稼ぎづらくなってきたことになります。
さらに、2018年も決算資料見る限り利益は頭打ちと言われています。
三菱UFJ銀行のリストラの原因は?
利益も上げていて好調なはずの三菱UFJ銀行ですが、最近では利益がマイナストレンドにあることや、人員の効率化という観点からリストラが行われているのでしょう。
利益がマイナストレンドにあること
先ほどの決算資料を見ても分かる通り、三菱UFJの利益はここ4年間で大きなマイナストレンドに入っています。
利益がマイナストレンドに入っている原因は、他の銀行と同じように、
- マイナス金利の長期化により運用利益が減少
- ネットバンクの台頭により、支店来店者が減少
今後は、いままでの高収益のビジネスモデルだけで収益を上げることを非常に厳しくなっていくでしょう。
無駄な人員・無駄な支店数を減らし、経費を下げることによって、利益を確保することが必要になってくるのです。
多すぎる本部の人員をカットする
三菱UFJの決算資料にも書いてある通り、今後本部人員の半分を収益が見込める部署に配置転換していくことになります。
昔は本部の人員が多くても問題はありませんでした。しかし現代は、本部でできる仕事を現在は機械で代替できるため、本部に多くの人員を置いておく必要がなくなったのです。
RPAの技術が審査業務を8割削減したり、給与計算の90%の業務を削減しています。RPAによる業務効率化のながれは今後も増えていくことが予想され、人間が行う仕事が少なくなっていくでしょう。
RPAを導入すれば、削減できる人員であり、導入した方がコストが安くなります。
今後自然減という形で削減していくことになるのでしょう。
三菱UFJ銀行のリストラから学べること
三菱UFJ銀行は、これまで右肩上がりに従業員が増加していきました。
しかし、2014年以降は利益がマイナストレンドにはいっており、ついにリストラ(人員削減)を行っていくことが明らかになりました。
三菱UFJ銀行の事例から学べることは下記のとおりです。
- 高収益の利益モデルでも頭打ちが来る
- 間接部門にいる人員は配置転換される可能性がある
- 一生安泰はあり得ない
だからといって銀行は就職先としてNGなのかというとそうではありません。
依然として高収益な事業であることは変わりがなく、肥大化した経費を削減できれば、利益率は回復していくでしょう。
ニュースで「銀行が危険」と話題になるのは、いままで安泰と言われていた銀行がリストラを行うので危険と言われているだけであり、他の企業と比べても比較的利益率が高いことには変わりがないのです。
ただ、一生安泰はもうどこにもありません。そのため、自分で何かしらの準備をしておくのは必要ですね。
以上、【三菱UFJ銀行のリストラ】35%の支店減・6000名削減の原因を解説しました。
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