「インデックスファンドで長期投資する時って買ったら放っておいて良いのかな?」
「リバランスってなに?」
インデックスファンドの長期投資は、計画を立てたら動かさずに、積立をし続けるのが前提にあります。
しかし、投資信託を購入したら放っておいて良いのか?と言えば、そうではありません。
投信信託を購入時から放っておいた場合、資産価値は市場価格が上下し、長期的な投資になればなるほど、当初決めた資産配分の比率とは、徐々に異なっていきます。
例えば、債権と株式が50%:50%になるように、毎月1万円を投資したとしましょう。
債権は、基本的に価格は変わらずに利回りのみが発生します。しかし、株式は市場価格により変動していきます。
株式は平均して年利7%で伸びてきました。もしも、株式に毎月1万円(毎年12万円)を10年積み立てた場合、元本は120万円ですが、複利効果で171万円(非課税)にまで利益を生む可能性があります。
当初は50%:50%の比率で考えていたものが、下記のように資産比率が変化してしまうのです。
上記のように、資産配分の比率が崩れたまま持ち続ける場合、株式の割合が多くなるので、当初決めた資産配分比率よりも、値動きが激しくなるのです。
つまり、あなたが当初考えたリスク許容度よりも、リスキーな投資になるのです。
資産配分のバランスを整えることをリバランスと言います。しかし、投資初心者はリバランスをしようと思っても、どのタイミングで、どのようにリバランスして良いのかわからないでしょう。
今回は、資産配分比率を整えるリバランスについて解説したいと思います。
この記事で学べることは?
- リバランスのメリットを学べる
- リバランスのやり方が学べる
- 適切なリバランスの頻度が学べる
目次
リバランスのメリットは?
市場価格の変化に対応してリスクの固定化が可能
資産価値は、その時の相場に応じて上下します。株価が上昇する時もあれば、株価が大暴落するときもあります。
下記のグラフは、資産配分を購入時から放置し、リバランスしなかった時の株式と債権比率と、リバランスした株式と債権比率を比較したグラフです。
ポートフォリオは市場の変動により、資産価値の変化により、比率が変わってしまいます。
定期的に資産価値の比率を整えない場合、当初考えていたリスク許容度とは事なった運用になり、計画をした際に目標としたメリットを得られなくなる可能性もあります。
定期的なリバランスは、当初考えたリスク許容度を固定化するためにも必要なのです。
リバランスで損を回復させることも可能
定期的にリバランスをしていたら、損を回復させることも可能だったケースもあります。
下記のグラフは、
- リーマンショックでの暴落字に、暴落前に当初考えた資産配分にリバランスした場合
- 暴落を受けて感情的になり、資産配分を100%債権に変更した場合
の比較です。
ご覧いただければわかる通り、リーマンショック後に「もう暴落は怖い」と100%債権に切り替えた場合、短期的には安心するかもしれませんが、長期的に見た場合、リーマンショックの損を取り戻せません。
しかし、リーマンショックで暴落したことを受けて、冷静に当初考えた資産配分比率に戻して、淡々と運用した場合、損を取り戻しただけではなく約7年で10%以上の利益を得ています。
利益を得ている時にリバランスをした場合は、良い相場がずっと続いたら損をする可能性もあるでしょう。
しかし、大暴落で損が出た時は、投資を始める当初決めた資産配分の比率にリバランスができれば、損を取り戻し、利益が得られる可能性もあるのです。
投資信託のリバランスとは異なる値動きの資産の比率を整えること
実際に投資信託のリバランスでやることは、異なる値動きのする資産の比率を当初決めた数値に整えることです。
異なる資産とは、株式と債権などのことを言います。
他には分散する地域で考えても良いでしょう。米国、世界、新興国、日本なども、異なる値動きのする資産と言えます。
リバランスは「当初決めた数値に整える」ことです。つまり、感情的にならずに淡々と当初決めた数値に割り振ることなのです。
利益がたくさん出ていると気が大きくなり、リスク選好的になるでしょう。逆に、損がたくさん出ると気が小さくなりリスク回避的になるでしょう。
長期的に投資をしていくと、一時的な損得が原因で、資産配分比率を変更しがちです。
感情的な時は、長期的な視点で考えられておらず、先ほどの資産配分比率の調整のように損する可能性が高いでしょう。
そのため、感情的には嫌な感じになるかもしれませんが、長期的な視点に立った資産配分比率を守るようにしましょう。
リバランスで資産配分を整える具体的な方法は?
資産配分比率を整えるのはわかったけど、具体的にどういう方法で整えれば良いの?
リバランスで資産配分を整える具体的な方法は、
- 損が出ている資産を買い増して比率を整える
- 利益が出ている資産を売却して、損が出ているものを買い増して整える
ここで考えるべきなのは、税金とコストです。税金とコストがかかると、その分だけ投資信託が損を出す可能性が高いからです。
利益が出ている資産を売却した場合、売却益に税金がかかります。証券会社によっては売却時にコストがかかるでしょう。
そのため、余剰資金があれば、コストをあまりかけないために、損が出ている資産を買い増すリバランスが良いでしょう。
とにかく、リバランスする際にはコストと税金は特に注意しましょう。手数料の差は複利効果で投資信託の成績にかなりの悪影響を与えてしまいます。
リバランスのタイミングは年1回程度がベスト
リバランスの具体的な方法がわかった!毎日リバランスするわ
こんな考えになるのはやめましょう。リバランスのしすぎは、逆にコストや税金がかかってしまうため、損をする可能性が高くなります。
せっかくインデックスファンドに投資をして、コストを低く抑えようと思っているのに、リバランスのし過ぎで、台無しになるのです。
リバランスの適切なタイミングは年1回程度がベストです。毎年1年の始まりの日に、じっくりとリバランス考えてリバランスしても良いでしょう。
年1回リバランスするのがめんどうな場合でも最低2年に1回くらいはリバランスしてくださいね。そうしないとリバランスの適切な効果が得られないので。
上記の例はバンガードグループの投資信託の計画の立て方の例でも同じように記載がありました。投資信託を始める前に計画を立てておけば、損がだす原因を未然に防ぐことができます。
リバランスをしてリスク許容度にあった資産配分をキープしよう
定期的なリバランスで株式比率や債権比率のバランスを整えることができるため、常に自分にあったリスク許容度で運用できます。
また、市場価格が急激に変化した際も、リバランスを行うことは、市場価格が安いものを調整して調整することになるので、長期的に見れば割安に資産を購入できることにつながるのです。
定期的なリバランスこそが、資産運用を継続させるコツです。
理想的な資産配分を決めたら、定期的なリバランスで当初決めた計画通りに資産運用しましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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