「つみたてNISAと一般NISAの違いって何だろうな」
「一般NISAのデメリットって何だろうな」
つみたてNISAと一般NISAがあり、それぞれに特徴があります。
NISAは投資をした場合の売却利益の税金が免除されたり、配当金の税金も免除される素晴らしい仕組みです。
しかし、非常に有効な投資ツールのため、悪用されることを恐れたように多くのルールが設定されています。それがデメリットのように見えてしまい、NISA口座を使うことを躊躇させているのです。
一般NISAを有効活用できれば、年間120万円・累積で600万円の投資額の配当金を非課税で受け取れるメリットがあります。
投資額600万円で配当利回り3%で運用した18万円に対して、通常であればかかってしまう3.2万円を免除で受け取れるのはかなりデカイです。
毎月5万円以上投資ができる長期投資かは、つみたてNISAではなく一般NISAを有効活用するべきでしょう。
今回は一般NISAのデメリットと実際に一般NISAを使っている私が考える対策について解説したいと思います。
この記事で学べることは?
- 一般NISAのデメリットについて学べる
- 一般NISAのデメリットに対する対策が学べる
NISAのデメリットとは?意外につまづく一般NISAの特徴について
NISA口座は2つ持てない!開設は注意しよう!
NISAは一人一口座と決まっているため、口座を2つ持つことはできません。
一度NISA口座を作ってしまってからは移管が必要になります。他の口座から移管する手続きも、すぐにはできず、書類を取り寄せたり、送り直したりと、かなり手間がかかるのです。
NISA口座の移管の流れはシンプルです。
しかし、NISAを移管する年度中に一度でもNISAで投資をしていたら、その年の移管は不可能になります。
2019年に移管したいなと思った場合、その年度中にNISAの枠を使った投資をしてしまったら、2019年中の移管は不可能です。
その場合、2020年まで待たないといけないからです。
NISA口座を開設する時は、よく考えて開設しましょう。
同一金融機関であっても一般NISAとつみたてNISAの両方は持てません
NISAの呼び方は、後からできた「つみたてNISA」の影響により、一般NISAとつみたてNISAと呼ばれています。
一般NISAとつみたてNISAの違いは下記の通りです。
一般NISA | つみたてNISA | |
年間非課税枠 | 120万円 | 40万円 |
期間 | 5年 | 20年 |
累計非課税枠 | 600万円 | 800万円 |
投資商品 | 株・ETF・投資信託など多種多様にOK | 長期投資に適した投資信託(政府基準指定) |
投資可能期間 | 2014年~2023年 | 2018年~2037年 |
つみたてNISAは政府基準の投資信託のみが、投資対象になります。
もしもNISA口座を使用して、株式やETFに投資をしたい場合、一般NISAで取引を行わないといけません。
しかし、NISA口座は一人一口座しか持てないという決まりがあります。
つみたてNISA口座を開設している人は、一般NISAに切り替えなければいけないのです。これも、書類の手続き等があり、切り替えに二週間ほどかかります。
一度使った一般NISAの非課税枠は年内使用不可!短期売買に向かない!
一般NISAの非課税枠である年間120万円です。
この非課税枠は、資産額としての金額ではなく、購入金額の累積になります。
例えば、1日で10万円の短期売買を12回繰り返した場合、年間120万円の非課税枠を1日で使ってしまうことになります。
そのため、NISA口座はデイトレなどの短期売買には非常に不向きです。
短期売買をするなら、源泉徴収ありの特定口座を選ぶことを強くおすすめします。
一般NISAで分配金で非課税を得る方法が難しい
一般NISAは分配金が非課税になりますが、下記の内、いずれかの方法が選べます。
- 株式数比例配分方式(証券口座での受け取り)
- 郵便局への入金
- 銀行口座への入金
選択を間違えると非課税にならずに税金が課せられてしまうという恐ろしい罠があります。
さて、非課税になる受け取り方法はどれでしょう?
正解は、株式数比例配分方式である証券口座での受け取りです。
郵便局や銀行で一度現金として受け取った場合は税金が課税されてしまい約20%の税金がかかってしまうのです。
まさに、「NISA意味なし!」の状態になってしまうということなのです。
他の一般口座との損益通算は不可能
一般NISAでは、他の口座との損益通算は不可能です。
非課税されている口座と課税がされている口座で損益通算ができてしまうと、課税されている口座も非課税のメリットを受けているのと同じことになってしまうからなのでしょうか。
一応、NISA口座内では損益通算になりますが、そもそもの税金が非課税であるNISAで損益通算されたからといって意味がないですよね。
5年非課税が終わった時がめんどくさい
一般NISAの非課税期間は5年になります。
出典:金融庁ウェブサイト
この画像にも書いてありますが、非課税期間の5年が終わって取れる行動は下記のうちのどれかです。
- 終了時に売却して非課税メリットを享受する
- ロールオーバー(新しい非課税枠に移管)する
- 証券口座に移す
終了時に売却して非課税メリットを享受する
NISAは売却時の利益が非課税になるメリットがあります。そのメリットを活かして、5年期間が終わる前に、売却をして利益を確定して課税から免れる方法です。
120万円の元本が160万円になっている場合、利益は40万円です。
普通だと40万円×約20%の8万円の税金が引かれ、32万円の利益になってしまいますが、NISAの場合は非課税で40万円の利益にすることが可能です。
証券口座に移す
売却しなくても証券口座に写せば同様のメリットが得られます。
120万円の元本が160万円になっている場合、利益は40万円です。
証券口座に写せば、160万円の元本で投資を始めたということになるので、利益分の40万円は非課税になります。
さらに、160万円が値下がりして140万円になった場合は20万円の損失ということで損益通算も可能になります。
利益が出ている場合、証券口座に移すを選択しても特段損はありません。
問題はNISAで損失が出ている場合です。
120万円の元本が80万円に値下がりしている場合、証券口座に写してしまうと、80万円で投資を始めたということになってしまいます。
120万円に値段が戻ったとしても40万円が利益とみなされ税金が課されてしまうのです。
ロールオーバー(新しい非課税枠に移管)する
損をしている時に積極的に活用したい制度がロールオーバーという制度です。ロールオーバーとは新しい非課税枠に移管することを意味します。
一般NISAは毎年120万円の非課税枠がありますが、120万円の非課税枠の期間が終了した際に、新しい120万円の非課税枠を使用して、期限を延期することが可能なのです。
ただし、120万円の非課税枠を使ってしまうため、追加で投資することができなくなってしまうとも言えます。
一般NISAを使ってみてわかったデメリット対策とは?
一般NISAを実際に使ってみてわかったデメリットを解説してきましたが、ここからはより具体的にデメリットへの対策について解説したいと思います。
短期的売買は絶対にしない!長期投資オンリーの米国高配当株・ETFに投資する
NISAでのデメリットの中に短期売買には不向きと書いた通り、NISA口座での短期売買をしないだけでもNISAのデメリット対策になります。
値動きが激しい銘柄に投資をしてしまうと、値動きを追いやすくなってしまい長期投資になりにくくなります。
そのため、値動きが激しいものよりは、確実に配当金でプラスになりやすい、米国高配当株か高配当ETFに投資をするのがオススメです。
米国の高配当株式に投資をする場合はかならず大企業と言われる企業に投資をしましょう。
中小型株は投資対象としては値動きが激しいリスクがあるので注意が必要だからです。
一般NISAを使う場合、投資に関して素人だったり、個別株にそこまで執着していないという人であれば、高配当ETFのVYMかHDVに投資をしておけばOKだと思います。
とにかく、値動きの激しい個別株は避けた方が無難でしょう。
損失時はロールオーバー・利益時は証券口座に移管する
株式投資で利益を上げるには長期投資が原則でした。NISAの非課税期間は5年しかありませんので、5年を目処に売却することを考える人も出てくるでしょう。
株式投資の場合25年以上の長期投資が求められますから、5年の期間で売却を考えるのは早すぎます。非課税枠の5年が終わった際の対応をあらかじめ決めておけば、長期投資に対する判断を鈍らなくさせる効果があるでしょう。
利益が出ている時は証券口座に移すことがオススメです。証券口座に移せば、5年間で値上がりしている部分については非課税メリットを得られますので、特に損がありません。
損失時はロールオーバーが基本でしょう。損失を確定したとしても損益通算ができないNISAにははっきり言って旨味がありません。証券口座に写してしまった場合も、値下がりした価格で再取得したとみなされるため値段が戻ったとしても税金がかかってしまいます。
そのため、一般NISAで非課税枠の5年間が終わった場合、
- 利益が出ている場合:証券口座に移す
- 損失が出ている場合;ロールオーバーを使う
ということを行えば良いでしょう。
配当金狙いのETFをNISAで購入し再投資目的で投資する
NISAは長期投資が基本であり、配当金に関しても無税であるというメリットがあります。
そのため、値上がりする可能性のある株式やETFの場合、非課税枠が終わった段階で値下がりしている可能性も否めません。なぜなら、値動きが激しいからです。
一般NISAで投資するのにおすすめは配当金狙いのETFです。配当金がでてくる高配当ETFの場合、確実に無税のメリットが得られます。
毎回の配当金の支払いで20%の税金がとられていたのは無税であり、その分だけ、ETFに再投資することが可能なので、複利効果をより一層高めることが可能でしょう。
だから、私は高配当ETFに投資をするのがNISAでは非常にオススメだと考えているのです。
一般NISAのデメリットに気をつけて投資をしよう
また一般NISAのデメリット対策は下記の通りになります。
- 短期的売買をしない
- 事前に非課税枠の期限が切れたときのことを考えておく
- 配当金狙いのETFをNISAで購入し再投資目的で投資する
ちなみに、一般NISAがオススメな人は下記の通りです
- 毎月5万円以上が投資できる
- 5年以上の長期投資ができる
上記ではない人が一般NISAを行うくらいなら、つみたてNISAを行うことをオススメします。
私がつみたてNISAから一般NISAに変更したのは金額とETF投資がしたかったからです。そのため、私は現在毎月10万円以上はNISAで米国株ETFを購入しています。
配当金狙いにオススメなのは下記の銘柄です。
以上、一般NISAのデメリットと対策について解説しました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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