「投資信託で損が出た…」
「投資信託買い換えた方が良いかな」
マーケットが上下に動いている以上、投資信託で損が出るのは当たり前であり、損が出る最大の原因は感情です。
今の時代、少し調べれば、理想的な投資法なんてすぐに見つけられるでしょう。
しかし、それでも損が出るのは仕方がありません。
なぜなら、長期投資が前提なのに、短期的な損にパニック状態に陥ってしまうからです。
短期的な損に影響をされた結果、コスト面でもマイナスになります。
投資信託の損が出たことで、せっかくの複利効果を台無しにしてしまうのも、感情なのです。
今回は、投資信託で損が出たときに解決する、感情とちょっとしたテクニックを紹介します。
この記事で学べることは?
- 投資信託で損を出す原因が感情であることが学べる
- 投資家に必要な感情のコントロール方法が学べる
投資信託で損が出る理由は知識ではなく感情です
投資信託で損が出る理由が感情であるのは、
- 損失を確定させてしまうから
- パニックに陥り行動をして手数料を取られるから
- 平均に回帰するときの利益を取り逃がすから
イェール大学財団基金投資委員会委員長、米国公認証券アナリスト協会会長、バンガード取締役などを歴任した、チャールズエリスの著書でありインデックス投資家のバイブルにもなっている「敗者のゲーム」その中で、感情のコントールについて下記のように書かれています。
投資で成功するうえでの最大の課題は、頭を使うことではなく、感情をコントロールすることである。ティーンエイジャーの子供を育てる時のように、常に最大の目的を忘れず、落ち着いて、忍耐強く首尾一貫して行動することが必要だ。
損失を確定させるから損が出る
投資信託で損が出ているときは、実はまだ損になっていません。
評価額としての損はでているかもしれませんが、市場価格は平均に回帰するという習性があるため、持ち続けていれば、いずれ戻ってくる可能性もあるでしょう。
投資信託で本当に損が出た時は、損失を確定した時です。
「これ以上の損失をなんとかしたい」と焦る思う気持ちが、あなたの損を確定させるのです。
パニックになって動けば動くほど損失は拡大する
人は行動すればするほど、物事が好転すると思いがちですが、投資では真逆です。デイトレを除き、行動すればするほど損します。
投資には金融仲介業者が存在し、あなたが動けば動くほど、あなたの資産から手数料という形でお金が抜き取られていくからです。
大企業のオーナーや、機関投資家にとっては、金融仲介業者はアドバイザー・企業オーナーとの面談の調整・最新のレポートを紹介してくれるなど、彼らの役割は非常に貴重なものでしょう。
しかし、個人投資家がいくら頑張ったところで、最新情報を得たり、聞いたりすることは難しいでしょう。
このテクノロジーが発達した世界で、機関投資家を出し抜くなんて不可能に近いです。
はっきり言って、個人投資家にとって金融仲介業者は手数料をとっていく存在にしかならないでしょう。
あなたが動いて投資信託を売却し、新しいものを購入すればその分だけ手数料が抜かれてしまうので、損失が拡大します。
もしも、あなたがアクティブファンドに投資をする場合は、購入手数料が3%かかるものだったら、3%以上の利回りを出さなければ、利益を得ることができないのです。
暴落で焦って売るのは投資信託にとっては百害あって一利なしです。
「動けば手数料がかかる」と考えながら、売却するかホールドするかを考えるべきでしょう。
平均に回帰するときの利益を取り逃がす
市場は平均に回帰すると言われています。しかし、投資信託で損を出して焦って売ってしまった結果、平均に戻るときの並みに乗り遅れる人は結構多いです。
バンガードグループの創業者が書いた名著「インデックス投資は勝者のゲーム」の中で、ウォーレンバフェットの師匠でもあるベンジャミングレアムが書いた賢明なる投資家を引用して、下記のように記されています。
真の投資家は……株式市場のことなど忘れ、受け取る配当金と企業業績に注意を注いでいたほうが良い結果につながるものなのである。
市場である以上、株価が上下するのは仕方がないことです。
しかし、企業業績のみに注力をしていれば、結果的に企業が成長していき、投資家に恩恵が生まれてきます。
企業業績に注力せず、マーケットの価格だけに中止した結果、業績が良いのに売却してしまう場合は、平均に回帰する際の利益を放棄してしまうことになるのです。
リーマンショックで暴落した時に、投資をした人は、3倍以上の利益を獲得しているでしょう。一方、リーマンショックで暴落した時に損失を確定させた人は、損失をいまだに引きずっているのです。
投資信託で損を出さない感情とテクニック
投資信託で損が出るのは感情によって、あなたがパニックになり、行動した結果、
- 損失を確定させてしまうから
- パニックに陥り行動をして手数料を取られるから
- 平均に回帰するときの利益を取り逃がすから
という3つが損が出てしまう原因だと説明しました。
それでは、どうすれば投資信託で損を出さないように感情をコントロールできるのでしょうか?
すぐに始められるちょっとしたテクニックと、感情コントロール法を解説します。
投資対象を分散すれば平均に回帰する
なんども言っていますが、市場は平均に回帰します。
長期的な視点で見れば下がりっぱなしの市場など存在しないのです。
長期的なグラフをみればわかりますが、右肩上がりのグラフになっています。下記はBloombergより引用したS&P500のグラフです。
指標が右肩が上がりなのは、市場そのものが成長しているからです。
しかし、投資対象を1つの企業に絞っている場合は、企業が倒産する可能性もありますし、右肩下がりの成長曲線になる可能性もあるでしょう。
もしもGEのみに投資をしていたら、右肩下りのグラフで、あなたの資産はかなり減っていたかもしれません。(GEは配当利回り6%なので、高配当株です。高配当株投資がしたい人には良いかもしれません)
市場の成長の恩恵を受けるなら、分散投資しかありません。特にオススメなのは、インデックスファンドを使って、市場全体に投資する方法です。
例えば、バンガードグループが出しているVTIというVanguardTotalStockMarketETFは、米国市場の3,680企業に投資をしている投資信託です。
VTIをSP500の指標と比較してみると、下記のように動きが一致しているのがわかります。
ただ、VTIは米国に上場しているETFなので、外国株と同じように購入する必要があり、
- 証券口座で外貨を手に入れる
- 外貨でETFを購入する手続きをする
- 外国税額控除を受けるために確定申告をする
など、かなりめんどうくさい手順が必要でした…。
そのため、いままでは米国株のETF投資家の間で人気があるだけで、一般人の手が出しにくかったのです。
しかし、最近では、バンガードと楽天が提携して、楽天・全米株式インデックス・ファンド(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全米株式))が誕生しました。
楽天投信投資顧問がVTIに投資しているのETFを我々も出資して購入することが可能なのです。この結果、1口100円から購入できるようになりました。
このような投資信託はVTIだけでなく、全世界投信であるVTなど、アメリカだけでなく世界各国に投資するものが増えてきています。いまや、初心者でも手軽に購入できる良質な投資信託が増えてきたのです。
市場全体に投資をするため、1つの企業の業績に左右されることがなく、市場の成長の恩恵を受けられるのです。
買ったら忘れる
買ったら評価額とか見てしまうから、損が気になってパニックを起こすのです。
投資信託を購入したら忘れましょう。
極力見ないことが一番です。そのためにも投資信託を投資するなら自動積立を選択して、購入したら放置しましょう。
損が出たら売らない!代わりに入金力を高める
損が出てパニックなり、売却してしまったら損が確定します。
平均に回帰するというシンプルな法則がわかれば、売るよりも購入した方が良いとは思いますが、購入する資金がなければどうしようもないです。
そこで、損が出てしまったら売るのではなく、反省して、入金力を上げる努力をしましょう。
損が出るのは投資の性質上仕方がないことです。
株式投資は平均すれば右肩上がりですが、マイナスが出るときは20%・30%マイナスになることもよくあります。
問題なのは、損を出したことではなく、暴落したときに買い増しできないことです。
次回暴落があったときには、買い増しができるように入金力を高めましょう。
入金力を高める方法は、
- 転職
- 資格
- 副業
- 節約
このように、できることはたくさんあります。
損失を出した時は、自分の入金力を見直す良い機会です。
入金力を見直して、一生投資できる姿勢を作り上げましょう。
投資信託で損が出たときの感情の対処法こそが本領発揮
投資信託で損が出たときこそ、あなたという人間が試されます。
苦境に立ったときに、感情に流されるのか、それとも理性的に対処できるのか、その反応次第で、勝者にもなり、敗者にもなるのです。
かの有名なウォール街のランダムウォーカーでも下記のように書かれていました。
投資家は皆感情を持った人間であり、欲望、賭け、願望、期待、不安を抱いて株式投資に挑んでいる。だからこそ、株式投資で成功するには、単に知性の面ばかりでなく、心理的な面でも研ぎ澄まされていなくてはならないのだ。
ウォール街のランダム・ウォーカー〈原著第11版〉 ―株式投資の不滅の真理
真の投資家になるには心理的な面でも、強い投資家になる必要がありますね。
心理的に強い投資家になれるように、
- 分散投資をする
- 買ったら忘れる
- 入金力を高める
という3点を精進していきましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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