「終身雇用制度が崩壊する?」
「終身雇用が崩壊するとどうなるの?」
トヨタ自動車の社長や経団連の会長など、経済界の重鎮たちは「終身雇用が崩壊する」と発言しています。
実際に終身雇用は崩壊寸前であり、終身雇用の特徴である、無期雇用・年功序列・退職金制度が急速に失われています。
終身雇用とは、好景気が前提として成立した雇用形態であり、現在の日本の不景気では維持することが難しいのです。
もちろん、終身雇用が崩壊すれば、個人のサラリーマンも戦略的に働き方を変化させなければいけません。
終身雇用が崩壊した際のサラリーマンの生存戦略とはどのようなものなのでしょうか?
この記事で学べることは?
- 終身雇用の特徴から崩壊する原因が学べる
- 終身雇用が崩壊した後のサラリーマンの生存戦略が学べる
- 終身雇用崩壊に向けた準備はいつからしておくべきかが学べる
目次
終身雇用は崩壊はそろそろ始まる?終身雇用で未来はどうなる?
経団連の中西会長とトヨタ自動車の豊田社長が終身雇用については見直したほうが良いという発言が日経新聞やFNNのニュースで取り上げられていました。
終身雇用が崩壊したらどうなる?
終身雇用が崩壊することにより、下記のことが起こることが予想されます。
- 45歳からの早期退職が一般的になる
- 転職を繰り返すことが当たり前になる
- 社会人になってからも人材としての価値を上げなければ職がなくなる
いままでは終身雇用が維持されていたため、社会人になってから価値を上げなくても、勤続年数が上がることで年収が上がっていきました。
しかし、終身雇用が崩壊すれば、企業が使えない社員を雇うことはなくなるため、一定年齢に到達した人を解雇するというような風潮に変わる可能性もあります。
終身雇用がなくなれば転職により価値を上げていくのが当たり前になるでしょう。
社会に出てからも人材としての価値を上げなければ、職なしになる可能性もあるのです。
経済界の重鎮達が終身雇用崩壊についてコメントをし始めた
それまで終身雇用制度に関してコメントをしていなかった経済界の重鎮達が、2019年ごろから、終身雇用崩壊について語り始めました。
経団連会長中西会長の発言
終身雇用を巡っては、経団連の中西宏明会長も「企業からみると(従業員を)一生雇い続ける保証書を持っているわけではない」と語るなど、これまでの日本の雇用慣行が転機を迎えたとの見方を示している。
「終身雇用を前提とすること自体が限界になる」、「だめになりそうな事業を、雇用を維持するために残すということをすると、雇用されている方にとって一番不幸」として、終身雇用が転機を迎えているとしている。
トヨタ自動車の豊田社長
日本自動車工業会の豊田章男会長(トヨタ自動車社長)は13日、都内で開いた記者会見で終身雇用について「雇用を続ける企業などへのインセンティブがもう少し出てこないと、なかなか終身雇用を守っていくのは難しい局面に入ってきた」と述べた。
豊田会長は「今の日本(の労働環境)を見ていると雇用をずっと続けている企業へのインセンティブがあまりない」と指摘。現状のままでは終身雇用の継続が難しいとの考えを示した。
経済同友会・桜田謙悟代表幹事
「昭和の時代は、大変よく機能したと思う。ただ、経済そのものが大きく変革してしまった中で、終身雇用という制度をとらえるとすれば、やはり『制度疲労』を起こしている可能性があるので、(今後)もたないと、わたしは思っている」
口をそろえて終身雇用が終了すると言っています。
一体どうして終身雇用が終了すると言えるのでしょうか?
終身雇用が崩壊する原因は?
終身雇用が崩壊する理由は、終身雇用の特徴から考えれば、すんなりと理解できるでしょう。
終身雇用の特徴とは一体何なのでしょうか。
終身雇用の特徴「無期雇用・年功序列・退職金制度」
終身雇用の特徴は主に3つあります。
- 解雇なし(無期雇用)
- 定期昇給有り(年功序列)
- 退職後にインセンティブあり(退職金制度)
上記3つの特徴が揃っていると、解雇される心配もなく、給料は徐々に増えていき、退職する際には退職金がもらえる働き方になります。
これを終身雇用制度と呼んでいるのです。
終身雇用制度は企業に多くのメリットをもたらしていました。
- 徒弟制度が作れる
- 社内教育が充実する
- 労働力を安価で仕入れられる
先輩社員が部下を教育するという徒弟制度を構築できたため、手厚い教育が受けられるのはもちろん、退職を前提としないので、社内研修を充実させることもできました。
また、「年齢が上がったら給料が上がるから」という前提があるため、新卒の初任給はかなり低く設定されています。
それでも、一生雇用が守られ、40歳から給料が上がっていくことが見込めるため、日本の大手企業に優秀な人材が集まったのです。
終身雇用の特徴は好景気でないと維持できない
終身雇用の特徴を解説しましたが、不景気により終身雇用制度の維持はもはや不可能になりました。
- 解雇なし(無期雇用)→45歳早期退職を求められる
- 定期昇給有り(年功序列)→平均給与は下がり、派遣社員が増えている
- 退職後にインセンティブあり(退職金制度)→退職金制度を放棄した企業が多い
ニュースなどでも取り上げられている通り終身雇用の特徴は崩壊しつつあります。
そのため、経済界の重鎮たちは口をそろえて終身雇用制度を守るのは難しいと言っているのでしょう。
終身雇用が守れなくなった最大の原因は、不景気です。
不景気により企業の利益は上がらなくなりました。
利益を上げられない企業は、経費を削減して利益を確保しなければいけません。
その結果として、終身雇用であるはずの日本でも、大規模なリストラに取り組まなければいけなくなりました。
ちなみに、世界各国はどうかと言うと、終身雇用制度のない各国の雇用制度の実情は下記のとおりです。
- アジア:終身雇用は無いが法律により解雇規制がある
- 欧米:終身雇用がなく転職を繰り返してキャリアアップするのが基本
終身雇用ではないため、法律に則ればリストラをしても問題ありません。
そのため、終身雇用制度が崩壊していっているのです。
終身雇用が崩壊したらどうなる?リストラから生き残る方法
終身雇用が終了した場合、サラリーマンの働き方は大きく変わることは確実です。
45歳早期退職の対象になる可能性を考慮し、普遍的な付加価値の高い人間になり転職しやすい人材になっておく必要があります。
さらに、雇用が途絶えた時を考慮して、複数の収入源を確保しておくべきでしょう。
しかし、終身雇用制度を前提とした社員教育や各種制度が依然として維持され続ける企業もあるでしょう。
そのため、個人で色々と変えていかなければいけないのです。
終身雇用終了時代にサラリーマンが取るべき生存戦略とは一体何なのでしょうか?
45歳早期退職にどう対応するか?
終身雇用制度が崩壊し場合の大きな問題として「会社の制度が終身雇用が前提となっている」ということがあります。
日本企業の多くの制度は、終身雇用制度が前提の制度であり、転職する人が前提の制度ではありません。
下記のようなものが特徴です。
- 異動を繰り返すジェネラリストを養成する異動
- 企業内でしか使えないスキルの社内教育
- マネジメントへの昇進は基本的にプロパーのみ
終身雇用制度が終了し、転職重視になるキャリアになれば異動を繰り返して全てにおいて中途半端な人材よりも、ある程度の専門技能を持ったスペシャリストの方が人材として価値が高まります。
会社の制度が終身雇用制度のままであり、ジェネラリストを養成する教育だと、人材の価値が出にくくなり不利になるのです。
会社の制度が古いと感じたら、転職を検討しても良いでしょう。
転職するなら早めの転職がオススメです。
20代からの転職は異業種への転職も簡単にできますし、年収が上がることも統計的に証明されています。
人材として普遍的な付加価値の高い人間になる
転職が基本のキャリアになるのに大切なことは付加価値です。
終身雇用制度の付加価値とは、普遍的な付加価値よりも、社内での付加価値の方が優先的でした。
社内のどの部署にいたのか、社内のどういう人と知り合いなのか、社内の仕事をどのようにこなしてきたのか、といった、社内でだけ通用する価値が重要視されていました。
一方で終身雇用制度が終了し、転職が基本になる場合には社内の付加価値よりも普遍的な付加価値の方が高いでしょう。
例えば、下記のような結果を求められるのです。
- 海外勤務経験の有り無し
- 前職の仕事でどのような成果を上げたのか?売上をどの程度上げたのか?
- 保有している資格は何か
- 有意義な人脈の多さ
このように、客観的に測定可能な、普遍的な人材の価値のほうが重要になってくるのです。
また、普遍的な人材の価値を追求していけば、転職で入社してくる人との競争にも有利に働きます。
つまり、企業の中でもリストラに会わずに、雇用が継続される可能性があるのです。
転職で有利な資格はたくさんありますが、その中でも一番コスパが高いのはTOEICです。
普遍的な付加価値として資格取得を目指すなら、TOEIC800点以上取ることを最初の目標にすれば良いかなと思います。
サラリーマンでも複数収入源を構築する
終身雇用制度が終了すれば、誰もが定年まで勤めて、退職金で悠々自適に暮らすという生活が望めなくなります。
また、意図せぬ45歳早期退職という意図せぬリストラにより、45歳でキャリアが断たれる可能性もあります。
将来を悠々自適に暮らすことや、45歳の早期退職でキャリアが断たれる可能性に対応するためにできることはなんでしょうか?
それは、サラリーマンであっても複数収入源を構築することです。
複数収入源を構築する方法として、下記のようなものがあります。
- 投資をして配当金・家賃収入を得る
- 副業をして事業収入を得る
サラリーマンだけに依存しない収入源を構築することが可能です。
意図せぬリストラにより、自分が意図しない仕事をしなければいけなくなるのも、終身雇用制度が終了した時の特徴です。
45歳でリストラされて再就職がない場合は、不本意ながらもバイトなどで食いつなぐ必要が出てきます。
収入が少なくなれば、将来的な貯蓄も少なくなるので、70歳まで働く必要がでてくるのです
意図せぬリストラ、意図せぬ働く期間の長期化など、仕事したくない、働きたくないと思っている人こそ不満を原動力として、複数収入源の構築を真剣に考えるべきでしょう。
もしも投資によって副収入を構築するなら高配当ETFでの投資もおすすめです。
終身雇用が崩壊する前にどうなるかを予測し、リストラ対策をしよう
終身雇用制度の終了は突然来るものではありません。じわじわとわかりにくい形で制度自体が変わってくることが予想されます。
気がつけば、45歳での早期退職が当たり前になるでしょう。自分が意図しない配置転換も当たり前に起こります。
一瞬はニュースになりますが、その後は目新しくなくなり、ニュースにもならないでしょう。
実際に利益が上げられていない大手企業は大規模なリストラを行っています。詳しくは下記の記事をどうぞ。
終身雇用制度が終了する前から準備しておかないと後悔することになるかもしれませんね。
以上、終身雇用の崩壊は待ったなし?サラリーマンの生存戦略とは?を解説しました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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