「分散投資よりも安定性よりも高い配当のあるETFってなに?」
「値上がりやファンドの成長など考えず配当利回りが高いETFに投資をしたい」
高配当のETFを検索して見つけたのが、iシェアーズ 米国優先株式 ETF(PFF)です。
PFFは楽天証券の海外ETF部門で、2018年12月現在、第4位にランクインしています。
そこで、今回は、iシェアーズ 米国優先株式 ETF(PFF)について解説します
目次
iシェアーズ 米国優先株式 ETF(PFF)がおすすめな人
PFFへの投資がおすすめな方は下記のような方です。
- とにかく配当が高いETFに投資がしたい
- 売買益なんて不要
- 大型株の安定性なんて不要。小型株投資で良い
- ハイイールド債よりも株式が好き
大型株の安定性は不要であり、リスクがあっても配当利回りを高くしたいという方に向いているでしょう。
iシェアーズ 米国優先株式 ETF(PFF)の直近のチャートは
設定来からの基準価額の推移は下記の通りです。最新のチャートはiシェアーズのPFFのページよりご覧ください。
ちなみに、販売開始してからの累積リターンは下記の通りです。
初期の1年はリーマン・ショックの影響もあり利益は全くありませんでした。
また、グラフをみてわかる通り、基準価額は設定来よりも下がっています。しかし、高配当のETFのため、基準価額が上がっていなくても配当金を含めたトータルリターンは黒字になっていることがわかります。
10年間投資をした場合は161%も増えているんですね。
iシェアーズ 米国優先株式 ETF(PFF)の配当金は?実際にいくらもらえるの?
PFFの直近配当利回りは、およそ5.5%です。だいたい6%前後で推移しているのがわかります。
他の高配当ETFであるVYMやHDVと配当利回りを比べてみると…。
- VYM:3.30%
- HDV:3.50%
- PFF:5.42%
となっているため、PFFの配当利回りの高さは一目瞭然です。
PFFに10,000円投資をすると、税引き前で542円の配当金がもらえる計算になります。
- 10万円:5,420円
- 100万円 :54,200円
- 1000万円: 542,000円
毎月10万円の配当金をもらおうと思うと、2214万円必要であり、税金を加味すると、2767万円必要だということになります。
分配金の単価は景気によって左右されるため、必ずしも毎回同じ金額がもらえるわけではありませんので、ご注意ください。
iシェアーズ 米国優先株式 ETF(PFF)の特徴は?
リスクが高く優先株なので分配金が高い
PFFの特徴は何と言っても高配当であることです。高配当である理由はリスクが高い高配当な株を集めているからでしょう。
リスクが高いというのは優先株を指数にしているという点でもわかると思います。
優先株とは議決権のない株式のことを言います。議決権がない分だけ、普通の株式に比べて優先的に配当が受け取れる権利があります。破産した時に優先して配当などが得られるというわけです。
優先株を発行する企業はどちらかといえば、資金調達のために発行しているという性格もあります。そのため、普通株式に比べるとリスクが高い銘柄も割とあります。
債権>優先株>普通株という順番で債権から保証を得られる可能性が高いです。
ただし、倒産したからといって必ずしも保証が受けられるとは限りません。逃げられることもありますので、お金が必ず手に入るということはないのです。
しかし、PFFの場合は、大手の金融機関がいくつか組み入れられているため、倒産可能性は低いと思いたいですが…公的注入とかありますよね?
リーマンショックなどの大規模な金融危機がくると、もちろん株式なので暴落する可能性もあります。
暴落した時はバーゲンセールなので、逆にたくさん購入すれば長期的にかなりの配当収入が見込めますね。
上記のグラフをみてもわかる通り、キャピタルゲインはあまり見込めません。
過去10年間の米国株式市場はかなり高い推移で成長してきました。しかし、PFFでは、米国市場の成長を得ることができないのです。
キャピタルゲインが見込めないので、債権的な扱いになります。リスクが高いハイイールド債権よりも優先株を購入したい方は購入すると良いかなと思いますが…。ハイイールド債でも良いのでは?と疑問が出てきますね。
分配金が多く毎月分配なので給料みたいにもらえるが税金も…
分配金が毎月分配されるので、毎月定期的に給料として払われるということになります。
分配金狙いの方に毎月分配金は魅力的なのではないでしょうか。
ただし、分配金重視で値上がりが全くしない場合、その分だけ税金も取られることになります。外国課税控除を使えれば良いですが、うまく使えない場合は、海外と日本で合計約30%も税金が取られます。
5.5%の利回りを期待していたのに、税金をマイナスすると3.85%ほどしか実際に配当が得られないということもあります。
経費率は他の高配当ETFと比べる割と高めの0.47%
経費率とはファンドを保有してかかる年間のコストのことを指します。基本的にファンドはコストが高いとその分だけ元金を食ってしまうため、元金にとっては悪影響です。
極力、経費率が低い・税金もあまりかからない、ファンドを選ぶのが、利益を出すファンドのコツです。
VYMやHDVの経費率は0.08%でしたが、PFFの経費率は両者に比べると高めの0.47%です。
0.47%は高いとみるかもしれませんが、カテゴリーの平均経費率は0.55%なので実は普通です。むしろ、VYMやHDVが異常なくらいなのです。
手数料がファンドに及ぼす影響を知りたい方は下記の記事をどうぞ
売買回転率は22%で意外と少なめ
売買回転率は1年間でどのくらいファンドの中身を入れ替えたのかを表す指標です。
ETFの場合、売買回転率はファンドのコストには影響しません。
しかし、平均回帰の法則からみると意味があるのかもしれないため、好みの問題と言えるでしょう。
PFFの売買回転率は22%であり、カテゴリの平均は1826%なので、かなり低いと言えるでしょう。
組み入れ銘柄は小型株が中心だが、金融系も多く入っている
PFFが指標としているインデックスは、S&P米国優先株式インデックスになります。
S&P米国優先株式インデックスの業種内訳は下記の通りです。
引用:S&P米国優先株式指数
また、組み入れ上位10銘柄も下記の通りになっています。
BECTON DICKINSON AND COMPANY | 2.22% |
USD CASH | 2.07% |
GMAC CAPITAL TRUST I | 2.06% |
CITIGROUP CAPITAL XIII | 1.89% |
SEMPRA ENERGY | 1.35% |
WELLS FARGO DEPOSITARY SHARES CO | 1.26% |
CITIGROUP DEPOSITORY INC | 1.24% |
PNC FINANCIAL SERVICES GROUP INC ( | 1.18% |
BANK OF AMERICA CORP | 1.14% |
HSBC HOLDINGS PLC | 1.12% |
金融系の会社が多いです。
米国で成長している産業はIT系なので、IT系があまり入っていないPFFは値上がり益を期待できる可能性は低いでしょう。
iシェアーズ 米国優先株式 ETF(PFF)のまとめ
高い配当金につられて購入している方も多いですが、市場価格の値動きを見ている限り、債権的な位置付けで語られてしまうPFFです。
- キャピタルゲインは見込めない
- 配当金は高いが税金もその分取られる
- すでにハイイールド債を持っていて、株式でも債権的な性格のものに投資したいなら良いかも
- 株価が暴落した時に大量購入すればかなりの配当所得が見込める可能性がある
という感じが見て取れるでしょう。
私も高配当ETFは大好きですが、もしも高配当ETFで、キャピタルゲインも狙いたいなら、HDVやVYMといった高配当ETFへの投資をおすすめしてます。
いずれにせよ、人気ランキング上位にPFFは入っていますが、タイミングなどをうまく考えて投資をすると良いでしょう。
iシェアーズ 米国優先株式 ETF(PFF)の買い方は?
PFFは海外のNASDAQ市場に上場しているETFのため、海外株と同様に購入できます。
購入するには証券会社を介して購入する必要があります。
米国株と同じ扱いですので、購入時には証券会社に手数料を払う必要があります。
しかし、NISAの対象になっているので、手数料がかからずに購入することも可能です。5年間限定ですが、売却益も非課税になります。配当金も株式数比例配分方式にすれば、非課税になります。
ETFを購入する際にはNISAをうまく活用して購入すると良いでしょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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