「最近よく聞くFIREってどういう概念なんだろう?」
「FIREになるための条件って何?」
FIREとは、Financial Independence, Retire Earlyの略であり、労働から解放され、経済的に自立して早期退職することを言います。
経済的に自立しているのは、会社などに収入を依存していないことです。
つまり、普段の生活費が労働以外の収入(配当金や資産の利回りがメイン)だけで払えている状態のことを言います。
今、アメリカでは経済的自立を目指すFIREムーブメントが話題になっています。
しかし、最近では、日本でも話題になりつつあるのも事実です。
長寿化により働く期間が長くなったこと、労働者の価値観が変わったことが話題になっている理由でしょう。
FIREという概念を知らなければ、早期退職を目指すこともなく、最悪75歳まで働くことになるかもしれません。
特に、20代、30代のサラリーマンはFIREについて知っておいた方が良いでしょう。
今回は、経済的に自立した状態を目指すFIREについて解説します。
この記事で学べることは?
- FIREとは何かが学べる
- FIREの種類がいくつかあるのが学べる
- FIREになるのに目指すべき資産額の基準が学べる
目次
FIREとは経済的自立のこと「近年は日本でも話題」
FIREとは、Financial Independence, Retire Earlyの略です。
日本語に訳すと「経済的に自立して、早期退職する」という意味になります。
経済的に自立するとは?労働への依存から脱却すること
経済的に自立するとは、依存した収入形態から脱却することを意味します。
世の中の多くの働き方は、収入を誰かに依存しているケースが多いです。
- サラリーマン:会社の給料に依存
- 自営業:顧客・自営業仲間からの案件に依存
このような、労働から発生する収入に依存せずに生きれるようになることがFIREです。
簡単に言うと、「労働しなくても経済的に生きることができる状態」を目指すのです。
労働しなくても経済的に生きられるってどのような状態?
労働しなくても経済的に生きられる状態とはどのような状態でしょうか?
例えば、下記のような状態が労働しなくても経済的に生きられる状態でしょう。
- 株式の配当金
- 債権の利息
- 不動産による家賃収入
- 貯金を切り崩す
上記のような状態で生きることができれば、労働をしなくても生きれる状態になります。
つまり、経済的に自立した状態となるのです。
経済的に自立した状態を作ることができれば、定年退職を待たずに早期退職を選んでも良いでしょう。また、自分が好きな労働だけ取り組むことも選べるようになります。
このような経済的に自立した状態を、早期に達成できるとFIREとなるのです。
経済的自立であるFIREムーブメントは1960年からある?日本で話題になったのはいつ?
経済的自立を促すFIREムーブメントは最近話題になっているように思えますが、概念自体は古くからあります。
調べてみると1960年ごろからある概念であり、1992年ではアメリカでベストセラーになった本でも解説されているのです。
FIREムーブメントは1960年頃からある人気の概念
最近話題のFIREムーブメントですが、実は1960年頃からある概念でもあります。
1992年にはアメリカでベストセラーになった本、Your money or your lifeの中でも概念的に紹介されています。
また、FIREという言葉としては出てきませんが、2000年代にベストセラーになった「金持ち父さん、貧乏父さん」という本の中でも経済的自立の概念が紹介されています。
金持ち父さん、貧乏父さんでは、「時間があること=豊かさ」だと述べられています。また、FIREに必要な下記のような考え方が満載でした。
- お金がお金を生み出すという考え
- 労働時間を少なくして収入を取るレバレッジの利かせ方
日本では2010年代に、ノマドブームが発生します。
場所や時間に縛られない働き方を推奨する風潮が生まれ、サラリーマンという働き方以外の選択肢があることが教えられてきたのです。
このように、FIRE(経済的自立)という考え方は時代が変わっても、どこかでは語られています。
昔から大変人気な概念なのです。
FIREムーブメントが日本でブームな理由「労働の長期化が原因?」
早期退職を目指す「FIREムーブメント」は、日本でブームとなりつつあります。
今回のFIREムーブメントの原因は、労働の長期化でしょう。
従来のFIREムーブメントの論調と現在のFIREムーブメントの論調では下記のような違いがあります。
- 従来:60歳まで労働するのが嫌だから早期退職を目指す
- 現在:一生働くのはつまらないから早期退職を目指す
これからの人間の寿命は100年になるとも言われています。
寿命が100年になったら、定年という考え方に変化が生まれます。なぜなら、老後資金が足らなくなり、その分、働いて稼がなければいけないからです。
実際に政府も70歳まで雇用を長期化させようという動きが出ています。
仮に70歳まで働くようになれば、従来よりも10年も長く働く必要が出てきます。
- 従来:22歳〜60歳までの38年の労働
- これから:22歳〜70歳までの48年間の労働
ちなみに、70歳とは日本人の健康寿命と同じくらいの年齢になります。つまり「健康でいるうちは働け」と暗に言われているようなものなのです。
もしも、早いうちからFIREになれれば、将来の選択肢がかなり広がります。
- 好きなことを仕事にしてもOK
- 仕事をしないでもOK
- 趣味に生きてもOK
長寿化の時代で労働期間が長くなる時代だからこそ、FIREの概念が必要になってくるのです。
FIRE(経済的自立)はミレニアル世代価値観にピッタリ「20代・30代は目指した方が良い」
2000年代以降に成人になった人を、ミレニアル世代といいますが、彼らの価値観にはFIREという概念はピッタリです。
現在20歳〜40歳前後の人が、ミレニアル世代と呼ばれていますが、彼らが最も大切にしている価値観がFIRE(経済的自立)にぴったりなのです。
ミレニアル世代が大切にしている価値観とは、
- 自由
- 柔軟性
- 充実感
になります。
経済的に自立することができれば、
- いつでも会社を辞められる選択肢を自由に選べます
- 生き方を選択する自由も生まれます
- 自分の好きなことができる柔軟性が生まれます
- 好きなことを頑張る充実感も得られる
そのため、FIRE(経済的自立)という価値観は、今のミレニアル世代の人々にピッタリだと言えるのです。
FIRE(経済的自立)の基準とは?「資産と支出のバランスが重要」
もしも、これからみなさんがFIRE(経済的自立)を目指そうと思うのであれば、
- どの程度の資産が必要なのか
- どのような状態になれば経済的に自立した状態であるのか
上記を知らなければFIREを目指すことができません。
FIRE(経済的自立)の基準について考えてみたいと思います。
生活費25年分程度の資産があり切り崩しても生きていける
FIREとは労働に依存しないでも生きていける状態です。そのため、貯金を切り崩しながら生きるのも、FIREと言えるでしょう。
例えば、年間の生活費が200万円の場合、25年分で、1億円くらいの資産になります。
老後費用にもらえる年金などと合計してみて「切り崩しても死なない」という状態になっていれば、FIREができるのです。
年金は約5000万円だと仮定した場合、
- 年金:5000万円
- 20年分の生活費:1億円
合計して1億5000万円であり、年間200万円で生活した場合は50年間は労働なしで生きれます。
働かなくても生きていける状態になるので、労働から自立したFIREになれるのです。
年間の生活費を資産の利回りで稼いでいる
また、年間の生活費が200万円の場合、200万円を資産の利回りで稼いでいる場合もFIREと言えるでしょう。
税引き前の利益で計算した場合、各利回りにおいて必要な資産額は下記の通りです。
- 2%:1億円
- 3%:6666万円
- 4%:5000万円
- 5%:4000万円
利回りが高い資産であればあるほど、高リスクな資産であり、値下がりする可能性が高いでしょう。3%の利回りで運用したとしても、6666万円以上の資産が構築できれば、FIREが達成できるのです。
事業所得でのFIREはきびしい…
もちろん、配当金や労働以外で生活費以上稼げてもFIREに近い状態になります。
例えば、仕組みで稼ぐ事業収入で生活費以上を稼げてもFIREと言えるでしょう。
事業の収入でFIREを目指す場合、
- 事業を一切行わなくても収入が下がらない
- 生活を脅かされる可能性がかなり少ない
- 収入が変動する可能性が低い
上記のような事業でないとFIREとなることができません。
わたし自身、個人事業として、ある程度固めの事業で収入を稼いでいましたが、それでも収入の変動が気になり、FIREとなることができませんでした。
わたしの経験から言っても、事業収入だけでFIREを目指すのは、かなり厳しと思われます。
やはりFIREで王道なのは資産形成だと思われます。
FIRE(経済的自立)の種類と達成する2つのアプローチ「FIREにも種類がある」
FIREには様々な種類があります。例えば、平均の並みの生活費を資産の利回りから得ている人もいれば、生活費を意図的に下げることで、早期にFIREを達成する人もいます。
また、生活費の不足分を労働で稼ぎながら、労働時間を圧倒的に少なくするという、FIREと労働者の中間の人も存在するのです。
FIREの達成方法を知る前にFIREの種類を知り、自分が目指すFIREの状態を決めましょう
FIREの種類とは?
FIREには早期退職後の生き方によって大きく分けて3種類の違いがあります。
- Fat FIRE:通常かそれ以上の資産を持ち「平均の生活費を上回り」経済的自立する人
- Lean FIRE:「平均以下の生活費に切り詰め」早めに経済的自立をする人
- Barista FIRE:「平均並みの生活費」だが収入の不足分を労働で補う人
簡単に言えば、生活費を平均並みにするか、平均以下にしてFIREを早期に達成するかということになります。
あなたのFIRE後のライフスタイルに合わせて、自分に合ったFIREを目指すことを決めましょう。
FIREを目指すなら労働以外の収入を作る
FIRE(経済的自立)には早期退職後のライフスタイルによって違いがあります。
ただ、どのFIREを目指しても、労働以外の収入は必ず構築する必要があります。
配当金や資産の利回りのみで生計をたてられるようになるのが、FIRE(経済的自立)の王道です。
そのため配当金が出る資産を購入したり、資産が増えるものに早めに投資をした方が良いと思うかもしれません。
しかし、投資は入金力です、
投資に回せる金額が低い場合はそれ以上にやるべきことがあります。
FIREな基準である1億円を資産形成しようと思うと、毎月10万円投資をして年利6%で行なったとして、30年間の積み立てが必要です。
毎月5万円の場合は40年はかかります。
経済的自立を目指す資産を形成するには、お金が必要です。
投資額が毎月10万円を下回る場合、投資額を引き上げることから始めましょう。
そのため、FIREを目指す人は、年収を上げる努力をして、年収アップ・副業などを積極的に行っていく必要があるのです。
支出を抑える
FIREとは、労働以外の収入(王道は配当金や資産の利回り)が生活費を超えた状態になります。
特に、先に説明したLean FIREの場合は、極端な節約をして、なるべく早く経済的自立を目指すことでしょう。
労働以外の収入を上げるのはもちろんですが、生活費を抑えてもFIRE(経済的自立)を目指すことは可能です。
例えば、年間の生活費が200万円の人が、支出を抑えて年間生活費を100万円にした場合、年利5%で考えた場合の必要な資産は、
- 年間の生活費200万円:約4000万円
- 年間の生活費100万円:約2000万円
となり、生活費を抑えれば、それだけ必要な資産額も変わってくるのです。
そのため、生活費を抑えることによってFIRE(経済的自立)を早めることも可能なのです。
日本でも話題になりつつあるFIRE(経済的自立)という生き方を検討しよう
長寿化の影響により普通に生きている場合、75歳くらいまで働かなければいけません。
そういう時代からこそ注目されるというFIRE(経済的自立)という生き方。
FIREムーブメントについてまとめると、
- FIREとは労働に依存しないで生活できることを意味する
- FIREを表す概念は1960年位から概念はあった
- 2000年代の金持ち父さん貧乏父さんではFIREという言葉はないが概念は紹介されている
- FIREを目指すには労働以外の収入を作るか支出を減らすこと
- FIREの資産目安は25年以上の生活費分(約1億円程度)
労働以外の収入源を作るには、資産が必要です。
しかし資産を作るためには年収をあげなければ難しいでしょう。
年収を上げるのにおすすめは資格・転職・副業です。
FIREを目指して、早期退職できるように頑張りたいものですね。
以上、FIREムーブメントが話題!経済的自立をして早期退職する方法について解説しました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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