「下流老人になりたくないな」
「どういう人が下流老人になるのかな…」
下流老人になりたくないと思っていても下流化してしまう可能性はだれにでもあります。
生活が順風満帆であっても、病気や事故、熟年離婚、ワーキングプアの子どもが親に依存するなどが原因で下流化する可能性があるのです。
また子どもへの援助などで老後破産する人もいます。
下流老人になりたくないと思っている方向けに、老後破産の原因と対策をまとめてみました。
この記事で学べることは?
- 老後破産の原因が学べる
- 老後破産の原因から考える対策が学べる
目次
老後破産の原因は知識不足!老後についてどの程度知っていますか?
老後破産の原因は老後の生活費の見積もりの低さでしょう。実際にいくら必要なのかを真剣に考えていない結果、老後破産することになるのです。
老後の生活費は毎月5万円の赤字になる?
「定年後の生活費の内訳と節約ポイントを解説【定年後生活費26万円】」にて解説していますが、定年後の生活費の実態は下記のとおりです。
項目 | 金額 |
---|---|
食料 | 67,668 |
住居 | 13,672 |
光熱・水道 | 21,028 |
家具・家事用品 | 9,447 |
被服及び履物 | 6,341 |
保健医療 | 14,580 |
交通・通信 | 26,972 |
教育 | 386 |
教養娯楽 | 23,767 |
その他の消費支出 | 50,083 |
合計消費支出 | 233,945 |
年金収入は毎月18万円ほどしかありませんから、老後には約5万円の赤字が予想されます。
老後資金は最低でも2100万円の資産が必要「金融庁も2000万円不足すると提言」
「書評「LIFESHIFT」100年時代の対応策を要約してみた」でも書いてあるように、人生100年時代なので、寿命が100歳までだとすると、100歳ー65歳で35年です。
つまり定年後には2100万円の赤字になることが予想されます。
これに医療費などが加算されると、赤字になる可能性がさらに増えるのです。
実際に定年後に1億円が必要なのかは下記の記事にまとめています。
また、金融庁も老後資金は2000万円ほど不足すると言っています。
年金をもらっても、退職金をもらっても一般的に2000万円不足するのです。
老後資金の積立を継続できていますか?
年金がもらえないという訳のわからない論理に振り回されて、老後資金の積立を途中でやめてしまうのも原因でしょう。
年金が支払われるか否かは自分の頭で考えられるようになった方が良いです。
私も自分で勉強する前は、年金はなくなる可能性はあるかもしれないと考えていました。
しかし、年金はなくして得する人がいないため、年金がなくなることはないでしょう。そのためにマクロ経済スライドや年金の受給額の引き下げなどの仕組みを作ったり、GPIFが株式に投資できるように政策を変更したりしているわけです。
年金が無くなると思っている人は下記の本がおすすめです。
労働できる時期に年収を上げずに浪費ばかりする
年収を上げずに無駄遣いばかりすることも老後破産の原因になります。
サラリーマンが年収を上げる方法は、
- 本業の年収を上げる
- 副業で収入源を増やす
- 投資をして配当収入を得る
- 無駄遣いを控える
と言った内容が考えられるでしょう。
働ける健康な時に、上記のような工夫をせずに、年収も上げず、無駄遣いをした結果、老後資金を積み立てることができなくなり、老後破綻することになるのです。
健康を意識せず働けなくなり老後破産
老後破産する原因は働けないことも原因でしょう。
健康に気を使って一生働ける体力作りをしておくべきです。
老後破産の原因から考えた老後破産を回避する対策とは?
下流老人にならないような対策は下記のとおりです。
- ムダづかいをしない
- 長く働ける体作り
- 定年がない事業をする
- 投資をする
- 年金を積み立てる
- 老後も助け合える人間関係を作る
- 老後資金を貯金する
それぞれ解説します。
ムダづかいをやめれば老後破産を避けられる可能性も
貯金で2100万円を用意するか、節約で生活費を下げられれば下流老人になることを防ぐことができます。
ムダづかいをやめるには、まず支出が多い項目について見直してみましょう。
- 住宅ローン
- 生命保険
- マイカー
賃貸か住宅ローンか?老後は家があると安心です
老後も賃貸に住んでいると家賃をどんどん払わなければいけません。一生賃貸でいる人はこの固定費が結構ネックになってきまう。
東京23区に住むのであれば大体の平均賃料は10万円ほどになります。
一方で住宅を購入すると住宅ローンの返済が終われば、あとは管理費・修繕積立費・固定資産税・都市計画税等を払えばよいだけなので、固定費をグッと抑えることが出来るでしょう。
年間で大体10万円前後が固定資産税や都市計画税になります。マンションなら管理費や修繕積立費が発生しますので、毎月の平均費用は3万円〜5万円と幅が広くなりそうです。
老後で一番怖いのは働けなくなった時に生活費が赤字になることです。その観点からみて、賃貸なのか戸建てなのかを考えてみると良いでしょう。
ちなみに持ち家を持っていた方が老後の資金は高いことが多いそうです。詳しくは下記の記事をどうぞ。
生命保険は毎月5000円で十分?
ムダな生命保険を掛けていませんか?
生命保険に関する事実を簡単に要約すると下記のとおりです。
- 利率が悪く掛け捨ての死亡保障で十分
- 日本は遺族年金・高額療養費制度・年金制度などが充実しているので老後は安心
生命保険は月5000程度で十分だという本もでています。
こちらを参考に見直してみるのも良いでしょう。
マイカーの維持費は3万円弱?だったらタクシーでも…。
ガソリン・税金・任意保険の合計を見ると毎回自動車に使っている維持費です。
- 軽自動車:7,685円/月
- コンパクトカー:11,270円/月
- ミニバン:14,645円/月
- SUV:15,255円月
この維持費にプラスして下記の料金がかかります。
- 車検:10万円程度(初回は3年に1回・2回目以降は2年に1回)
- 駐車場代:平均8,000円/月
- タイヤ代:5万円〜10万円程度(5年に1回)
- その他(自賠責保険・高速代・オイル代等):数千円程度
全てを総合して毎月に換算すると大体3万円弱かかる計算になります。
都市部の方は3万円かかるならばタクシーに乗ったほうが良いかもしれませんね。
長く働ける体作り
定年後でも長く働ける体作りができれば最高です。
しかし、日常生活が制限なく生活できる健康寿命は平均寿命に比べて低くなっています
- 男性の健康寿命:71歳
- 女性の健康寿命:74歳
つまり、70歳を超えてしまったら、何かしらの制限を受けながら生活することになり、満足に働けなくなる可能性もあるのです。
「【健康投資】健康維持は利益率高すぎ?健康に投資する方法まとめ」でも解説していますが、健康に投資する方法は下記のとおりです。
- 健康に関する知識を学ぶ
- ヘルシーなライフスタイルを送る
- ストレスがかからない生活をする
このように長く働ける体作りを行い、なるべく長く働くことができれば、下流老人を避けることができるでしょう。
定年がない自営業の仕事を持つ
下流老人の生活が赤字になる原因は定年後に収入がはいってこないことです。
つまり、定年後でも収入が入ってくる事業があれば下流老人になることはないでしょう。
自営業には定年がないので自営業で働くのも良いでしょう。
まだ20代・30代であれば副業などをして自分の仕事を持っておくのも効果的だと思います。
長期投資をして資産を増やす
投資については賛否両論ありそうですが下記の3点を守る安全な運用を心がけるなら投資はアリだと思います。
- 長期投資
- 毎月積み立て型
- インデックス型の投資信託
- 手数料が低い
上記を守れれば、あとは放置するだけで良いでしょう。
インデックスファンドでの投資については下記にまとめています。
今のオススメはNISAです。NISAの特徴は下記を参照。
- 所得は課税されるが運用時は非課税
- つみたてNISA:年間40万円まで投資可能
- NISA:年間120万円まで投資可能
- NISAは株・ETF・REITなどがに投資できる
- 資金の引き出し・解約もいつでもOK
NISAについては下記の記事をどうぞ
また、銀行窓販の投資信託は手数料が高くなりがちですので、銀行窓販よりはネット証券の投資信託の方が手数料が安くておすすめです。
年金を積み立てる
老後には毎月5万円ほどの赤字がでると予想されますので、足りない部分を年金を積み立てることでカバーすることも可能です。
年金の積立方法は下記の方法があります
- 年金の繰り下げ受給
- 個人型確定拠出年金(iDeCo)
- 個人年金保険
年金の繰り下げ受給
1カ月繰り下げると0.7%増額し、最大5年間繰り下げると42%増額された年金が受け取れます。
最近の厚生労働省は、年金の繰り下げ受給は75歳まで選択可能にしようと検討しているそうです。
個人型確定拠出年金(iDeCo)
個人型確定拠出年金(iDeCo)は掛金の全額が所得控除されるので節税対策にもなります。
ただし限度額が決められているので注意が必要です。
- 会社員は276,000円/年(23,000/月)までかけられる
- 個人事業主は816,000円(68000/月)までかけられる
iDeCoは原則60歳まで引き出すことができませんが、所得控除になるにはサラリーマンの方に取っても自営業の方にとってもありがたい制度ですね。
個人年金を積み立てる
個人年金保険は民間の生命保険会社に年金積立を行う制度です。
- 掛金が個人年金保険料控除が適用
年間80,000円以上支払うと所得控除4万円
年間56,000円以上支払うと住民税の控除が2万8000円 - 期間内に解約したら元本割れの可能
などがあります。
老後も助け合える人間関係を作る
老後独身だと何かあったときに頼れる人がいないのは辛いです。
老後独身にならないように、若い内から結婚や出産について考えておくのも非常に良い思います。
また、「【定年後の男性の過ごし方】悲惨な定年後を過ごす原因と対策を知ろう!」でも解説しましたが、特に男性が老後で悲惨な生き方をしないためには下記の工夫が必要です。
- 偉そうにしない
- 家事能力を身につける
- 仕事以外の趣味や別の仕事を見つける
- コミュニティに属する・コミュニティを作る
- スキルを身につける
- 健康的になる
老後の生き方も戦略的になりたいものですね。
老後資金を貯金する
投資も嫌、副業もやりたくない、年金も積み立てないという方は老後資金を貯金しましょう。
2100万円ほどあれば、老後も余裕で暮らせるようになりますので、老後資金の貯金はおすすめです。
節約のポイントについては「定年後の生活費の内訳と節約ポイントを解説【定年後生活費26万円】」で解説しております。
老後破産の原因を回避できなければ生活保護が待っている
それでも老後破産してしまった場合は、生活保護を頼るしかないでしょう。現在生活保護受給者は増えているとも言われています。それだけ老後破産している人は多いのです。
少子高齢化の現状だと、今後生活保護受給者が増えていくことが予想されます。
生活保護受給者が増えていけばいくほど、生活保護受給のハードルが厳しくなる可能性もあるので注意が必要です。
個人的な見解ですが、50代の人は生活保護受給は可能かもしれません。
しかし、40代くらいの人が老後に生活保護を受給を希望したとしても、本当に必要な人以外は難しくなる可能性があると見ています。
そのため、20代〜40代の人は自分の老後は自分で守れるように、老後破産を回避する方法を真剣に考えながら取り組んでいくと良いでしょう。
老後破産の原因には早めの対策が重要である
下流老人にならないためにできることは下記のとおりです。
- ムダづかいをしない
- 長く働ける体作り
- 定年がない事業をする
- 長期投資をして資産を増やす
- 年金を積み立てる
- 老後資金を貯金する
- 老後も助け合える人間関係を作る
「書評「下流老人」将来貧困にならないために必要なことは?」で解説されていますが、下流老人になるリスクはさまざまなところに存在します。
- 病気や事故で高額な医療費を支払わないといけなくなった
- 高齢者用の介護施設に入居できない。認定が取れない。粗悪な環境で自力で生活するしかない。三食レトルト、ベニヤ板で区切って実質2畳で過ごす。
- 子供がワーキングプア(年収200万円以下)子供を養わないといけない。子供が親に寄りかかる。
- 熟年離婚により年金が半額になる
- 認知症で周りに頼れる人がいない、悪徳業者に騙されてしまう
下流老人にならないためにも、日頃から下流化しないように行動したいですね。
以上、老後破産は見積もりの甘さが原因?老後破産が回避可能な誰でも出来る超簡単な対策を解説しました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
>>【定年後の生活って実際どうなの?】
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